映画と音楽そして旅

主に懐かしい映画や音楽について…
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(映画音楽)「想い出のスクリーン・バック・ミユージック」(2)

2006-02-16 06:14:59 | 映画音楽
 久しぶりに原点に戻って来ました。私の手持ちのCDから‥先ずは先日の京都宝塚劇場ラスト・イベントでの、上映作品の一つで永遠の名作より‥
  「太陽がいっぱい」(フイルム・シンフォニック・オーケストラ)
 この映画1960年に公開された映画ですが、凄く寿命の長い映作品ですね。
 さて、この映画のタイトルから何を連想しますか?私なら‥先ず表題から「照るつける太陽」「地中海」「白いヨット」「ハンサムな青年」「南国系の美人」‥と私の好きなラヴ・ストリー用の甘いイメージばかりです。
 でもマイナーな要素もないとサスペンス風の、物語そのものが成立しませんし‥で、心ならずも無理にこじつければ、「打算」「非情」「冷酷」とでもなりますか‥それにしてもあのラストは衝撃でしたね。
 ずい分前にテレビで観てあれからまた‥BSの放送を「留守録画」して‥結局はまだ観ていないんですが、ストリーは判ってるし永久保存版になりそうです。
 あの音楽を聴くと‥‥コトはすべてうまく運んだし、南国の太陽の光を身にいっぱい浴びながら、ゆったりと寛ぐいるところへ電話が‥ちょっぴりと気の毒になりました。私が苦手とするサスペンスでしたが、ストリー構成がシンプルだったので、私みたいなお馬鹿さんでも最後まで観ることが出来ました。
 
「八十日間世界一周」(ヴィクター・ヤング・オーケストラ)
 この映画ほどタイトルや音楽をよく耳にする割合に、内容を知らなかった映画は少ないようです。とにかく知っていることは、つまらないワン・カット撮るために、ハリウッド・スターが総動員?されたとかいう伝説が‥と云う程度でした。
 これも筋書きが単純で私にも理解できそうな映画でしたが、日本で公開された1957年と言えば私の映画熱は早くも下り坂で関心も薄かったようです。
 それで前記のようにそんなに大勢のスターが出ていたのか‥と云えば、シャルル・ボワイエ シャーリー・マックレーン マレーネ・デトーリッヒ フランク・シナトラ等々これやっぱりホントのハナシでした。
 信じられないのは「地上より永遠に」で華やかなミュージカル・スターから、シリアスな俳優に転進したはずのフランク・シナトラが、登場したもののセリフは一言もなし‥と云う有様だったそうで、やっぱり「錨を上げて」の時代が彼にとって最良の時代だったのでしょうか。1950年代後期のハリウッドにおけるミュージカルの、構造変化を象徴するような出来事でした。
 もう一つの驚き‥それはこの映画が1956年度のアカデミー音楽賞を受賞していますが、しかし音楽担当のヴィクター・ヤングは、受賞の四カ月前すでに他界していました。
 しかも‥しかもですよ!「シェーン」「ジャニー・ギター」「エデンの東」など不滅の名曲を生み出した、あのヴィクター・ヤングのオスカー受賞はこれが初めてだったって‥‥彼が手がけた映画音楽は約350本、アカデミー賞にノミネートされること22回‥‥遅すぎた没後のオスカー受賞‥‥そんな馬鹿な!私はこの記事を読んで何故、生前に贈ることが出来なかったのか‥残念に思いました。
 半世紀以上もたった今頃になって、私ごときが文句を言ってもしょうがありませんが‥

 でも私は1956年11月‥‥この偉大なる「映画音楽」の巨匠が他界した年月を、永久に忘れることは出来ないと思います。