隠岐から発信!森林・林業普及情報

隠岐地方の森林・林業情報をお届けします。

マイマイガの大量発生について

2014年06月20日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。

今回はマイマイガに関する話題です。

困ったことに島前地域でマイマイガ(現在は幼虫、蛹)が大発生しています。

島根県全体でも例年に比べると多く見かける状況のようです。

島前地域では、マイマイガの幼虫が住宅の近くでは畑の作物や果樹の葉を、森林でも広範囲で広葉樹の葉を食害しています。
遠くから見ると葉がほぼ全て食べられた木は枯れたように見えます。

 

遠景では食害された広葉樹が茶色っぽくぼやけ、枯れて見えます。

 

少しズームを利かすとこんな感じ。

 

食害を受けた枝葉はこのような状態になっています。

 

造林されたクヌギもほぼ全ての葉が食い尽くされています。

回復するかどうか、注視していく必要があります。

 

文献や資料によると樹種によっては2週間程度で新芽が出て回復するようですが、全く回復の兆しが見られない木もありました。今後、経過を見守っていく必要があります。

マイマイガは10年周期で大発生し、1~3年で終息するようで、終息する原因は幼虫期の病気(ウイルス性)の流行によるものだそうです。
また、幼虫に毒性はないようですが、触ると皮膚に体毛が刺さり、人によっては発疹が出る場合もあるようですので、駆除等をされる場合にはくれぐれもご注意ください。


樹木の育苗研修会に参加

2014年06月18日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。
6/13(金)に開催された県内の林業普及員対象の樹木育苗研修会に参加してきました。
この研修会は年4回に渡る研修で、今回は第2回目となります。

第1回目は、スギとヒノキの播種(種まき)、スギ挿し木づくり・挿し付け作業を行いました。
2回目の今回は、①発芽し3㎝ぐらいに生長した幼苗を適切な密度にするための間引き作業、②根切り虫(コガネムシ)対策のための殺虫剤散布、③病気を防ぐための殺菌消毒剤散布、④これからの季節の大敵・雑草を抑えるための除草剤散布を行いました。

講師は、第1回に引き続き県緑化センターの瀧真司企画員です。

 

①間引き作業の様子

結構まばらな状態で発芽しています。

ピンセットを使って根気強く間引きを行います。

1回目の間引きは10㎝×10㎝(100cm)あたりに14本程度となるよう、形質や色の悪い苗をターゲットにひたすら抜いていきます。

間引き作業の後は、殺菌消毒剤(タチガレン500倍液)をジョウロで散布。

 

②殺虫剤散布(根切り虫対策)の様子

2年生ヒノキの苗畑で行いました。筋状に5㎝程度土を掘り、殺虫剤(粉)を手で散布します。

使用した薬剤は「トクチオン(粉末)」

 

③殺菌消毒剤散布(病気対策)の様子

2年生マツの苗畑にて。

動力噴霧器を使用して実施しました。

使用した薬剤は「キノンドー500倍液」

 

④除草作業、除草剤散布の様子

除草作業は苗畑作業の中で最も多くの労力を要します。

雑草を見つけたらすぐに取り除く。根を畑に残さない。これが基本です。

畝と畝の間は、除草作業を行った後、手動噴霧器で「ダイヤメート250倍液」を散布。

1月ぐらいは効果が期待できるそうです。

 

今回の研修で参考となったことは多々ありますが、一番大事なことは、苗畑の様子を日頃から細かくチェックして(できれば毎日)、異変があれば早めに対処する、ということであり、これに尽きると感じました。
苗の一部に枯れなどの異変が見つかれば原因を究明し、薬剤を散布したり追肥したり焼却するなどの対処を施し、経過を見守る。改善しなければ次の手を打つ...。その積み重ねこそが育苗技術の熟練につながっていくのだろうと感じました。
また、そのことを記録しておくことの重要性についても講師の瀧企画員から言及がありました。苗畑全体や苗の様子をデジカメ等で記録したり、作業日誌をつけておくことで過去の状況が判り、やるべきことや対処方法が見えてくる、しかもベストのタイミングで。ということですね。


隠岐流域林業活性化協議会 島前会議の開催について

2014年06月10日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。

6/9(月)、平成26年度隠岐流域林業活性化協議会 島前会議が開催されました。

隠岐島前各町村、隠岐島前森林復興公社、森林組合、森林所有者代表の方、委員全員の出席を得て開催することができました。

委員の皆様からは昨年度(H25)の活動報告、今年度の活動計画に対する意見や要望が出され、活発な議論を行うことができました。

今年度、島前地域では、森林組合がFRONT80(農林中金基金事業)を活用し、利用間伐や島外への木材出荷、低質材のチップ化などの取り組みに本格着手されます。

協議会内の「島前部会」において、島前地域の森林資源をどのように活用するのか、地域振興に結びつけていくのか、などの議論を行い、取り組みを進めていきたいと考えています。