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(シネマ雑記帳) (70)映画 「大脱走 復讐編」

2006-02-21 00:17:20 | 映画
 アクション映画はあまり観なかった私が珍しくも観た「大脱走」はあの痛快さが忘れられずテレビで再放送があるたびに、何回も繰り返して観た名作でした。その続編があると云うことは全く知りませんでしたが、レンタル屋で「大脱走 復讐編」と云うのを発見して、あれ‥こんなのあったの‥とためらいなく借りました。勿論、前作の「脱出編」のあの迫力ある映像の再現を期待して‥です。
 ドイツ軍により厳重に警備された捕虜収容所より、250人もの大量の脱走事件が起きたことは前作品の「脱出編」に描かれています。その中でも首尾よく成功したものはごく僅かで殆どが逮捕されて再び収容所へ戻されます。そして事件の首謀者50人が国際法に違反して処刑されます。この映画はこの処刑を計画実行したドイツ軍の責任者を捜し出し、戦争犯罪裁判に引き出して復讐するまでを描いた作品です。

 脱走に成功して中立国に逃れたマシューズは、戦争が終わってから同僚を処刑したドイツ軍の責任者への復讐の念に燃えて、軍の上層部に対し捜査を始めるようにあらゆる手を打ちますが、どこかで邪魔が入り思ったようにいきません。
 それはその頃はもすでに米ソ冷戦が始まっていて、ナチスの中でも利用価値のある優秀な人物は、戦時中の犯罪事実があっても、米ソいずれかの軍組織が彼らを保護して、なかなかてを出せないようにしていたからです。そんな軍内部の組織的な戦争犯罪隠しに戸惑いながらも、捕虜の処刑にかかわった当時のドイツ軍の責任者を特定し追い詰めていきます。

 前作のインパクトがあまりにも強烈だったせいか、この作品は大きな見せ場や盛り上がりに欠けて、なんとなく終わって仕舞った様な冗漫な印象を受けました。それに前作と決定的に違った点が一つありました。それは本作品には女性が登場したことです。このフランス人女性はドイツ軍将校の愛人の立場を利用して、レジスタンスに協力して脱走捕虜を中立国へ脱出させると云う、役割を果たしているのですが‥なにか無理に女性を登場させた‥ような印象は捨て切れません。
 この映画を単独の映画としてみた場合は、発想もそう悪くはないのですが、どうしても前作品で受けたスリルや爽快感を期待して観たため、大きな空振り‥と云うのが偽らざる印象でした。

(写真) 勿論、これは今回の『復讐編」でなく前作品
 「脱出編」のもので私の最もお気に入りのシーンです。
   あの頃は私もバイクに憧れましたから‥
    でも免許を貰って実際に乗れたのは
    あの映画を観てから数年後のことでした。