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◇企業システム◇NECと日本オラクルがBI事業で協業を発表

2009-11-18 09:49:46 | BI

 【BI】NECと日本オラクルはこのたび、ビジネスインテリジェンス(BI)/データウェアハウス(DWH)領域での協業強化として、中小規模システム向けに新たなデータウェアハウス・ソリューションを拡充し、共同で拡販を開始した。このたびのソリューションは、日本オラクルが推進しているOracle Database on Windowsキャンペーンの一環として、大幅な性能向上と省電力性を実現する最新のNEC製サーバ「Express5800シリーズ」およびストレージ「iStorage Dシリーズ」とMicrosoft Windows Server環境にてDWHで多数の実績を持つ「Oracle Database 11g」を組み合わせ、中小規模システム向けに提供するもの。両社で共同検証済みの最適構成で提供することで、ユーザーは、従来と比べ短期間でBI/DWHシステムを構築することが可能になる。さらに、オラクルの定義するI/Oテストや障害テストをNECのハードウェア上で実行することにより、データサイズに応じた性能と高い可用性、拡張性を実現することができる。(09年11月6日:NEC/日本オラクル発表)

 【コメント】現在、企業ユーザーの関心が高いテーマは何かというと、クラウド、仮想化、ワークフロー、文書管理、BI、バックアップ、シンクライアント、グループウエアなどが挙げられる。これらのテーマのうち、クラウドはどちらかというと、「まだ、本格的には考えていないが、とりあえず情報収集をしておこう」といったケースが多いようである。ところが、ワークフローやバックアップそしてBIなどは、即実践的テーマとして考えている企業ユーザーが圧倒的だ。中でもBIに対する関心は、最近相当強まってきているようだ。

 これは、システム構築してきた実績を基に、今度はデータをどう活用すべきかという課題に各ユーザーが直面していることをうかがわせる。この背景にあるのは、世界同時不況に直面し、何とか切り抜けてきた企業が、今後も二番底といわれる不況に再び襲われるかもしれない、といった不安感があろう。何とか今あるデータを基に、最大の成果を出せる方策を探り出そうとする動きが、BIへ関心の高さに繋がっている。

 NECと日本オラクルは、09年4月にBIに関する協業を発表した。これは、NECから新たに「BI有効活用支援サービス」を提供するというもので、NECの情報管理ソフトウェアInfoFrameのひとつである「Oracle Business Intelligence(Oracle BI)」の効果的な導入と活用を図るため、日本オラクルの"BIエクスプレスサービス"をもとに、NECの「ハードウェア(HW)サイジングサービス(仕様決定支援)」「SIサービス」を加えたもの。「BI有効活用支援サービス」は、BI分野に関する両社のノウハウを組み合わせ、コンサルティング業務から、システム構築まで支援するサービスとして、ユーザーにに最適なシステムを提供。また、BIで活用するデータのもととなるDWH向けに、検証済みのハードウェア・ソフトウェアを組み合わせて提供する「Oracle Optimized Warehouse Initiative(オラクル・オプティマイズド・ウェアハウス・イニシアチブ=OWI)」に、新たにNECは参画。

 また、09年7月にNECは、企業が保有する大量の業務データを分析し、業務プロセスの改善を支援する情報活用領域の事業強化を発表している。具体的には、(1)迅速かつ継続的な業務プロセス改善を実現する情報活用ソリューション「Decision Navigator (デシジョン ナビゲーター)」の発売と、(2)同ソリューションを実現する情報管理ソフトウェア「InfoFrame(インフォフレーム)」のラインアップ拡充の発表を行い、提供を開始した。.情報活用ソリューション「Decision Navigator」は、戦略の共有を通じて組織全体のパフォーマンスを向上するPM(Performance Management)ソリューションと、蓄積されたデータを加工・分析して、企業の意思決定に活用するBI(Business Intelligence)ソリューションを融合し、迅速かつ継続的な業務プロセス改善を実現するソリューションを「Decision Navigator」として体系化したもの。Decision Navigator/PMと同/BIを連携し効果的に組み合わせることで、業務の継続的改善をもたらすPDCAサイクルの構築を可能とする。

 そして今回、両社はBIについての協業を再び発表したもの。今回の発表の中で、NECは、「Express5800シリーズ」、「iStorage Dシリーズ」環境上で実施したBIのサイジング検証の結果を元に、BIサーバのハードウェアサイジングを行う「BIサイジングサービス」を新たに提供することも明らかにしている。約30名の専門組織を新た
に設け、WindowsプラットフォームにおけるBI/DWHトータルサービスの強化を図ることにしている。さらに今後、NECは、同サービスを情報活用ソリューション「DecisionNavigator(ディシジョンナビゲータ)」のメニューとして提供する予定となっている。(ESN)