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小説「2023年日本転移」27話

2020年12月30日 | 小説

             27話 第二次高高度偵察作戦

2024年7月20日、基地から出撃拠点に進出した偵察飛行隊は同時刻に離陸した。
6月に組織創設された戦略偵察航空団は従来と異なる柔軟な構成を可能とする
為、パイロット階級を工夫した。

専門機種を運用、作戦する航空集団を飛行隊、飛行群、飛行団としパイロット
と指揮官は少尉、中尉、大尉、少佐である。
多機種で運用、作戦する航空集団を航空隊、航空群、航空団とし指揮官は
少佐、中佐、大佐、少将である。
機数が激減してる現状で作戦ごとに最適の編成を柔軟に構成する階級構成であり
飛行隊少尉、中尉・・・航空隊少佐、中佐・・・という様に意味づけた。
戦略偵察航空団、総司令官は村上少将。

人事総局からパイロット12名航空機関士12名が志願し任務に参加、全員67以上。
軍の偵察員は広報の生存者から志願した24歳24名。
偵察機の試験飛行は成功したが評価は不明。10機で偵察するが2機は予備。
7月15日、通信支援機乗員含む作戦要員が集合し顔合わせという宴会。
16日9:00。全員が作戦説明室で第二次世界大戦以降初めてであろう水杯・・・
母機を操縦する木村大尉は想う、長年の同輩だった吉村中尉最後の笑顔
「帰ったら山の向こうで、一緒に異世界チートだぞ!」皆で笑いあった。
戦死を知った日、深夜に息を殺して泣いた・・・
(偵察での戦死がこんなに近いとは・・・誰も予想しなかった・・・
日本は戦争より大きな危険に囲まれているのかも知れない、覚悟しよう。
これが水杯の意味なのだな・・・)
木村大尉が呼びかけた
「生きよう!生きてもう一度会おう!」
「おう、また会おう!」「そうだ!生きて帰るぞ!」
全員で万歳三唱し出撃拠点に飛び立った。

偵察作戦は成功した。
その陰で東方任務の偵察第一飛行隊は偵察成功するも海面に激突し全員戦死。
カメラは回収されたが遺体は海深くに沈んだ・・・

偵察成功により作戦は持続され広大な領域の全体図が大よそ判明。
船舶から運用する電磁防護無人機により内海沿岸の詳細判明が進められた。
有人電磁防護偵察機が開発され山脈の外海沿岸と近海域の詳細が判明。
これらが判明したのは2025年10月であり偵察の努力と戦死は続いた。

7月25日、第二人事総局では鈴木局長が偵察祝賀会に出席。
「偵察成功を喜び、死者を忘れず!」
端的な言葉に参加者は涙し笑顔で乾かした・・・

 

 

 

 

 

 


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