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◇企業システム◇CTCが仮想化システムのホスティングサービス開始

2008-03-29 14:34:02 | アウトソーシング
 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、仮想化されたシステム基盤をデータセンター内から提供する新ホスティングサービス「IT統合基盤サービス」を開始する。同サービスはサーバー、ストレージ、ネットワーク機器をCTCが保有し、仮想化技術を用いて複数の顧客に対し共有型リソース・モデルでシステムを提供する“仮想化シェアード・ホスティングサービス”となっている。ユーザーはITリソースの使用料ごとに月額利用料金を支払い、サービスの提供を受ける。(08/03/13発表)

 【コメント】今や仮想化はITにおいて時代の寵児といった趣があるテクノロジーとなっている。この原因は各ユーザーがメインフレームを追放して、オープン系のサーバーを大量導入したことに始まる。当時はメインフレイムは“悪”、オープン系サーバーは“善”といった風潮があり、各ユーザーとも競ってサーバーを各部署に導入した。この結果何が起こったかというと、システム運用管理面で大きな問題を抱え、さらに1台のサーバーは安くても、多数となるとコスト的にも負担が大きくなってきた。

 そこに仮想化という救いの神が登場したわけで、各ユーザーは飛びついた。仮想化することによって大量のサーバーのシステム運用管理が楽になり、しかも段階的にシステム増設が可能でコスト削減につながる。しかし、この仮想化というソフトのノウハウを持っているユーザーは少なく、セミナーで仮想化の能書きを聞かされても、自社で開発までは技術者の確保なのでなかなか踏み切れないのが現状だ。

 今回、CTCが発表した「IT統合基盤サービス」そんなユーザーをターゲットにしたようだ。CTCがこれまで培ってきた仮想化技術にアウトソーシング技術を加味させ、“必要に応じて”“より速く”“より柔軟に”システム提供が可能というのが売りのようだ。ITが難しいのは一時のブームに乗ってシステムを切り替えると必ず揺り戻しが来ることで、ユーザーは当惑してしまう。その典型なのが集中処理と分散処理の揺り戻し現象だ。これからは分散処理から集中処理への揺り戻しが起きる可能性が強い。これまでIBMはメインサーバーという言葉に切り替えていたが、最近発表した機種はメインフレームという昔の言葉を使っている。メインフレーム復活もありえない話ではない。(ESN)