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◇企業システム◇マイクロソフトがDBソフトの新バージョン「SQL Server 2008」を出荷

2008-08-07 14:15:00 | DB

 【DB/BI】マイクロソフトは、DBソフト「Microsoft SQL Server 2008日本語版」のボリュームライセンス出荷を8月1日から開始したのに続き、パッケージ製品出荷を9月19日から開始する。現在149社のパートナー企業から195のアプリケーション/ソリューションが対応され、「同2005」出荷時と比較して約50%の増加。今回、パートナー各社に対してSQL Server技術者育成施策のため、CSK Win テクノロジの熊澤幸生執行役員CTOを招聘した。また、トステム(東京都江東区)がSQL Server 2008を早期採用し、既に本稼働していることを明らかにした。 (08年8月1日発表)

 【コメント】データベース(DB)ソフトは、従来から企業システムにとって重要なソフトであるが、最近ビジネスインテリジェンス(BI)が経営戦略上重要視されるに従い、その基礎となるDBソフトは企業システム全体ににより大きな影響を及ぼしつつある。DBソフトはオラクルが一歩抜きん出た存在ではあるが、IBM、マイクロソフトさらに日本の大手IT企業も自社製品を揃え、オラクルに対抗している。このDBソフト市場に、最近ではオープンソースソフト(OSS)のMySQL(サン・マイクロシステムズ)やPostgreSQLなども参入し徐々に市場を拡大してきており、老舗が安閑としていられる市場ではなくなりつつある。

 DBソフト市場での新しい動きは、高速のメモリー型DBソフトが本格普及を見せ始めていることだ。メモリー型DBソフトの老舗「高速屋」の「高速機関5」は、従来型RDBソフトに比べ、およそ100倍の検索・集計性能、10倍のローディング性能、10分の1のDBサイズを誇っている。また、日立システムアンドサービスは、ベンチマーク「TPC-H」で世界最速を記録した独EXASOL社製インメモリー型のDBソフト「EXASolution」の日本語版の出荷を9月1日から開始する。EXASolutionは複数のIAサーバーでクラスターを構成し、パフォーマンスを高めることができるが、特に、複数のサーバーのメモリー空間をあたかも一つのメモリー空間のように扱えるメモリー・グリッドが高速の理由という。

 このように多様化するDBソフト市場において、マイクロソフトの「SQL Server」が今後企業ユーザーからどう評価されるかは「同2008」の持つ機能そのものにあろう。(ESN)