集落内では一回り大きな規模の民家だった。
新しい“ひしゃぎ竹”による修複壁。
因みに、“ひしゃぐ”とは、つぶすとか叩きのめすとかの方言。
同一の節の幅が一本の竹に相当する。
祖谷地方独特の建築文化なのか、“ひしゃぎ竹”と呼ばれる外壁の工法。
竹を炙(あぶ)って、開き状態にして平たくしたものを土壁の上に張る。
厳しい冬の寒気から建物を守り、風雨対策上も土壁をしっかりと保護する。
保存会の南会長さん宅にて、農具の説明をして下さっている宮西さん。
この鍬(くわ)は、地元では“さらえ”と呼んでいて、斜面地の畑を耕す際に、下から上へ谷へ身体を向け、土を少しづつ上方に戻してゆく作業の時の農具。祖谷地方ならではの話だった。