豊茂地区の石垣 ③ 2007-12-13 04:42:23 | 土木遺産 歯並び石垣?の三例目。 青石(緑泥片岩)の性格上、層理性とも言うべき板状の石を使用して、棚田の石垣の根元にキチンと並べられている。 おあつらえ向きに、野の花までもが彩りを添え、野趣豊かな風情を醸している。 名も無き石工たちは、こうした石垣を築く際に、まさかそうした想定までは思ってなかったに違いないが、こうして見ると絶妙な美しさがある。
豊茂地区の石垣 ① 2007-12-11 18:53:45 | 土木遺産 豊茂公民館(大洲市長浜町)の近く、直ぐ裏手の棚田に面白い石垣がある。 こういうどうでも良いものを、岡目八目は逃さない。 少し離れた所にチラリ見えたのだが、至近距離に行ってみた。 堂々の青石(緑泥片岩)が縦に並んでいる。 鏡石とでも呼ぶべき使い方で、石垣の下方、基礎部分はこうした大小の石を立石にして築かれている。
八幡浜みてみん会 ⑤ 2007-10-10 11:13:54 | 土木遺産 禅宗の名刹“大法寺”。 名僧禾山(かざん)和尚を輩出したこの寺は、佐田岬半島界隈の独特な景観である青石の石垣で造成されている。積み方は俗に“落とし築(づ)き”と呼ばれる緑泥片岩の性質を利用したもので、鋭角に組むその技法は、今ではもう築く石工職人は居ない。 また、この地方では石工のことを“えばさん”と呼び、土木に関係した年配の方くらいには通じるかも知れない。今となっては、殆ど死語に近い言葉。 なお、岡山県出身の有名な木彫家平櫛田中(ひらくしでんちゅう)も、かつて禾山和尚の元に参禅し、その縁で和尚が大笑いをしている様を彫った“かか大笑”という名作が残されている。
伊勢河崎の石垣。 2007-08-14 01:54:23 | 土木遺産 伊勢河崎の町歩きをしていて気になったのが石垣。 花崗岩の石垣の中に、どう見ても青石と思われる石が積まれている。 聞けば、志摩方面に青石の採れる地域があり、波切(なきり)石と呼ばれるとのこと。 地図とニラメッコをすれば、佐田岬半島から吉野川、海を渡って紀の川、その東にそのまま延長すれば志摩になる。三波川変成帯が伸びていても可笑しくはない。 愛媛の南予からは遠く離れている伊勢だが、青石文化圏に出会えて、また身近に感じることが出来た。
直島石の景観、その二。 2007-08-04 12:33:12 | 土木遺産 ある民家土塀の基礎石垣。この石積みは少し年代が下がる“矢羽根積み”のもの。 “落とし築(づ)き”という言い方もあるが、これも微妙に形が不揃いで、しかし且つそれぞれが六個の石で囲まれたセオリー通りの安定感がある。
直島石の景観。 2007-08-04 12:28:09 | 土木遺産 加工された不揃いの石が、面白いように積まれている。 どの石も、よくよく見れば、それぞれ六個の石で囲まれている。遊んでいるようでいて、その実緻密に計算された不整形の美しさ。 こうした単に民家の石垣が、アチコチに見られる。