goo blog サービス終了のお知らせ 

Mo.の事件簿 A diary of Mo’s trips

事件簿などという大層なタイトルだが、実は単なる旅行記です。

33.最後のプラハ。

2010-01-09 | チェコ・9月8日
市民会館を出て、旧市街広場へ向かう。

ここって実は、地元で言えば藤崎前みたいな(日本には広場文化がないので、四ツ角を例に挙げる)
プラハを歩く人が必ず通るような場所なんだけれど、わたしは初めて。
今さらかい!と内心ツッコミながら足を向ける。
しかし何を見ようという予定もないので、単にぐるりと広場の写真を撮っただけ。




Church of our lady before Tyn.


ティーン教会。





Church of St.Nicholas.


ミクラーシュ教会。





Statue of Jan Hus.

ヤン・フス像。チェコ宗教改革の立役者。……宗教改革の立役者はたいてい殉教しています。





あ、でもここで見たものもありました。





What these people are here for?



すごい人でしょ。みんな、何のためにここにいるかというと、





Astronomical Clock.


旧市庁舎の壁についてる天文時計。
観光客って時間で始まる動くものって好きだよね。衛兵交代とか。
衛兵交代なんて、隠し芸でも披露してくれれば多少は面白いだろうが、
兵隊さんがただ行進しているのを見て何が面白いのかと……
あんなに人だかりがする理由がわからない。


……と言いつつ、ワタシも天文時計の前に陣取る……。
毎正時になると、この時計のからくりが動きだすらしいのだが……




the Twelve Apostles.




これが、からくり。
これだってカメラの魔法でかろうじて見えているけど、実際に見ている時は
四角い窓の奥まで光が届かず、何が起こっているのかさっぱりわからなかった。
たとえ見えたとしても、12使徒が単に窓から顔を出すだけ(実際にはもう少しあちこち動く)
なので、――飛騨高山のからくり人形がある国の人間としては、
「へ?これだけ?」って感じなんですけど!


……まあいい。過剰な期待をして集まって来て、勝手に不満を述べるのは観光客のわがままなのだ。
しかし、からくり儀右衛門(本名:田中久重)の万年時計と比べてみよ!
あの技術ときたらアンタ!あまりに凄くて信じられないくらいだぞ!

まあ、プラハの天文時計(1500年頃)とからくり儀右衛門の万年時計(1851年)の
制作年代には、350年くらいの時間差があるんだけどさ。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



さて、ごはんです。
今日初めての食事。時刻は15時。何ゴハンなんでしょう、この場合。
がっつり食べるぞー。

チェコを締めくくるのはその名も高きホテル・エヴロパの1階カフェ。
ここの内装も(以下略)、そしてやっぱりここでも「のだめカンタービレ」はロケをしたそうです。




Hotel Europe.





Interior.



ちょっと写真がいまいちだったか。
空いている時間帯でゆっくり出来たのは良かったけれど、
このシャンデリアに灯が点った頃が一番素敵なのかもしれないなあ。
観劇帰りの着飾った男女が優雅にお茶を飲んでいたりするならば、
その雰囲気は美しいのではないだろうか。
……で、そこにワタシのようなテキトーな格好の旅行者がいると、艶消しなんですけどね。
ちなみにこの時間帯は、旅行者っぽい人しかいなかった。



最後のチェコめし。
しかしよく考えてみると、これも肉を焼くだけのミックスグリル……。









肉は、ビーフテンダーロインにポークテンダーロインにチキン胸肉、ベーコン。
そしてまるで主役のような顔をして手前に大きく写っているのがポテトパンケーキ。
ハッシュドポテトをもっとぎゅっとして薄く焼いたようなもので、これがカリッと美味い。

4種類のソースはチリ(赤いの)、クランベリー(紅色の。当然甘い)、ディル(白いの)
ガーリック(黄色いの)。
肉にもパンケーキにもソースを色々からめて食べ、味に飽きがこなくていいですな。
これにお茶とチップ込で350コルナ≒1850円。
少し高めなのは場所代というか、格式代。少し待たされたけど特に不満はない。
が、こういうところはもっとゆったり食事を楽しみたいなー。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




さて。そろそろ帰るかのう。日本へ。

ホテル・エヴロパを16時に出る。
プラハ中央駅へ行き、スーツケースをひっぱって空港へ。
17時、スムーズに空港着。
空港でお土産を求めてうろうろ。同じ品物でも店によって値段がけっこう違うので、
時間があれば見比べて買った方がいいかも。












到着は事件だけれども出発は惰性。
19:25、プラハを離陸。



次の記事へ


32.リベンジ。

2010-01-06 | チェコ・9月8日
クルムロフを早朝に出て、プラハに早めに戻って何がしたかったかというと、
9月3日に行って果たせなかった、市民会館の見学ツアーへの参加。
その前にスーツケースを預けようと、プラハ中央駅構内をひたすら走る。





The municipal house.(Again)

市民会館再掲。

実はこの日、見学ツアーは13時から。ちょっと無理めな日程だけども
何とか戻れないスケジュールでもなかったから、それに間に合うように戻ってきました。
市民会館に駆け込んで、12時半くらいだったかな。幸い見学ツアーチケット、ゲット。
ああ、良かった。この為に戻ってきたのに、これで駄目だったらすごくがっかりしただろう。


しかし、この時点でわたしはまだ朝ごはんを食べていない。
ツアーまで30分。ぜひ何か食べたい。


ほんとはねー。市民会館の1階のカフェで食べるつもりだったんですよ。
ここもアール・ヌーボーの内装で有名なところ。時間的にも場所的にもちょうどいい。
でもプラハからのバスが20分遅れたせいで、時間が不安になってしまった。
30分。微妙なところだ。店は混んでいるし。
少々お高そうな雰囲気のところだから、注文してさっと出てくる感じはしないしなー。

店に入って行ってウェイターに訊いてみた。
「わたしはこのツアー(とチケットを見せる)に参加するつもりなの。あと30分しかない。
30分で何か食べられる?」と。
そーすると、……わたしの文法が拙いのと、相手の英語力が足りないのとで、通じない。
年若いウェイターさんは困った顔をしてチケットを見ながら、「このチケットで
ツアーには参加出来るよ」などと見当違いのことを言いだす。
いやいや、ツアーに参加出来るかどうかを訊いているんじゃない。
30分で食事が出来るかどうか、お店が料理を出すスピードを訊きたいんだ!

何て言えば通じたんでしょうね?
2回言って駄目だったので諦めた。こうしている間にも時間は過ぎて行くんだし。

で、カフェを出て、……どうしよう?
200メートル先にショッピングセンターはある。その中にファストフードがあるかもしれない。
あるいは500メートルほど戻れば、繁華街へも行ける。そこにはマクドナルドくらいありそうだ。
が、探しながら行く場合、最短時間で辿りつけるはずもない。
または、今まで行ったことのない方向だが、最大の広場である旧市街広場へ行ってみるか?


そんなことをイライラと考えた末に、……やーめた。
今からどこへ行くにしたって、イライラと走り、イライラと食べ、イライラと戻って来ることになる。
それよりは、多少の空腹は我慢して、落ち着いて見学ツアーを待った方がよろしかろう。

方針が決まるということは、どんな些細なテーマについてでも気持ちがいいものです。

とりあえずニューススタンドでチョコバーを買った。
市民会館の地下(見学ツアーの集合場所)に行って、茫然とチョコバーをかじる。
……でも今改めてガイドブックを見てみると、市民会館から300メートルくらいのところに、
マクドナルドがあったようなんだけどね。
イライラする前に地図を見てみろっちゅーねん。でも、プラハ着のバスが20分遅れた段階で、
すでにイライラしていたからなあ。冷静には行動出来なかった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



ツアーの人数は50人くらいではなかったかと思われる。
ツアーガイドのおにーちゃんが「各国語の説明シートありますよー」と言うので、
手を上げて「日本語」と言ったら、なぜか3部も寄こした。
なぜ3部?と思い、そのまま持っていたのだが、わたしの後ろに日本人が2人いて、
「すみません、下さい」と言われた。後ろに目がないので全く気付かなかった。



では市民会館見学ツアーに出発ー。
ちなみにツアー代は270コルナ≒1430円で(あら、けっこう高かったね)、
その他に、写真を撮る人は55コルナ≒300円を払わなければならない。













Smetana Hall in the municipal house.



由緒あるスメタナホール。毎年行われる「プラハの春音楽祭」は、このホールの
「我が祖国」の演奏から幕を開けるそうだ。
ちなみにドラマ「のだめカンタービレ」のスペシャルで、
千秋様がここで『ブラームス 交響曲第1番』を振りました。


3枚目の右下の金髪(ぼけてるけど)はツアーガイドのおにーさんの頭。
ちょっと好み。顔が、というより雰囲気が。ガイドする内容を丸暗記で言っているのじゃなくて、
それなりの知識の蓄積があるのだと思う。多分学芸員のような立場の人なんだろうな。
ツアーは英語で行われたが、チェコ人の参加者も多く、彼らの質問にも熱心に答えていたし。


内装。
















Interior.





Ceilling.

↑これは天井画。




1つ1つは決して下品になるほど詰め込んでいるわけではないヌーボーですが、
これだけ建物全体がみっしりヌーボーだと、その濃さに圧倒される。
ただし軽やかさは失っていない。このラインでまとめた責任者がえらいなあ。
チェコのヌーボーは軽やかでいいよね。ナンシーのヌーボー建築だとちょっと暑苦しい気が。



見どころとしてのメインは、やはりミュシャによる市長室のデザインでしょう。

















Mayor's salloon desined by Alfonse Mucha.



これぞミュシャの実力といったところか。
プラハ・ミュシャ美術館とモラフスキー・クルムロフの「スラヴ叙事詩」で
あまり感心しなかったので、手ごたえをずっしり感じる完成度の高い作品が見られて安心。

が、彼が描くマッチョは、こちらの先入観のせいで少々微妙に感じる。
ちょっと無理してる?というような。
もっとも、わたしはマッチョ系はあまり好きじゃなくて、マッチョ系の総本山(?)である
ミケランジェロもいまいちなんだなー。特に絵は。ヴァチカンの「ピエタ」は大好きだけれども。











I like ceilling light design.


ヌーボーもデコもそうなのだが、一般的に照明デザインが面白い。というか好み。
日本の百年くらい前の西洋建築でも、照明デザインに味があったりする。



ツアーは1時間半くらいかかった。
ここを見られて良かった。戻ってきたの、正解だったなー。



次の記事へ



31.プラハへ戻る。

2010-01-03 | チェコ・9月8日
6時起床。この日の最初の試練は、4階から、お土産を買ってそれなりに重くなった
スーツケースを下ろすことです。


でもまあ、上りと違って下ろす方は、考えていたよりも大変ではなかった。
が、鍵を部屋に置きに行くためにさらに再度4階まで往復するのはきつかった。
部屋の鍵とは別に建物入口の鍵もあったんだよね。6時に出発だと受付がまだ来ていないから、
部屋の鍵は部屋に置いて出ることになっていたんだけど、
建物の鍵も開けて出なきゃならないわけじゃないですか。
部屋を出る時にそれに気づき、……うきゃ。



朝7時。町はまだ朝靄のなか。









Cesky Krumlov in the early morning.





相変わらず石畳はスーツケース向きではない。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



7時半にチェスキー・クルムロフを出るバスに無事乗れた。
通勤・通学の人たちが多そう。






お約束の鉄塔。





From bus window.


走るバスの窓からなので、ちょっといまいちな写真だが。
でも普通に道を走っていて、横を見るとこういう風景があるって素敵ですよね。




で、どこに着くかというと、因縁のチェスケー・ブディヨヴィツェのバスターミナル。
またここか(^_^;)。8:23に到着。
案内所のお姉ちゃんはこの間の人かな、と思って覗きこんだら別人でした。
ほっとしたような、ちょっと残念なような。

ほんとはここで、朝ごはんを食べられればベスト・タイミングだったんだけど、
ショッピングモールのフードコート(と言っても2軒しかない。チェコと中華のファストフード)は
開いてなかった。多分他のお店も開いてなかったと思う。
しょーがないので待合室の自販機で買える、何とかブランの類の朝ごはんスナックで腹ごしらえ。
これからがんがん歩くのならきついけど、しばらくバスに乗っているだけなので大丈夫でしょ。


ちなみに、クルムロフからプラハまでバスで行こうとした場合、
バスの時刻表的乗り継ぎはもう1本遅いバスでも大丈夫なことになっているんだけど、
クルムロフ→ブディヨヴィツェは一般乗合バス、
ブディヨヴィツェ→プラハは長距離バスなんですよ。その待ち合わせが5分。
多分ブディヨヴィツェ発のバスは、クルムロフからのバスが遅れても待ったりはしないと
思うから、移動の時は時間的に余裕を見た方が安心だと思う。
実際わたしが乗ったバスも3分遅れた。


9時、プラハ行きのバスが出る。
因縁のバスターミナルともお別れだ。またここに来ることがあるだろうか。
もう帰り路を辿り始めているので、少々感傷的。


途中で道路が混んで、プラハ到着は予定よりも20分遅れた。
11:50、地下鉄ロスティリー駅着。





Prague.Roztyly station(underground).



わたしは焦って中心部へ向かう地下鉄に乗る。それはなぜかというと……




次の記事へ