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隠岐島前において原木生産に向けた研修会を実施

2020年10月12日 | その他

●日時:令和2年10月1日(木)~3日(土)

●場所:西ノ島町  別府      

 このほど、隠岐島前において、本土の認定事業体から講師を招いて、隠岐島前森林組合の職員と現場作業員を対象に、数年ぶりの原木生産(搬出間伐)に向けた研修会を開催しました。


 はじめに、使用する重機(フェラーバンチャ ザウルス)の説明や点検・整備の方法を学びました。可動部分へのグリスの注入方法や作動油、オイル、冷却水、エアクリーナーのチェックなどの基本的なことから、キャタピラの交換方法やアタッチメントの交換方法などを教わることが出来ました。また、休憩時間には「たまこ(荷掛用の短いワイヤーロープ)」の編み方も教わりました。

 その後、重機に備わっている単胴ウインチと滑車を使用した伐倒・集材の方法を学びました。

伐倒木と重機との位置関係、ワイヤーロープの張り方、重機のブームやアームとワイヤーロープとの位置関係、使いやすいフックや滑車などの用具、集材がしやすくなることを意識した伐倒方法や残存木への損傷を防止するような集材方法など未経験の者でも理解しやすい内容でした。

各作業員の役割分担とそれぞれの作業における注意点なども丁寧に教わりました。

(※隠岐島前森林組合は、スイングヤーダやタワーヤーダを所有しておらず、原木生産量も極少であることから、まずはこの方法を習得することとしました。将来的に原木生産量が増加した時点で簡易架線による集材方法を習得する計画としております。)

 1日目は講師も作業員の一員として加わったうえで伐倒~造材までの一通りの作業を行いましたが、2日目は講師からの指示のもと組合作業員のみで作業を行い、それぞれが課題を見つけることが出来ました。

 また、合板向けの採材方法だけでなく、市況情報や原木価値の優劣に影響する要素、それらを基にした売り払い収入を上げるための採材方法や仕分けも併せて学ぶことが出来たことは良かったと思います。

 全体を通して、伐倒・集材・採材の方法はもちろんのこと、「作業班員全員が良い雰囲気でワンチームとして作業ができるようにはどうしたらよいか」、「誰でも最初は初心者である」、など作業方法以外の点についても学ぶことが出来た非常に有意義な研修会となりました。