Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

20.さて、帰ります。

2013-11-10 | 徳島/Tokushima:2013
15:20の関空行きのバスで姫路を出発。
バスはがらがらで、2時間ちょっとのバスも全く苦にならず。アリガタイ。

……ちょっと余談だが、わたしはここ数年、人ごみがとても苦手になっていた。
元来周りに他人がいるのは苦痛なタイプではあったんだけど、パーソナルスペースがますます広くなった。
定食屋のカウンターもけっこうツライし、帰宅時間の混んだ地下鉄に乗るのを躊躇するようになったし、
イベント終了後の混んだ地下鉄はなおさらダメ。ホームに座って何本か電車をやり過ごす。
精神的にキてるのかなあ、ヤだなあ。と思っていたところ、先日友人Kに、
「それは更年期らしいよ」
と言われた。

あまりにも意外すぎて目からウロコ。

いや、更年期の自覚症状は処々に出ており、そういう意味では意外でもなんでもないが、
人ごみが苦手になるのも更年期なのか!?
……でも正直、更年期のせいと思えばむしろ気楽。更年期更年期♪ってなもんですよ。

飛行機12時間かけてヨーロッパに行くことは、もう出来ないのか……と悲観していたが、
時期的なものだったらまた行けるかもしれない。




※※※※※※※※※※※※




関西空港。






行きの時にも書いたけど、ピーチ航空はターミナル2からの発着で、シャトルバスに乗っていくような
遠いところで、食事処も数か所しかない。買い物や食事や時間つぶしはターミナル1でどうぞ。


そんなことを言いつつ、本人はターミナル2にあるプロントで夕食。
ターミナル1に17:35に着いて、飛行機が18:55発だと気分的に忙しい感じ。
ピーチ利用で空港でゆったり夕食を取りたいなら、2時間前が目安かな。
プロントあることはあるけど、狭いよ、すごく。混んだ時はどうしようもないと思うよ。





小海老のトマトソース。

実は今回の徳島旅行は、本人比で、地元グルメあさりに精を出した旅だった。
えー、すだち飲料、金長(お菓子)、かまど(お菓子)、鯛茶漬け、鯛めし、うどん、徳島ラーメン。
ってなとこですかね。ほかにもなんかあったかな。あ、そうか卵かけご飯のトッピングで姫路名物穴子。
それぞれ美味しかったんだけど、……なんだかえらく洋食系に飢えていた。久々のパスタが美味い。
プロントへの好感度がかなり上がった。







待合室はファンキーで、それはいいんだけど、無駄に空間を使って収容人数を下げてる感があった。
こんなオシャレ風にしなくても、効率的に椅子だけ並べてくれた方がありがたいよ。
なんだかえらく遠いところの椅子しか空いてなかったんだから。
まあ雰囲気はいいけどね。



それから、この待合室で大変気に入ったところ。







坪庭というか中庭というかが、東福寺の本堂北庭の本歌取りだった。





もうちょっと似せても良かったかも。



あとは普通に飛行機に乗って帰って来た。帰りも3列シートの真ん中だったからツラかった。
今度は少し金を足して窓側か通路側にしよう。




20:15、仙台空港着。

20:30、駐車場出。

21:10、自宅帰着。



まあ久々の移動する旅だったよ。一ヶ所定住型が基本だけれど、ほんとーに好きなのは、
次に行くところを前日に決めて移動していく旅かも。……そういう旅は1ヶ月くらいあれば
普通に出来るんだけど、それ以下だと効率が悪くてなかなかムズカシイ。
でも今回はまあまあそんな感じだったかな。




あー、たかが4泊?の旅行に記事を20、7月11日から今までかかった。
途中、大塚国際美術館の絵も並べたからそれでだいぶ増えたけど。
ちょっと書きすぎた。細にわたりすぎると最後まで書く根性が尽きてしまう。適度がいいね。




さて、そういうでやっと徳島旅行は終わりました。
……今月末には台湾に行ってきます。ついこないだ、最後のホテルを何とか取り、
いつにも増してぐだぐだな感じで行くような気になっているけど。
今回のスケジューリングで若干アヤシイところがあるのが心配。久々のアジア圏ですがねー。
まあでも、何とかなるでしょう。今まで何とかなってきたように。




19.三木美術館。

2013-11-04 | 徳島/Tokushima:2013
「たまごや」を出て13:40。そして関空行きのバスは15:20。
この1時間半をどう過ごそう。

駅から姫路城まで歩いて来る時に、小さな美術館らしきものを見つけていた。
企業付属の美術館。1階はブライダルサロンだし、……まあそんなに大したものはないだろうけど、
雨宿りと時間つぶしをかねてなら丁度いいかな。そもそも他に行くところ思いつかないし。


三木美術館というところでした。


いや実は、屋島寺宝物館に引き続き、全然期待してなかったのにここも良かったの!
3階、4階、5階が展示室で、わたし以外には全く客がいない。

3階は陶磁器等。これといって印象に残ったものはなかったが、なかなか趣味がいいと思った。
全然カワイゲがないラインナップということも多いでしょう、小さい美術館では。
板谷波山の何かがあった。そこまで力作ではなかった気はするけど。

わりとイイネ、なんて思いながら4階の絵画部門へ。
――ここでびっくりした。けっこういいじゃないですか!

牧進「嘉日双鱗図」
トップのムービーの何番目かに出てくる、黄色い睡蓮と鯉二匹の絵。
牧進はねえ、十数年前に仙台市博物館で川端康成展をやったことがあって、その中にあったの。
川端康成が、好きで集めていたそうな。その時の絵は「秋海棠」。わたしはそれがいたく気に入って。
でももう見ることはないだろうなと思っていたの。日本画には詳しくないけど、
そんなに聞く名前じゃないし。

――そしたら、再会しました、こんなところで。
いやー、牧進。なつかしいですねえ、ってなもんですよ。嬉しかった。
もっとも、この鯉は……前回の川端展でも思ったんだけど、この人の鯉は動かないっすねえ。
本人的には得意な画題だそうなんだけど、ぼてっとして動かない。
たしかに鯉って冬なんかぼてっとして動かないこともあるから、それはそれでいいのかもしれないが、
もう少し動くモノっぽく描いて欲しい気がする。

でも植物はいいですよ。この人。他に
「春」「秋」と2枚セットの、杜若と桔梗、女郎花を描いた作品もあり、これが良かった。
だいぶトーンは暗い……写真でいえば、露出を間違えたような暗さ。
狙ってやってるんだろうけれども。

そして東郷青児「花をつむ女たち」。
東郷青児は少女を一人だけ描いている分には単にファンタジーな画風の人という気がするが、
こういう風に群像になると、一人ひとりに微量に含まれる妖しさば増幅されて、
けっこう妖しい絵になりますねえ。本当はこういう絵の人だったか。これも大作。

那波多目功一「白耀」。
一瞬画家の名前をどこで切っていいかわからなくなるが、ナバタメ・コウイチ。ハクヨウ。
画題は大輪の白菊。細い花びらの。
それが月夜に浮かぶ花火のように銀色に広がって……まあこれも無彩色で寂しい絵ではありますが。
いい絵で好きだが、うちに飾るとすれば寂しすぎるな。



5階は茶室と、応接室を兼ねた貸し(?)会議室。
ここからの姫路城の風景は絶景……のはずなのだが、なんでこういう建物にしちゃったかね?





こう見えてれば何の問題もないのに、実際はこう。






あまりにも邪魔だと思いませんか、この縦枠!!
そこまで古いビルとも思えなかったし、この大きさのガラス面の強度確保がそこまで難しいとも
思えないのだが、なんでガラス板一枚にしなかったかね?せめて2枚とかさ。
そうすれば、まるで屏風絵のような、値千金の眺めになっただろうに。
もったいないなあ。ほんともったいない。建築家、出て来い。





18.姫路城は修理中 その2。

2013-10-17 | 徳島/Tokushima:2013







まあこういうアングルで見られる姫路城というのも滅多にないので良かった。
間にガラスとかあるし、写真で見るほど近くはないんだけどさ。
職人さんが何か作業をやっていてくれるともっと面白かっただろうけど。
修復についての説明も何やら色々書いてあったようだが、そういうのは全く見てない。







写り込みが激しいが、天守の高さからの眺望。















どれも今一つ極まらないけど、わりと写真を撮りたくなるところはあった。


千姫の化粧櫓というのがあってねー。
御輿入れの時10万石という化粧料を貰って、それで増築したそうだ。
10万石といえば、現在の価値に直すと4億円~10億円らしいので、まあ上手く使うとしたら
やはり建物ということになりますでしょうね。

あまり日本の城郭に興味がないので構造的によくわからないのだが、
化粧櫓から外に向かって百間廊下(西の丸長局)という長い長い廊下が続き……
ここには廊下に面して6畳くらいの小部屋がずーっと並んでおり、それが御殿女中の
居室だったそうなのだが、

なんでこんなに長く作ったんでしょうね?

一番考えやすいのは防御を考えての壁機能を重視した上で、日常でも役に立たないと
無用の長物(まさに文字通り)なので、寮としても使ってみました、ということなのだけれども、
動線を考えれば非合理的。
百間廊下の長さって、500メートルではきかないんじゃないですかね?
正直歩くのに飽きた。だって延々と廊下と小部屋が続くだけだし。
疲れてる人は入らない方がいいと思う。だって一度入口から入ったら最後、
終点まで出口ないですから。最後まで歩かないと外に出られない。

ここの端っこなんかに住んだ女中なんか大変だよ。本丸から忘れ物を取りに行くだけで、往復2キロ。
でもまあ同じ建物内と考えるから遠く感じるのか。
敷地内に建てられた別棟と考えれば1キロくらい離れるのは仕方ないか。



そして、姫路城を出て、その真ん前にあった卵かけご飯専門店「たまごや」にて昼食。







右上に追加注文した姫路名物の穴子350円、左上にやはり追加注文した味付けゆでたまご100円。
それを除く基本セットだけだと580円。
……わたしはたまごかけご飯好きだけれども、やはり580円という値段設定は微妙。
たまごとご飯はお代わり自由。……しかし卵かけご飯を2杯食べたいだろうか。
たまごも普通のたまごな感じ。店のメニューによると何やらアリガタイたまごのようなのだが。
味噌汁の味がだいぶ違う。カルチャーショックを覚えるくらいに。
昔はお国それぞれの味噌があって、個性豊かな味噌汁文化を育んでいたんだろうなあ。









17.姫路城は修理中 その1。

2013-10-11 | 徳島/Tokushima:2013
4:30に起きて、6:00まで雨の様子を見ながら葛藤してたが、
結局のところ早起きしての栗林公園の朝散歩は見送りました。
雨ではねえ。もう一回寝た。


8:40にホテルを出て、9:23高松駅発の電車に乗る。岡山で新幹線に乗り換え、
10:47に姫路に着きました。台風と並んで瀬戸大橋を越えるはめにはならなかった。
姫路では雨も降っていない。


新幹線のホームから姫路城が見える。









今回は修復中ですが。

……いや、事前に知ってはいましたよ。「百年名家」でも見たばっかりだし。
でもこういう写真を撮ると「晴れていて城が普通にあったら見事だろうなあ」と思うのは人情。

迷いようがないまっすぐな道を、お城へ向かって歩く。……その前に今日の関空行きのバスを
何とかしておかないと。
昨日散々迷ったんだけど、結局姫路から関空の長距離バスで移動することにしました。
JRの方が高いし、乗換が何回かある。
バスは乗ってしまえば、あとは空港まで連れて行ってくれるわけで、すごく楽だもの。
だが、当日バスの座席は空いてるのか?

長距離バス乗り場に行って予約をしたところ、バスはスカスカなようでした。
……バス会社には悪いが、長距離バスはこうでないと!
思い立った時にふと乗れて、ぎっしり感もない、そういうバスならわたしは乗りたい。
ぎっしり詰め込まれて4時間半とか、こないだの東京―仙台間はまさに地獄だった。



後顧の憂いなく、今度こそ城。





外側から見ると、意外に天守閣が小さく見えるなあ。まあそれだけ敷地が広いということなんだろうが。
修復中のカバーはむしろ大きさを増している筈なんだから、それよりも一回り以上小さい天守。
世界遺産姫路城の、ドーンとした写真しか見たことなかったから、小ささが意外。







まあこの辺まで入ってくるとそれっぽくなってくる。……カバーがかかってなければ。








大手門。ザ・大手門!という感じですね。








サギ。周りを歩いていた人が、
「あれ、サギちゃう?」
「おー、サギやなあ」
「まさに白鷺城やね」
「いや、あれアオサギや」

微妙に漫才テイストな会話をしていた。







なんだか妙にコワいライティングじゃないですか。



……さすが天下の名城と言えばいいのか、姫路城は曇天の修復中という悪条件にも関わらず、
わりとガシャガシャ撮ってきたんだよなー。
その1とその2に分けます。






16.雨の中の屋島。

2013-10-06 | 徳島/Tokushima:2013
こんぴらさんを後にして、高松に帰って来る。さてこの後どうしよう。
時間は14:30。ホテルにこのまま帰るには少し早すぎだし……。
しかし高松で屋内の観光地が見当たらない。

行くか。屋島へ。

屋島はそれほどメジャーな観光地ではないと思うが、若干思い入れがある。
平家物語としては那須野与一の名場面があるし、平泉好きとしては佐藤継信の終焉の地でもある。
屋島寺は四国巡礼のなかの一つだしね。今回四国に行くのに、八十八ヶ所のうち、
行けるとしたらここくらいだし。
しかし時間がぎりぎり。高松から屋島駅に着いて15:00。

屋島は山で、駅から山頂までのシャトルバスが出てるそうだ。
バスの時間を確かめたところ45分待ち。けっこう先だなー。
ガイドブックを見たところ、徒歩5分くらいのところにうどん屋さんがある。
まだうどんを食べてないし、ここで食べとこうか。







「わら家」なるうどん屋さん。







うどん。
……うどんは普段からほとんど食べないので、美味いのかどうなのかよくわからない……。

宮田珠己というエッセイストがいて、わたしは彼が好きなのだが、彼が香川のうどんを絶賛していた。
普通の人が絶賛しても、ふーん、という感じだけれども、彼は食に興味がないと断言する人で、
“食事なんて面倒なことをせず、錠剤か何かで生きていけるようにならないものだろうか”とか
書いているため、そんな人が絶賛するうどんって、とてもスバラシイ味がするものだろうと思っていた。
ハードル上げ過ぎですか。まあそうでしょうね。

というか、味がどうこういうよりも、出てくるのが遅くてイライラした。

シャトルバスまでの時間つぶしを兼ねて来ているので……うどん食べててバスに遅れたなんて言ったら
本末転倒の上に、すでに時間が遅くなっているので困る。
でもうどんって、ゆで上がるまで時間がかかる食べ物なんですねー。
わたしのうどん経験は、ほんのたまさかセルフのうどん屋さんに行く程度なので、
うどんといえば素早く出てくるものだと思い込んでいた。


うどん屋さんを出たところ、豪雨。
バス停でバスを待っててけっこう濡れた。傘も晴雨兼用のちっさい傘であんまり役に立たない。
ようやく来たバスに乗って屋島山上へ。降りた時の駐車場の景色がこれ。






周り見えませんがな。

まあ台風が台風が、と昨日からずっとニュースで言ってたもんね。今までもったのがむしろ幸運かも。
屋島寺に行ってもこの状態。








さすがにこの雨ではちとツライ……。どこか屋内に避難したいなーと思ったところ、
屋島寺には宝物館があった。ちょうどいいのでここに入ろう。雨が弱くなるまで雨宿り。

……と思ったらアナタ!この宝物館がすごく良かった!!

撮影禁止だったので、残念ながら写真はないんだけどさー。
いいブツが揃っていた。平安時代から鎌倉時代くらいの。薬師如来とか釈迦如来とか不動明王とか。
曼荼羅も鮮やかできれいだったなー。これはあまりにもきれいすぎて、いつの時代のものかわからない。
今出来のものにも見える。細かくて。
他にも古薩摩の焼き物とか備前とか、この辺のことは良く知らないけど、素人目にはとてもきれいに見えた。
それこそ屋島の戦いの遺物もあったけどそれはオマケっぽい。

小さな宝物館だったけど大変見ごたえがあった。思わぬ収穫でした。
雨が降ってなければここには入ってないから、雨のおかげの出会いと言えるかも。



宝物館を出た頃には雨も若干小ぶり。歩いてもツラくない程度になっていた。






屋島の西側から高松市方面。



帰りのシャトルバス、17:25が最終。(だったと思う、たしか)
来た時に乗って来た運転手さんと同じ人で、他に客もなく、世間話をした。

昔は修学旅行生がたくさん来て、ホテルも多かったが、今は民宿が2軒残っているだけとか。
テレビでも時々映るミステリーゾーンとして有名なところがあり、坂道を上っている感覚なのに、
実際は下り坂だとか。実際にニュートラルにしてやってみせてくれた。
屋島古戦場は、運転手さんの小さい頃は塩田で、今はだいぶ埋め立てられているそう。
屋島の対岸の向こうは庵治石という石の産地で、墓石などで有名なんだとか。
運転手さんは、栗林公園にはぜひ行った方がいいと言っていた。きれいだからって。


その後、夕飯に天むすを買ってホテルに帰りました。ここは名古屋か。
あと、地元の有名お菓子らしい「かまど」という「ひよこ」的な味のお菓子。これは夕飯として。


ホテルで翌日の行動予定を検討したんだけどさあ。
何しろ台風がどうなるかで、さっぱり読めない。運転手さんにも薦められたし、
栗林公園に行きたいところなんだけど、雨が強ければ日本庭園を見に行ってもなあ、という気もするし。
とりあえず四国から本州には早めに戻っておきたい。瀬戸大橋を台風と並んで越えるなんてのは
ぞっとしない。
どうしようかなあ。


15.こんぴら歌舞伎。

2013-10-01 | 徳島/Tokushima:2013
こんぴら歌舞伎というと、歌舞伎自体のことか。芝居小屋は金丸座というそうだ。











おお、笑也さん、なつかしいなあ。先代猿之助一座の花形女形。
きれいだったし、声が高くて女性っぽいんだよね。玉三郎はきれいだけど、声がいまいちで艶消し。







そうそう、この枡形席がいかにも江戸時代っぽくていい。
ガイドのおじさんがぼそぼそと案内してくれたんだけど、おじさんに断って、
この木組みの上を歩かせてもらった。……そしてバランスを保てずに畳席に落ちた(^_^;)。
今も売り子はこの木組みを通って売り買いするそうな。







天井の葡萄棚と各役者の家紋入り提灯。顔見世提灯というそうだ。
こんぴら歌舞伎は毎年春に1回行うらしいけど、その芝居に出演した役者の提灯を
その後1年飾るんだって。







舞台上より客席。右下の四角は小型のセリらしい。









奈落。人力による回り舞台。想像よりも殺伐とした雰囲気。
ここで早変わりをしたり、なんだりかんだり、芝居の本番では活気に溢れるのだろう。








額がかかっている席が貴賓席だそうだ。ちょっと幅が広いだけで、……他と変わらんね。
構造的には海外のオペラハウスと同じ作りなので、こっちと向こうで豪華さがこれほど違うのが
なんかすごいわ。それなりに上流階級向けのオペラと、庶民向けの歌舞伎という違いがこの差を生むのか。
……いや、日本では茶室なんかでもぎりぎりまで簡素を求めるお国柄だから、
あのロココのキラキラフワフワは、日本では生まれ得なかったものなんだろうな。





全景。いいですね。







今年の春の出勤板。
多分猿之助の顔見世興行だったんだろう。当代の猿之助。ちょっと前までの亀治郎。


歌舞伎もほんの少し凝ったことがあったなー。
歌舞伎座の、一幕席チケットはいい制度だと思う。ちょこっと歌舞伎。
全部見ようとすると時間も長いしね。
まああれは常設の強み。地方では望むべくもないからなー。







14.こんぴらさん。

2013-09-24 | 徳島/Tokushima:2013
この日は大雨洪水警報発令中。予定通りこんぴらさんに行くべきか、ホテルで様子を見るべきか。
でも雨はそんなに強くない。まあとりあえず行ってみる。


ことでん(琴平電鉄)にごとごと揺られて1時間。けっこう揺れる電車。






こんぴらさんは長い長い階段で有名ですが、わたしにそんな階段を上る根性があるわけがない。
自明。なので、琴平駅から「しあわせ号」というシャトルタクシーを呼んだ。
出来ればタクシーで頂上まで連れてって欲しいくらいなんだけど
交通機関は大門までしか使えず、その先は自力で歩くしかないのであった。

電話をしたら2分くらいで到着。スーパーマンか!と昭和なツッコミ。
車で大門まで、5分強くらいかな、後半は曲がりくねった細い道をよっこらせっと登って行くので、
全然スピードは出ない。距離的にはそんなにない。片道500円。

だが。あの大門の高さにはびっくりしたね!!

突然視界が開けて大門が見えたんだけど、衝撃的に大門の位置が高い。
けっこう離れている時点で見上げるような高さにあり、
車で登れるのか心配になるレベル。開いた口がふさがらない。写真を撮ってくればと惜しまれる。
良かった。タクシーにしてほんとに良かった。

運転手さんから聞いたところ、大門までの道も、幅があまりにも細すぎて、
基本的には車が通れない道だったのを、そのタクシー会社が角地などの要所を買い取って
建物を取り壊し、曲がれる道にしたのだとか。
なので、その道を通れる商業車は(というかタクシーは)その会社のもののみ。
住んでいる人の車の扱いがどうなっているかは聞き漏らしたけど。





いや、近くから撮ると普通の門ですけどね。

タクシー降り場はこの門のすぐ脇で、位置的にはすぐそばなんだけど、実は高低差が相当ある。
降りてから門までだって、まるで梯子のような傾斜(とはオオゲサか。まあ山寺並み)の階段を
登ってようやく到着ですから、先が思いやられますよ。





大門より下の風景。タクシーじゃなければ、この階段を上って来なければならなかったんだなあ……。




  




でも大門の後はわりとなだらかな階段になっていて、一安心。これなら行ける。
雨も小雨だし。
……しかし人がほとんどいない。天下のこんぴらさんでこれかいな。

大門のあたりで石段何段くらいなのかなー。御本宮が785段目らしいが……。
それでもわたしも500段くらいは上ったのかね?










御本宮。……の、あんまりいい写真がなかったので、その並びにある三穂津姫神社。



奥の宮まで行く根性は当然のことながらない。
帰りは資生堂パーラーの出店の「神椿」でプリンアラモード。








缶詰のフルーツがなんだか感動的に美味しかった。もちろんアイスやプリンは普通に美味しくて、
上質感も感じるけど。写真はだいぶボケたな。



そしてだんだん階段を下ってくる。こんぴらさんに行くと言ったら、KMYCに、
「下りがきついんですよ!」と警告されていたので、大変に気を付けて行った。
ゆっくりゆっくり。斜めに降りたり。膝を労わり。








しかしほんとーに人がいない。これだけ並んだお土産やさんの、どの店にも人が入っている気配なし。
大丈夫なのか、金比羅宮門前町!






13.大塚国際美術館 その6。

2013-09-19 | 徳島/Tokushima:2013
あとはマイナーどころで気に入ったもの。





ハラルド・ソールベリ「北の花咲く野原」

初耳の人。オスロ国立美術館にある作品で、北欧の物寂しさ。











リッカード・ベリ「北欧の夏の宵」

とても写実的な。絵というより、映画のワンシーンのようだ。
このシーンから始まる映画があっても全く不自然じゃない。
北欧じゃないけど、ジェーン・オースティンなんかのイギリス映画とかにありそうな雰囲気だ。









カルロス・シュヴァーベ「百合の聖母」

百合の聖母というより、主役は百合ですよね。百合フェチっぽい。
百合の構図にしても影への入れ方にも、物珍しさを感じる。どこの人なんだろう?
……スイスの人だそうだ。雰囲気に、イギリスのラファエル前派あたりとの繋がりを感じる。







アドルフ・メンツェル「アトリエの壁」

なんか異様な感じの絵。このライティングは一体何事だろう……。
わざわざこのライティングかね?
斜めでも相当ブキミだが、このアングルが正面からなら、それもそれで相当コワかったろうな。











イヴァン・アイヴァゾフスキー「第九の波濤」

画家は名前的にもロシアの人だろう、サンクトペテルブルグのロシア美術館にあるそうだし。
ロシア人の絵って初めてかもなあ。イコンとかは別として。あ、これ本物じゃなかったんだ……
波のあたりが、ラッセンの絵を思い出させる。
タイトル的には、大波への怖れを描いた絵だそうなんだけど、
「ああ、きれいな夕焼けと波やなあ」という方向にしかいかない。怖れるには美しすぎる。







ゲインズバラ「ポメラニアン犬の親子」

かわええ♪







ダヴィッド「ナポレオンの戴冠」

この美術館で最後に見ることになったのはこれ。
へとへとになっており、この絵の何を見たか、というと実は何も見てない。
まあデカすぎる絵は細部を見ようとも思えなくなるけどね。




メインロビーではないけど、ロビー。
多分この高さはシスティーナ礼拝堂がある故のものだと思う。3階分吹き抜けかな。



17:00、閉館時間に大塚国際美術館発。



鳴門駅からJRで移動。特急列車なのに2両編成とは驚いたし、乗継駅があまりにも
ちっちゃい駅で、こんな駅に特急が停まるのか!とびっくりした。


19:30頃高松着。
高松は予想以上に都会でした。わたしの印象では、四国の県庁所在地の大きさは、
みんなあまり変わらんのではないかというイメージだったのだが、けっこう違う。

駅に着いたら雨が激しかったので多分駅から1キロ弱のホテルにタクシーで行く。気の毒。
ホテルに20:00着。


12.大塚国際美術館 その5。

2013-09-14 | 徳島/Tokushima:2013
そしてまた美術館に戻って来たのでした。
気分転換もしたし、さあ、後半戦がんばって見るぞーっ!……と思ったところ、予想外の展開が。
もうすっかり足腰が疲れている。これからまた歩き続けるなんて出来ない。

さっきの大睡蓮のところまで戻ってカフェでお茶。
この船での体力消耗が相当大きかった。船は、座るつもりでいたんだよね。
なので、足休めにもなってちょうどいいかという目算もあったのだが……
実際は、船で座っていたら何も見えない。結果としてずっと立ちっぱなし。
揺れる船の上だから、足もふんばりっぱなし。
誤算。こうなるなら、船の後昼食でちょうど良かったんだが。



まあでも何とか第二部再開。














スクロヴェーニ礼拝堂。

ここは一度行ってみたいところだが……
ここの本物感も相当なものだったなあ。いや、行ったことないのに言うのはなんだけど、
ちゃんと礼拝堂っぽい雰囲気になっているもの。
ここで結婚式を行ったりするそうだ。まあ宗教的にはどうなの?という気もするが。














サン・ヴィターレ聖堂の「皇帝ユスティニアヌスと随臣たち」「皇妃テオドラと侍女たち」

いや、これもね……。
本物感がねー。これは2、3年前にわざわざ実際に見に行ったモザイクなんだよ。
現地だと、教会の高い部分にあって遠くからしか見られないが、ここでは至近距離で!正面から!!
……うへーっ、と嬉しいんだか困るんだかわからない呟きが漏れる。
またでこぼこのある陶板なので、すごく本当のモザイクっぽく見えるのよー。
困った困った。








ジョルジオーネ「嵐」

これは珍しく、違和感があるほど違う絵に感じた。
人物はこんな顔だったか?自信を持って言えるほどよく知った絵ではないけど、印象が相当違うなあ。








ラ・トゥール「マグダラのマリア」





ラ・トゥール「聖ヨセフ」



ろうそくの画家ですね。好きだ。
この人の、宗教画は深さを感じさせるのに、風俗画はすごくのっぺりとした印象。
カラフルではあるけれど。全然雰囲気が違う。とても同一人物が描いたとは思えない。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


レオナルド・ダ・ウィンチのコーナー。


「最後の晩餐」の修復前、修復後を実物大で並べて見られるのはここでだけ。世界唯一。









修復前。




修復後。



……この写真で見るとかなり違うが、しかし大塚国際美術館で見た時には意外に違いが感じられなかった。
これとかは、あんまり現地で見たい!とは思わない絵なんだよね。
わたしはダ・ヴィンチは、技術者・科学者としては大変興味深い存在だと思うけど、
彼の絵は特に好きではない。「モナリザ」もあんまり興味ない。
わたしはカワイさが若干ある絵が好きなのだが、ダ・ヴィンチの絵にはカワイゲがないからなあ。











「岩窟の聖母」2枚。これを並べて見られる機会もそうないだろう。

上はロンドンのナショナルギャラリーにある方で、下はルーブルにある方。
一応どっちも真筆とされているらしい。
しかしいかにも意味ありげで、こういうの見てると「ダ・ヴィンチ・コード」とか
書きたくなってくる気持ちはわかる。まああれは「最後の晩餐」を使ってたけど。
指をさす天使なんか、ほんとに暗号のようじゃないですか。








スイーツ2つがセットになっていることに惹かれて、またカフェへ。
足腰がイタイ状態なので、まあカフェで過ごす時間が多くなるのはしょうがないけど、
観潮船で予想以上に足力を使ったのがだいぶ効いている……。失敗したなあ。



画像サイズも失敗した……。

11.渦潮観潮。

2013-09-07 | 徳島/Tokushima:2013
さて。

美術館に1日いる予定というのは実は不正確で、途中で一度美術館から出て、
渦潮観潮船に乗ろうと思っていたのでした。ずっと美術館にいても飽きるかなと。
14時の出発の船を予定していたが、これから台風が来るっていうし、
本降りになって船が欠航になったら残念。なので30分早めました。



美術館を出ると、大塚製薬の保養施設「潮騒荘」があります。







建物の写真を撮ろうと思って門から中に入ったところ、門番さんに「入らないでください」と言われた。
まあ私企業の敷地ですからね。
この右側にも数寄屋風の建物があるし、相当広いところでしたよ。儲かってんな、大塚製薬。
しかしこの本棟、それに門のデザインは一体誰の趣味なんだ……。


船の乗り場へは美術館を出て徒歩5分か10分くらい。
観潮船は2会社がそれぞれ運航しているそうだが、わたしはより小さい船であるらしい
うずしお汽船の方へ。小さい方が迫力があるってネット上の口コミで書いてあったから。






まあこんな天気の時に船に乗ろうという観光客はあまりいないわけで。
……というより、昨日徳島に着いてから、人がいっぱいいる場所というのがほとんどない。
大塚国際美術館も含めて閑散としている。まあ台風来てますからね。普通はわざわざ来ない。










だが、渦を巻いてるかというとそれほどは巻いてないのであった。






渦、……かもしれない。小渦。

渦ってほどの渦には遭遇しなかったけど、それなりに面白かった。
渦潮っていうのは、潮流のぶつかり合いで発生するもの。そしてそのぶつかり合いが
下から上へ流れてくる動きだと、海水が湧き上がるような感じになるので海面は妙に平らになる。






これでわかるかなあ……。
中央部は全く波がない。





干潟みたいでしょう。この上を歩けそう。


船には7、8人のお客さんだけ。小雨の中、船尾の立ち見スペースにみんなで立って、
船員さんの「あっ、あそこに渦が!」という声に反応してあっち見、こっち見、しているのは
けっこう楽しかった。
最初のうちは、船はかなり波の激しいところを通っていたのでちょっと怖かったけど。


渦潮はかなり条件のいいときじゃないと、ザ・渦潮!というものは見られないみたい。
わたしが乗ったのもその日の大潮の時間に近かったけれども、上記のような状態だし。
でも行って良かった。