馬に乗って疲れたので、宿でしばし休息。
17時過ぎ、最後のひと歩き、及び晩ごはんのために出かける。
城の庭園に行ってみようと思っていた。写真を撮るのに良さそうな場所。
――しかし行こうとしてガイドブックの地図を見ながら歩いたら、
想像よりはるかに高い場所にあって、行くのにものすごく苦労した。
普通、庭と言ったら低い場所にあると思うじゃないですか。
だから町の中心部へ降りていったのに、実際はそこから階段で崖のてっぺんまで上るはめになった。
階数で例えていえば、宿がある場所が3階。まずは1階レベルの町の中心まで行った。
そしたら庭は5階にあった。という感じ。
城より高いところにあるんだぜ。おかしいやろ。
庭園へ行く場合は、城を奥までつっきって行くことをお勧めします。
そういう苦労をして辿りついたのがここ。
The castle garden.
わざわざこのために遠くから来て眺めるほどの庭ではないけど、
住んでいるところのそばにこういう場所があったら、すごく得した気分になるだろうな。
高台なだけに町が一望の下に見渡せる。
方向としてはお城からの風景と変わらないので、前日に撮った写真と似たようなもんだけど、
この教会の横に見える丘の上のちっちゃい建物。
Perhaps I went to the far church on the hill by horse.
これが多分、さっき乗馬をした時に折り返した教会だと思うんだよなー。
つまり町を逆サイドから見下ろす位置まで行ったわけ。
お城の敷地内を通って町の中心部へ帰る。
あ、そうそう、お城では熊を飼っています。
Bears in the castle.
別に動物園というわけではなく、いつ頃かの城主が飼い始めて、それかららしい。
数百年来続いている伝統なんだって。
夕暮れの街をうろうろ。
What's this?
ショーウィンドーの変な人形。通るたびに気になっていた。
CDショップからけっこうな音量の音楽が流れている。まあクラシックなだけマシか。
店は細い階段をぐるぐる上った奥にあり、こういうところなら、少々大きめに音でも
鳴らしておかないと、客はまず来ないわなー。
チェコは音楽の国なので、記念に何かCDを買って帰ろうかと思っていた。
今回自分の物として買ったのはミュシャのマウスパッドくらい。CDくらい買ってもバチは当たらん。
店内は狭く、店員のお姉さんはわたしに気づくとそれまで手に持っていたフルートを置いた。
「何かお探し?」
「うーん……チェコの記念になるようなCDが欲しいんだけど。お薦めあります?」
店員さんは心得た感じで、すぐ数枚のCDを出して来る。
予想されたことながらドボルザーク「新世界より」とスメタナ「わが祖国」。
まあでも、通して聴いてみたことなかったし、聴きたいと思っていたし。
店員さんは落ち着いた感じの人で、CDの説明も信頼できる感じ。
何種類かあるうち2枚組のそれを買う。それから目についたドボルザークの「ルサルカ」
――プラハで聴いたオペラ――も。
ちょっと嬉しくなって外に出る。また一つ、チェコとの細い糸を繋いだ感じ。
さて。晩ごはん。
……が、実はわたしは失敗したのだった。
乗馬から帰った時、小腹が空いたので、近くのCOOPでリンゴを買って食べた。
外国のリンゴは大抵日本のよりはずっと小さくて、せいぜいテニスボールくらいの大きさ。
でもその後昼寝をしただけだから、オナカが空いていない。
んー。もしかしたらチェコめし最後なのになあ……。
しかし空いていないところに詰め込んでも美味しくなかろうし。
量は常に多めの可能性があるので、山盛の料理を想像しただけでちょっと無理。
かといってファストフードの店もないし、パン屋はかろうじて開いているけど
パンって気分のオナカじゃないし。
でも、オールドインには行ってみたんです。昨日ピアノ演奏をしていたところ。
が、今日はやっておらず。昨日は日曜だったから生演奏が入っていたのかな。
(そのわりには昨日もあんまり客は入っていなかったけど。)
演奏をしていたら、それを聴きながら食事をしようかと思っていたのだが、
やっていなかったのであまり食指が動かず。
ちょっと高めだし。高いって言っても、多分1500円とかで間に合うんだろうけど、うーん。
相当うろうろして。
方針が決まらずにうろうろするのはなんかイヤですね。
と、聞こえて来るフルートの細い旋律。
あれ、これは昨日と同じパターン?またどこかで生演奏をしているの?
二匹目のドジョウを狙って、音を頼りに町を歩く。
ヴルタヴァ川へかかる橋の上に来ると、音の出処がはっきりする。さっきのCD屋さんだ。
そういえばあの店員さんは、わたしが入って行った時、フルートを持っていたっけ。
しばらく橋の手すりにもたれて耳を傾ける。
――店に戻ることもちらっと考えた。
「通りかかったらフルートの音が聞こえたから。聴かせて」と言えば、
むしろ喜んで演奏してくれるかもしれない。が、練習の邪魔になる可能性もなくはない。
音大生か、音楽家の卵か。コンサートか発表会が近いのかもしれないしね。
あ、でも。この辺りの店に入れば、この音を聴きながら食事が出来るのではないか。
そう思って見回すと、CD屋さんの窓からちょうど川をはさんで向かい側に、
テラスで食事が出来るようなレストランがある。おあつらえむきじゃないですか。
念のためメニュー表確認。(ヨーロッパでは店外に値段付きのメニュー表が出ている場合が多い)
まあ安くもないところか。あ、でもパンケーキがある。今度は甘い奴。
これでもいいんじゃないか。チェコで甘いもんあんまり食べてないし。
パンケーキと紅茶でフルート。ふふふ、いい感じだ。
テーマが単なるその日の夕食だろうと、方針が固まるということは気持ちがいいものです。
I was listening to flute from the window of CD shop.
少々寒いが、外のテラス席に陣取る。
向いの建物の開いた窓がフルートの音源。吹いている人は聴衆がここにいるとは考えないだろうけど。
ちょっと幸せ。しばらくじっと耳を澄ませる。
Pancake.....not good.
パンケーキ到着。けっこうどーんという感じですね。
だがこれが、美味しくなかった(^_^;)。アイスクリームは美味しかったんだけどねえ。
少し厚めのクレープで缶詰フルーツを包み、生クリームを飾ったものだが、
何しろ中身の缶詰フルーツがシロップでべちゃべちゃ。それが美味しい人もいるだろうが、
シロップの水気を吸ったクレープは、あんまり美味しいものではないのではないか……。
さらに生クリーム。こないだのブルノのホテルの朝食に引き続いて不味い。
甘くない上に、脂肪分が多いのかな。しつこい味。フクザツな気分で食す。
耳は満足なのだが、舌は不満なひととき。
来たなあ、ここまで。感慨をもって辺りを見回す。
旅の日程はもうわずかしか残っていない。日本から遠く離れて、ほんの数日を過ごし、
また日本へ帰って行く。
帰るんだなあ。名残惜しさとわずかな安堵。帰るところがあるからこその旅。
帰るところがないと、放浪になってしまいます。まあ放浪も嫌いじゃない気がするけど、
とりあえず帰るところがあることはアリガタイと思いマス。
The last night in Cesky Krumlov.
チェスキー・クルムロフ城の塔は、いつでもどこでもついて来る。
19:45、ホテル帰着。明日は6時起き。
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17時過ぎ、最後のひと歩き、及び晩ごはんのために出かける。
城の庭園に行ってみようと思っていた。写真を撮るのに良さそうな場所。
――しかし行こうとしてガイドブックの地図を見ながら歩いたら、
想像よりはるかに高い場所にあって、行くのにものすごく苦労した。
普通、庭と言ったら低い場所にあると思うじゃないですか。
だから町の中心部へ降りていったのに、実際はそこから階段で崖のてっぺんまで上るはめになった。
階数で例えていえば、宿がある場所が3階。まずは1階レベルの町の中心まで行った。
そしたら庭は5階にあった。という感じ。
城より高いところにあるんだぜ。おかしいやろ。
庭園へ行く場合は、城を奥までつっきって行くことをお勧めします。
そういう苦労をして辿りついたのがここ。
The castle garden.
わざわざこのために遠くから来て眺めるほどの庭ではないけど、
住んでいるところのそばにこういう場所があったら、すごく得した気分になるだろうな。
高台なだけに町が一望の下に見渡せる。
方向としてはお城からの風景と変わらないので、前日に撮った写真と似たようなもんだけど、
この教会の横に見える丘の上のちっちゃい建物。
Perhaps I went to the far church on the hill by horse.
これが多分、さっき乗馬をした時に折り返した教会だと思うんだよなー。
つまり町を逆サイドから見下ろす位置まで行ったわけ。
お城の敷地内を通って町の中心部へ帰る。
あ、そうそう、お城では熊を飼っています。
Bears in the castle.
別に動物園というわけではなく、いつ頃かの城主が飼い始めて、それかららしい。
数百年来続いている伝統なんだって。
夕暮れの街をうろうろ。
What's this?
ショーウィンドーの変な人形。通るたびに気になっていた。
CDショップからけっこうな音量の音楽が流れている。まあクラシックなだけマシか。
店は細い階段をぐるぐる上った奥にあり、こういうところなら、少々大きめに音でも
鳴らしておかないと、客はまず来ないわなー。
チェコは音楽の国なので、記念に何かCDを買って帰ろうかと思っていた。
今回自分の物として買ったのはミュシャのマウスパッドくらい。CDくらい買ってもバチは当たらん。
店内は狭く、店員のお姉さんはわたしに気づくとそれまで手に持っていたフルートを置いた。
「何かお探し?」
「うーん……チェコの記念になるようなCDが欲しいんだけど。お薦めあります?」
店員さんは心得た感じで、すぐ数枚のCDを出して来る。
予想されたことながらドボルザーク「新世界より」とスメタナ「わが祖国」。
まあでも、通して聴いてみたことなかったし、聴きたいと思っていたし。
店員さんは落ち着いた感じの人で、CDの説明も信頼できる感じ。
何種類かあるうち2枚組のそれを買う。それから目についたドボルザークの「ルサルカ」
――プラハで聴いたオペラ――も。
ちょっと嬉しくなって外に出る。また一つ、チェコとの細い糸を繋いだ感じ。
さて。晩ごはん。
……が、実はわたしは失敗したのだった。
乗馬から帰った時、小腹が空いたので、近くのCOOPでリンゴを買って食べた。
外国のリンゴは大抵日本のよりはずっと小さくて、せいぜいテニスボールくらいの大きさ。
でもその後昼寝をしただけだから、オナカが空いていない。
んー。もしかしたらチェコめし最後なのになあ……。
しかし空いていないところに詰め込んでも美味しくなかろうし。
量は常に多めの可能性があるので、山盛の料理を想像しただけでちょっと無理。
かといってファストフードの店もないし、パン屋はかろうじて開いているけど
パンって気分のオナカじゃないし。
でも、オールドインには行ってみたんです。昨日ピアノ演奏をしていたところ。
が、今日はやっておらず。昨日は日曜だったから生演奏が入っていたのかな。
(そのわりには昨日もあんまり客は入っていなかったけど。)
演奏をしていたら、それを聴きながら食事をしようかと思っていたのだが、
やっていなかったのであまり食指が動かず。
ちょっと高めだし。高いって言っても、多分1500円とかで間に合うんだろうけど、うーん。
相当うろうろして。
方針が決まらずにうろうろするのはなんかイヤですね。
と、聞こえて来るフルートの細い旋律。
あれ、これは昨日と同じパターン?またどこかで生演奏をしているの?
二匹目のドジョウを狙って、音を頼りに町を歩く。
ヴルタヴァ川へかかる橋の上に来ると、音の出処がはっきりする。さっきのCD屋さんだ。
そういえばあの店員さんは、わたしが入って行った時、フルートを持っていたっけ。
しばらく橋の手すりにもたれて耳を傾ける。
――店に戻ることもちらっと考えた。
「通りかかったらフルートの音が聞こえたから。聴かせて」と言えば、
むしろ喜んで演奏してくれるかもしれない。が、練習の邪魔になる可能性もなくはない。
音大生か、音楽家の卵か。コンサートか発表会が近いのかもしれないしね。
あ、でも。この辺りの店に入れば、この音を聴きながら食事が出来るのではないか。
そう思って見回すと、CD屋さんの窓からちょうど川をはさんで向かい側に、
テラスで食事が出来るようなレストランがある。おあつらえむきじゃないですか。
念のためメニュー表確認。(ヨーロッパでは店外に値段付きのメニュー表が出ている場合が多い)
まあ安くもないところか。あ、でもパンケーキがある。今度は甘い奴。
これでもいいんじゃないか。チェコで甘いもんあんまり食べてないし。
パンケーキと紅茶でフルート。ふふふ、いい感じだ。
テーマが単なるその日の夕食だろうと、方針が固まるということは気持ちがいいものです。
I was listening to flute from the window of CD shop.
少々寒いが、外のテラス席に陣取る。
向いの建物の開いた窓がフルートの音源。吹いている人は聴衆がここにいるとは考えないだろうけど。
ちょっと幸せ。しばらくじっと耳を澄ませる。
Pancake.....not good.
パンケーキ到着。けっこうどーんという感じですね。
だがこれが、美味しくなかった(^_^;)。アイスクリームは美味しかったんだけどねえ。
少し厚めのクレープで缶詰フルーツを包み、生クリームを飾ったものだが、
何しろ中身の缶詰フルーツがシロップでべちゃべちゃ。それが美味しい人もいるだろうが、
シロップの水気を吸ったクレープは、あんまり美味しいものではないのではないか……。
さらに生クリーム。こないだのブルノのホテルの朝食に引き続いて不味い。
甘くない上に、脂肪分が多いのかな。しつこい味。フクザツな気分で食す。
耳は満足なのだが、舌は不満なひととき。
来たなあ、ここまで。感慨をもって辺りを見回す。
旅の日程はもうわずかしか残っていない。日本から遠く離れて、ほんの数日を過ごし、
また日本へ帰って行く。
帰るんだなあ。名残惜しさとわずかな安堵。帰るところがあるからこその旅。
帰るところがないと、放浪になってしまいます。まあ放浪も嫌いじゃない気がするけど、
とりあえず帰るところがあることはアリガタイと思いマス。
The last night in Cesky Krumlov.
チェスキー・クルムロフ城の塔は、いつでもどこでもついて来る。
19:45、ホテル帰着。明日は6時起き。
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