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Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

34.チチェスター大聖堂。

2018-01-10 | イギリス/England:2017
15時にパブを出て。ここからやっと本格的なチチェスター観光とはね。



チチェスターの目玉である大聖堂。どーん。







中心部にあり立地がいいせいか、敷地自体はあまり広くはなく威圧感までは出ない。
大聖堂というカテゴリーにしては小さい方なのかな?長径124メートル。
ロンドンのセントポール大聖堂157メートル。カンタベリー大聖堂160メートル。
なるほど。







突然カモメ。チチェスターは比較的海に近い町。





チチェスター大聖堂はけっこう見どころがありました。














第3代アランデル伯爵の墓。

















これはシャガールのデザインによるステンドグラスらしい。
なんでシャガールがこんなところの仕事をしているのかというのは謎。






もっと謎なのはこの……この壁はなんていうのかね?至聖所とのパーテーションではあるのだが。
このファンキーさは一体どうしたことだろう。
でもあまり周りから浮いてなかった。どクラシックの大聖堂で違和感のないファンキーさ。






今から考えるとここは中央の塔だっけか?西の塔だっけか?
鐘楼は外部に独立してあったしなあ……
まあいずれにせよ天井の四角の放射状のデザインはちょっと珍しい気がする。
四角い塔でも最上部はドーム型に作ってあることが多いから。









ザ・ゴシック。イギリスっぽい。


回廊が巡っていたり、中庭があったり、ああ、大聖堂だなあという感じ。
ヨーロッパを感じるところは、やっぱりこの辺り。



ここにはホルストの墓もあったそうなのだが、一応気をつけて探してみても気づかなかった。
わざわざ訊くほどホルストに思入れがあるわけでもない。

45分ほどいて満足。一般的に建物の立派さと内部の見ごたえはそれほど一致するものではない。
チチェスター大聖堂は内部の見ごたえがあった方。やはりここがあるからこそのチチェスターだろう。今も昔も。







33.GYOZA。

2018-01-07 | イギリス/England:2017
チチェスター行きの電車を待っている時に。
急に、ああ、ロンドンに行きたい!と思った。その思いがだいぶ強くて動揺した。
この線路を、わたしは西へ行くけれど、東へ向かえばロンドンに着く。
別に予定に縛られる必要はないんじゃない?こういう時に心のままに変えられることこそ
一人旅の醍醐味なんじゃない?ロンドンだって10年ぶりだよ。今回行かなければしばらく行けないんだよ?
今日はアランデル観光して、明日ロンドンにだって行けるじゃないか。

……という葛藤を感じつつも、結局行きませんでした。
Pの家からなら電車で15分か20分くらいなのに、チチェスターからは1時間半から2時間かかる。
わざわざここまで来てロンドンに戻るというのもバカみたいだと思ったし。
時間もお金も勿体ない。

と、無理やり心を押さえつけたんだが。
結果としてチチェスターに行った後はロンドンへの衝動はきれいに消えたんだから不思議。
思ったんだけどね、もしかして街に飢えてただけなんじゃないかと。
Pの家は普通の住宅地だし、アルフリストンはイギリスの鄙びた小さな村。
ここんとこしばらく(と言っても4日くらい?)繁華街的なところを歩いてない。

自分がそういうものを志向するタイプだと思ってなかっただけに意外だった。
しかしチチェスターに来て、範囲は狭いけれども繁華街を歩いたら気が済んだ。
なんだったんだろうな、あれは。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



チチェスター。町というよりは市だと思ったが、市自体の人口は2万ちょっと、周辺圏としても10万くらいらしい。
多分比較の問題だな。ロンドン辺りから来たらすごくちっちゃい町に感じるだろうし。
何しろわたしは今回、アルフリストンから来たからだいぶ都会に感じた。

出発前にチチェスターの観光を調べようと思って検索すると、観光情報はあまり出ず、出てくるのは語学留学の類ばかり。
ということは物価も安めで治安もいい、こじんまりとした学校都市なんだろうと想像する。



駅からやっぱり中心部は少し離れていて、でもたしか歩いて10分くらい。
昔ながらの中心部には、チチェスタークロスがある。







アルフリストンの村にもバス停のところに円柱があったが、これも同類。
マーケットが開かれるところには円柱とか装飾的なモニュメントとか目印があったことが多い。
クロスは四辻の意味でしょうね。このモニュメントは相当立派な部類。
ということは過去この場所は相当に繁栄したということ。
元々はローマ軍団の駐留所だったらしい。歴史ある町。

















マークス&スペンサーがあったので入ってみた。
ここは若干お高めの総合スーパー。ここがあるとお土産に便利なのよ~。
3店舗にわかれていて、ここは食品、ここは女性物、ここは男性物となっているらしい。
おお。ここは後で来よう。良かった。目星がついた。



繁華街は500メートルかそこら。
その外れの方、博物館の中にツーリストインフォメーションがあったので地図をもらう。
ついでに「どこか入りやすいパブない?」と訊いてみる。もう14時。お腹が空いている。








教えてもらった片方がDOLPHIN&ANCHOR。
中が全然見えないし、むしろ佇まいとしては閉鎖的で、入りやすい気は全然しないわけだが……
でも若いミセスという雰囲気の人が入っていったことに勇気を得て入ってみる。

そしたら中は想像よりもはるかに広くて、カウンター(の周りだけ)は明るい。






メニューを見ると、……は?GYOZA?……って餃子?









説明ではどうも餃子のようですね。こんな日本から遠いところでGYOZAに巡り会おうとは……
これはこの目で確認せずばなるまい。というわけでGYOZAとジンジャーエールを頼む。
どのくらいの量が来るのかわからなかったから、とりあえずこれだけ。







届いた物を見ると、うむ、たしかに餃子だ。揚げ餃子。
ソースはテリヤキソースのような甘い醤油系。揚げ餃子にはよく合った。美味しかった。
思ったより量がなかったので、オナカが空いたお昼としては物足りなかったが、どうせ4時間後には夜ご飯だ。

ここで餃子を食べつつ、お土産の検討をしていたので時間がかかった。
そろそろ帰国の日も近いので、手持ちのポンドもある程度コントロールしなければならない。
そうすると、これはどのくらいをカードで買って、どのくらいの現金を減らすのかなど。
この辺けっこう面倒です。


15:00。パブ出。ここから本格的なチチェスター観光。



あ!このパブで、すごく驚いたことが!

言葉が全く聞き取れない!今までPやその家族とはほぼ問題なくコミュニケーションが取れており、
お店の人の言葉が聞き取れないということはなかったのだが、このパブの人の言葉は全然わからない。
突然違う国に来たのかとぎょっとした。

ホテルに帰った後調べてみたのだが、やはり当然のことながらイギリスにも多々方言があり、
どうもPの家辺りとこの辺は違う言語圏である様子。
1時間2時間来ただけで……と思ったが、電車で2時間の距離なら、日本国内を考えてもそれは
相当に言葉は違ってくるのであった。







32.アールァンドゥ。

2018-01-04 | イギリス/England:2017
本日アルフリストン出発。

アルフリストンから鉄道駅のあるシ―フォードへ行かなければならないんだけど、
バスが日に4、5本しかなく、8:30のを逃すと次はお昼近くまでない。
……そして、朝食は8時からしか始まらない。

7:40くらいにフロントへ行ってチェックアウトし、朝食場所が開くのを待ち構える。
入ってすぐにホットミールを注文。昨日はスクランブルエッグを頼んで少し時間がかかった気がしたので、
今日は目玉焼きとベーコンで量も控えめに。「急いでくれる?」と頼む。
すぐ出て来て、食べ終わってまだ時間が大丈夫だったので、果物とバニラヨーグルトも食べた。
せっかく美味しい朝食なんだから、ゆったり食べたかったけど。

8:15ホテル出。ホテルからバス停は3分。
ホテルのパブ部分の出入口だったら徒歩1分なんだが、ホテル自体の玄関はぐるっと回った裏側で少し遠い。
でもバスの時間には余裕で間に合う。






小さな町にはよくありがちな、中心部?市場?を表すランドマーク。

そして間もなくバスが来る。
ああ、楽しかったアルフリストンともお別れです。







バスの窓から。



2日前にシ―フォードを通った時、PとJが「あのバス停で降りてあの駅に行くのよ」と教えてくれたけど、
運転手さんは「駅に行くの?」と訊いて、駅の最寄で降ろしてくれたのでした。
それでも8:55の電車に乗るには10分くらいしか余裕がなかったわけで。アリガタイ。

アランデルへのチケットは10.5ポンド。(≒1470円)

途中、ブライトンで乗り換え。ブライトンは20年前来たことがある。今回は駅のみ。
乗り換えは4分の接続しかなかったけど、事前にJに「到着が8番線でと出発が1番線」と教えてもらっていたので、
慌てず騒がず、大丈夫。

アランデル手前の、フォードでもう一度乗り換え。




おお、アランデルが見えて来た。







中央に見えるのはアランデル大聖堂だろう。わくわくする。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



アランデルのホテルは、選ぶ時にけっこう迷ったけれども町中に取らずに駅のそばを選んだ。
日本と違って、外国の町は鉄道駅が町外れにあるパターンが多い。
町が出来あがってから鉄道という文明の利器が発明されたわけやね。

日本の場合は、鉄道駅を置いた場所がたとえその時点では中心部から外れていても、
その後すぐ中心部が鉄道駅の周りに新たに形成されるというのがパターンだと思う。
それは日本建築物の寿命が材料その他の関係でスパンが短いことにもよると思うが、
教会という存在が大きいんじゃないかな。

教会自体そもそも永続性を求める建物だから、たいてい石造りだし、
場合によっては何十年何百年とかけて作っていく、地域住民の心のよりどころ。
「便利だから駅のそばへ住もう」という価値観はあまりないのではないか。



などということは置いといて、今回の宿です。







ここも1泊1万円くらいする、わたしにしてはお高めの宿なんだけど……
B&Bとしては普通だが、この値段だとちょっとコスパが。5000円くらいにしておいて欲しい雰囲気。







部屋は狭くはないのだが、タンスが2つあるのにテーブルがないのが使い勝手悪し。タンスよりもテーブル。
壁紙もだいぶ古かったのでそろそろ張り替えた方が宜しかろう。


ただし、駅へは徒歩3分。
ホテルで少し休んだ後は、電車に乗って近くのチチェスターに向かいます。



ちなみに「ARUNDEL」という地名は日本人にはどうしても「アランデル」(アルンデル)としか読めないが、
発音をカタカナで写すと「アールァンドゥ」になります。ムズカシイ。
Chichesterも「チーチェスター」で、最初のチーが一番アクセント強いの。
LONDONも、実は感じとしては「ランダン」なんだよなー。
まあ発音を考え過ぎると一言も喋れなくなるので、ほどほどに。


31.密輸業者。

2018-01-01 | イギリス/England:2017
新年あけましておめでとうございます。
9月に行った旅行の話を延々し続けたまま年が明ける。


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19:00にもう一度ホテルを出ます。夕食を食べに。
おねえさんお薦めのSmugglersへ。

後で考えると、BadgersもSmugglersも本屋さんのすぐ近くで、
何のことはない、ご近所さんを推薦しただけではないのか?とちょっと思ったワタシ。
もっとも、どこを推薦しようが直線距離200メートル以内なので、みんなご近所さんなのだが。
Wingrove Houseだけは500メートルくらいあるかな。

smuggler'sは正しくは「Ye Olde Smuggler's Inne」という名前で、違和感のある単語だと思うだろうが、これは古英語。
多分現代語では「The Old Smuggler's Inn」だと思います。


この村にパブは3軒あり、The Star Inn、The George Inn、Smuggler's。
店の外に貼りだしてあるメニュー(たしか貼らないといけないという決まりがあったような……)を見ると、
この中で一番値段が安めなのがSmuggler's。

でもちょっとコワイの。どうしてかっていうと、Smugglerって……密輸業者って意味なんだもん!
パブの中でひげもじゃの男たちが大勢固まってひそひそと密談してたらどうしよう!












まあそんなわけはないのであった。

しかし雰囲気はたしかにOLDでちょっとアヤシゲかな?パブってたいてい暗めだしね。
本を読むのにはちとツライ暗さ。
でも子供を連れた家族もいた。

わたしはここでステーキ&エールパイなるものを食べました。







ビーフシチューのパイ皮乗せ、というべきもの。と、山盛りポテト。
例によってけっこうな量がある。

で、こっちの皿は別な人が注文したものだと思ったら……








これがわたしの付け合わせだそうです。

びっくりして「多すぎる!」と思わず言ったら、「ごめんなさい」とパブのおねえさんに謝られた。

……いやまあ、これ全部は食べられませんよ。
付け合わせはニンジンとインゲンとナスのトマト煮込みみたいなやつ。
ニンジンとインゲンを1個ずつ、ナスをいくつか、本体のビーフシチューを8割、ポテトを半分くらいで満腹。
これにジンジャーエールをつけて15ポンド。(≒2100円)観光地価格。
もう少し量が少なくて値段が安い方がなんぼかありがたいんだけどね(^_^;)。

味は美味しいというほどのことはなく……普通。
でもパブの店員さんはみんな感じ良かった。密輸業者じゃなかった。




30.最後にひと歩き。

2017-12-29 | イギリス/England:2017
本屋さんでおねえさんに「この辺で昼ごはんを食べたいんだけどどこがおすすめ?」と訊いてみた。
すぐそこのBadgersがいいわよ、と教えてもらった。
ディナーはWingrove House、パブディナーならSmugglersだそうだ。


じゃあ、Badgersへ。











この時点で14:30過ぎ、もうお昼という時間ではない。
お腹も空いてなかったこととて、またスコーン。夜にがっつり食べようと思った。
甘いものも食べたかったんだけど、しょっぱい味のスコーンが珍しいので「チーズ&ペカンスコーン」を。

見た目は普通のスコーンと変わらないが、食べるとチーズの濃厚な香りがして美味しかった。
これと紅茶で6ポンド(≒840円)。


戦利品を並べてみました。







右が買った本、左はお土産に買った多面体についてのきれいな本、
教会の絵葉書、本屋さんのパンフレット。ほくほく。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



お茶も飲んでゆっくりしたし、これからまた少し歩こうと思う。



1キロちょっと離れた所にルリントン(←地名)の教会があるんだって。
往復3キロ弱ならちょっと歩きにちょうどいいかもね。
こっちは森っぽい道のようだし、さっきの川沿いの道とは雰囲気も違いそう。行ってみましょう。























ホビットがいる!ここにはきっとホビットがいるよ!









ルリントンの教会。ちっちゃい。
ほんとに小さい教会で、多分10人も入ればいっぱいなのではないだろうか。









帰り道にはまた雨に降られたので、例によって林の中で雨宿り。ブラックベリーを食す。
こんな、なんでもない風景がきっと記憶に残る。


そしてアルフリストンに帰って来たんだけど、3キロ弱のウォークはそれはそれで物足りない気がしたので、
今度は川沿いを上流にむかって1キロくらい歩いてみる。







犬の散歩をしていた人がいたな。
こんな風景が身近にある人生は幸せだ。



ここで合計4、5キロ歩いたことになるんだから、もう少し頑張ればロングマンまで行けたかなーと後で思ったが、
15:30スタートで往復8キロのロングマンへ挑戦してたらおそらくは夕暮れの林の中で
べそをかいていただろうし、さらに道に迷ったりなんかしたら真っ暗になって目も当てられない。
少しは大人にならなければ。

ロングマンは見られなかったけど、いい本屋さんにめぐりあって、おいしいスコーンを食べた。
優雅な午後の過ごし方。



16:30頃、ホテルへ帰る。







部屋に帰るとなぜか2個に増えてるビスケット。昨日は1個だったのに。
食いしん坊だってばれたかな。





29.MUCH ADO BOOKS。

2017-12-25 | イギリス/England:2017




通りすがりに見た、どこだかのお店のディスプレイ。ディスプレイってほど大きくはありませんが。
右側はエリザベス2世で、近衛兵もそうだが、頭がびょんびょん揺れるようになっている。
ちなみに中央の犬は、女王のペットとして有名なコーギー犬。何匹か買っているらしい。







アルフリストン中心部。あんまりそれっぽく見えないけど、写っている範囲の建物はだいたいお店。
しかしぱっと見は一般住宅にしか見えないなー。
床屋さん、CD屋さん、飲食店、お土産屋さんとか多分全部で十何軒あるだろうけど、
何しろ1軒1軒が小さくてね。ささやか。



その中にMUCH ADO BOOKS。







広場(←広場というほど広くない。狭場。)に面している(アルフリストンの店としては)一等地にある。
特に本屋を目指していたわけじゃないんだけど、柵の内側にある何だか妙なものが目に入る。







店名はいいとして、なんでここで巨大な定規?
近づいてよくみると……







ほほー。これ作家の身長比べだ。アガサ・クリスティとヴァージニア・ウルフが170センチか。
イメージよりも高いな。シェイクスピアが168センチくらい、コナン・ドイルが185くらいあったようだ。


お気に入りなのがこの部分。






ビルボ・バギンズ!90センチくらい。ってか、作家じゃありませんやん!
ビルボは「指輪物語」のキャラクター。ホビット族で、ほら「ロード・オブ・ザ・リング」に出てくるでしょ。
なんだか嬉しくなって店の中へ。こういうディスプレイを作る店なら面白そうじゃないですか。

内部は昔ながらの本屋さん。言うたら“ハリー・ポッターに出てきそうな”と言ってもいい。
あるいは“ネバーエンディング・ストーリーの本屋さんを彷彿とさせる”と言ってもいい。
まあそう読んだからといって、こんな僻地までわざわざ行って「ただの本屋さんじゃないの!」と
文句を言われても困るが、本を愛して本を商っているのがよくわかる本屋さん。

品揃えがね。いいの。
……いや、品揃えがいいかどうか言えるほど英語がわかるわけじゃないけどね。
でもなんか見たいような気になる並べ方だった。

レジにはおばあさん&おねえさん。「子供用の本はありますか?」と訊いてみる。
今から思えば、店舗の面積にしては子供用の本の量は少な目だったかな?
棚を眺めて「A Murder Most Unladylike Mystery」という本にピンと来て、1巻目がどれかを訊いて買ってきた。
多分小学校中学年から高学年で読むような本だと思う。ハリポタより少し簡単そう?
今後読みます。……しかしその前に読まなければならない大人の本が2冊あります(^_^;)。


ここの階段が素敵。







写真ではわかりにくいんだけど、蹴上面のデザインが本棚になっているの!
2階もお店。






2階はさらにディスプレイに凝っていて。
ここなんか、本屋というより書斎みたいじゃない?
クッションの人物はヴァージニア・ウルフ。いかにもな選択で笑ってしまう。

レジでお金を払う時、おねえさんが台帳に記載していた。このパソコン時代に台帳!
と思ったので写真を撮らせてもらった。「書くふりをする?」と訊いてくれたので書いてもらった。


MUCH ADOといえばシェイクスピアの「から騒ぎ」(=Much Ado About Nothing)。
(というか、わたしの英語力ではそれしか思いつかん)
ほんと、わくわくする本屋さんでした。お近くへご訪問の際はぜひお立ち寄り下さい。
Much Add About Bookshop.







28.クラージーハウス。

2017-12-22 | イギリス/England:2017
ところで、この教会よりも有名な建物がアルフリストンにはあります。
クレージーハウス。
これは何で有名なのかというと、

ナショナルトラストって知ってますか?

自然保護団体の1つ。イギリス発祥でかなり勢力を持った団体。印象に残るマーク
あちこちでグッズも販売しているので、イギリスにいると必ず目にする。
わたしのイメージだと、イギリスの歴史ある観光名所は大半がナショナルトラスト。シシングハーストもそう。
ナショナルトラストの会員になると入場料が安くなるようだ。


そしてクレージーハウスは、ナショナルトラストが一番初めに所有した、保護の対象となった建物の第一号なんだって。
今は巨大組織だし、城塞や宮殿も山ほど持っているので、始まりがこんなささやかな建物というのが違和感。
でも大きくなる前は小さかったわけで、小さな団体が買えたのはこのくらいなんだろうなあ。







全体像をちゃんと撮れる場所がなくてね。

clergyをどのように発音するか迷うところだが……
クレーギーハウスと最初は読んでいたんだけど、PやJの発音を聞くとクレージー?クラージー?
クレージーだと日本人としてはどうしてもCRAZYのイメージが湧いてしまって、
連日連夜、乱痴気騒ぎを繰り広げるライブハウスみたいなことになってしまう。
ここはクラージーハウスでいきましょう。


クラージーハウスとは、牧師館です。
さっきの教会所属の牧師さんとその家族が住んでいたところ。
教会が1360年に建造され、この建物は1600年頃建造なんだって。







わたしは年代暗記は苦手だが、1600年頃というのだけは、
エリザベス1世とシェイクスピアの時代ということで頭に入っている。


内観。












ちょっとボケてるが当時の食卓を再現したもの。豚の頭ですよ、豚の頭。これは作り物ですが。







これもボケてるが(暗かったのよ)この柱飾りがナショナルトラストのマークの基となのではないか、という話。













100年くらい前まで、ここを実際に別荘として使っていた人がいるそうで。
ロンドンの弁護士さんとか言ったかなー。
部屋にいたガイドのおばあさんが手回し式のレコードを鳴らしてみてくれた。
実際に音を聞くのは初めてかもしれない。









ここは庭も気持ち良かったです。直前にまた雨が降ったんだけど少し雨宿りをしているとすぐ晴れる。
わたしのイギリス経験上、一日中しとしとと降っているということはないんじゃないかなあ。



お土産屋さんで雨宿りをしたのもあり、ガイドのおばあさんとけっこう話したのもありで、
結局ここは1時間くらいいました。ちっちゃいとこなんだけどね。



じゃあ次は村のお店を冷やかしましょう。






27.アルフリストンの小さな教会。

2017-12-18 | イギリス/England:2017
ホテルへ帰ってゴロゴロする。やっぱり疲れた。
疲れが取れたら、ロングマンの方にも行ってみようかと思ったんだけど……
ゴロゴロしながら考えたのち、諦めました。やっぱり2時間歩いたあと8キロ歩く体力はない。
まあ人通りもなさそうだしね……
残念ではある。図柄的に、どっちかいうとロングマンの方を見たかったもの。

12:30過ぎにホテルの人がわたしの部屋の掃除に来た。「10分待って」と言って身支度し、外出。
大人しくアルフリストンの村の観光をしよう。お昼も食べたいしね。















小さな村の小さな教会。でもこの村の規模からすればけっこう立派かもしれないなあ。













あとで年表を見て知ったんだけど、この教会が建てられたのは1360年だってよ。
予想よりはるかに歴史がある建物だった。
日本でいえば足利義満が将軍になる8年前。日本史的には地味な時代ですね。


この教会の周りはきれいな芝生で気持ちがいい。







ちゃんと手入れしてるんだろうなあ。村の誇りだろう。


あ!そういえば、ここの教会の写真を撮っている時に散歩をしている犬に吠え付かれた。
けっこう激しく吠えているので飼い主さんが恐縮していた。
「すみません、普段こんなことないのに……」
そんなに怪しかったか、わたし!

まあ特に気にしてないですよ。犬だって通りすがりの怪しい人には吠える権利くらいある。





26.ブラックベリー。

2017-12-15 | イギリス/England:2017
さらに不安を募らせるのは……天気が悪いこと。今にも降りそうな空になって来た。
風は最初から強い。雨降りそう。降る。降って来た!

たしか荷物のなかには雨がっぱ(←楽天イーグルスのポンチョ)も持って行っていた筈なんだけど、
わたしはこの時、傘しか携帯してなかったんだよね。意味なし。
雨降って来たからとりあえず傘を広げてみる。
しかし風が強くて、飛ばされそうになりながら傘をさしているのは心細い。心情的にマイナスでしかない。
諦めて傘をしまい、ブラックベリーの茂みにしばし佇む。







風が強いので、雨は上から降ってくるというよりは横なぐり。あのであんまり濡れない。
しかしわたしはなんでこんな状況に陥ってるのであろうか。まあいつものことではあるが。しばし沈思黙考。

沈思黙考している間に雨は上がりました。イギリスの雨はわりと短時間に降って、15分くらいで上がる。
では再び歩き始めましょう。



この道はブラックベリーの茂みだらけ。






5メートルごとくらいに茂みがあり、ブラックベリー取り放題。食べながら歩く。甘くておいしい。




お。晴れてきましたね。














あひるもいる。

ちらほら人家も見えて来て、うん、ここなら倒れても誰かに気づいてもらえそう。







ようやく待望のフットパスの立て札が。大丈夫だ、村へ帰れる確信が持てた。









ああ、一時間ぶりに見た人の姿。









しかし実際のところ、人がいるのはずっと遠く(中央左寄りの小さな赤い点、見えますか。)、
近くにいるのは牛ばかり。















牛が、なんだ、こいつは。という目でこっちをじっと見るので、人間様は迂回して牛の群れを避ける。
仕方ない。なんといってもわたしは余所者ですから。









白鳥もいる。

そして、ああ!遠くにアルフリストンの教会の屋根が見えて来た!
























ふー、ようやっとアルフリストンの村へ帰着。文明世界に帰って来た。


9:45から歩き始めて、戻ってきて11:30。
6キロほどを2時間弱で。最初以外はアップダウンもない道だったが、まあこんなもんだろう。
雨宿りもしたしね。
やれやれ。ホテルで休むか。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



しかしイギリスの泥は日本よりも滑りやすいですよ。









土の粒が細かいせいだろう。
転びはしなかったけどつるつるで、小道の幅いっぱい水たまりになっているところなんかあったりして、
普通のスニーカーのわたしは「ここどうやって通ろうかなあ」と悩んだ場所が実は2ヶ所ほどあった。
文明人はたかが2、3メートルの水たまりに行動を阻害される。しみじみその脆弱性に思いを致す。

この辺のフットパスを歩こうと思う人は、ウェリントンブーツ(雨靴のこと。今回Jに教えてもらったんだけど、
レインブーツとは言わないんだって。)がオススメです。

ホテルに帰って、ジーパンの裾にけっこう泥がついていることに気づき、考えた末に裾だけ洗濯を。
靴もドロドロだが、これはウェットティッシュを多量に使って対応した。
想像よりもワイルドな道でした。







25.ホワイトホース。

2017-12-12 | イギリス/England:2017
ホテルからタクシーに乗って10分弱。
“駐車場”なるところに着く。まあ想像していたことながら、車は他に1台しか停まっていない。
暗い曇り空で、風も強い。
タクシー運転手のおにいちゃんは、「この道を入って行くんだと思うよ」と言って帰ってしまう。
いや、帰って当然なんですけどね。









うん、まあそうでしょうね、この道でしょうね。
しかしなんともまああてどない感じの……。コワイです。ここを入って行くともう引き返せない。そんな気がする。
だがわざわざここまで来て、なんとなく怖いから車道を引き返す、なんてことはしたくない。
これはファンタジー作品で、子供が異世界についつい足を踏み入れてしまうパターンだなあ。








でもわりとすぐに眺望が開ける。







そう、わたしはこの川に沿って左側へと遡って行きたい。そうすればアルフリストンに戻れる。






でも川へ降りるためにはこんな牧草地をつっきっていかなきゃならないんだよなあ……。
写真で見るとそうでもないけど、けっこうな高低差があり。
上から見えない段差があって川まで降りられなかったり、川沿いに道がなかったらどうしよう。
また登ってくる自信がないが……

ちなみに奥の方に見える白い部分は海。


でもまあ、しょうがないから降り始めましたよ。
「ここ通っていいのかなあ?」と不安に思いながら歩くのは、一歩ごとにサスペンスフルです。
“蔵王の水仙事件”を思い出した。(これについては覚えていれば後日書いておく。)
一度降り始めるともう引き返せない。(精神的には)追われるように川を目指す。


……実際歩いていたのは5分か10分という程度でしょうけどね。
川沿いに着いて、大丈夫、これは道らしい、というものを見つけて、どっと安堵がこみ上げる。







これは人間は乗り越えられるけれども、牛や羊は乗り越えられない境界。
ということはここは人間が通るところだ。







ようやく後ろを振り返る余裕も出る。
多分左側の丘の端っこが、あの眺望の開けたところだと思うから、あそこからまっすぐ降りて来たわけだ。
わりと高さがあるといえばある。


そしてお目当てのこれ。









この位置ではいまいちわかりにくかろうが、








白馬です。
「アンタのためにこっちは苦労してるねん!」と理不尽な憤りを抱えており、
その怨念がわたしにシャッターをガシャガシャ切らせる。白馬だけで20枚も撮ったのではないか。
まあそれだけ撮ればわざわざ来た元は取ったと……って、何の元やねん。


でも状況は予断を許さない。
だって見回す限り、人っ子一人、牛っこ一頭、いないんだもの!!
かろうじて、車が走る音はたまに聞こえるけど道路はだいぶ離れたところにあるらしく、車自体の姿は見えない。
たとえばわたしがここで心臓発作を起こしても、助けられる人は誰もいない。

とりあえず人間の世界に帰りつかなければ。
道があったとしてもそれがちゃんとアルフリストンまで続いているのかは、現時点ではわからない。
もし道が途切れたらと思うと恐ろしいですな。今までの旅の経験から、
まさに渡りたい時にそこに橋はないものだということはわかっている。
行ってみるしかない。