【DB】野村総合研究所(NRI)は、商用データベース(商用DB)からMySQLや
PostgreSQLなどのオープンソース・データベース(オープンソースDB)への移行を支援する「OpenStandia/DB移行サービス」の提供を開始した。同サービスにより従来の商用DBと比較して、ソフトウエアコストを約1/3に削減可能としている。 (野村総合研究所:09年4月22日発表)
【コメント】オープンソースソフトウエア(OSS)の優位性は、多くの場で明らかにされつつあり、徐々に企業システムでの導入実績も増加している。特に商用DBはコストが高いことがあり、OSSのDBであるMySQLやPostgreSQLは、導入を検討するユーザーが年々増加しつつある。しかし「商用DBからオープンソースDBへの移行は、高度の専門知識と経験とが必要であり、多くの企業にとって困難な作業」(NRI)となっていたのも事実。
そこで、NRIでは「信頼性を考慮したオープンソースDBサーバーの構築に加え、移行ツールである『MySQL Maigration Toolkit』やOracle互換のDBであ『PosgreSQL Plus Advanced Server』などを利用してアプリケーションやデータの移行を支援するサービス」を開始したもの。
100年に一度の不況に遭遇した各企業は、今後一層のコスト削減を求められることになるが、この際OSSは大きな切り札として、あらゆるケースに利用されることが多くなってくることは確実だ。ただ、これまでは各企業ともDBについては、Oracleをはじめとして既存の商用DBを導入済みなのが現状だ。これをユーザー独自でオープンソースDBに移行するには技術的な困難さが付きまとう。今回のNRIの提供するサービスはこのような潜在需要に裏打ちされているだけに、根強い支持を集めそうだ。
ただ、オラクルのサン買収という晴天の霹靂によって、これまでサンのオープンソースDBのMySQLが、今後はオラクルへと移管される。この変化が今後どのようなことを引き起こすのかの予測は現段階では難しい。OracleからMySQLへ移行することを、果たしてオラクルとしてはただ黙って見逃すのであろうか。まだまだ、紆余曲折が待ち構えていると見たほうがよさそうだ。(ESN)