ターフの風に吹かれて

一口馬主の気ままな日記です。
キャロットクラブの会員です。

顕彰馬に思う

2022年06月08日 | ブログ
JRAの顕彰馬の記者投票の結果が発表され、アーモンドアイが落選したことが話題になっている。個人的には、アーモンドアイと同数でやはり選ばれなかったキングカメハメハのほうが「はあ?」と思ったが、まあ、アーモンドアイはいずれ選ばれることは間違いないだろう。

それはさておき、このニュースを機にこれまでの顕彰馬にはどんな馬がいるのだろうと気になって調べてみた。すると意外に少なくて全部で34頭で、確かに全て名前を知っている歴史的名馬ばかりで(当たり前か)、といっても、僕が競馬に興味を持ち出したのはテンポイントからで、それ以前の馬は古すぎてよく分からないので、そのテンポイント世代(ということはトウショウボーイ世代でもあるが)以降の顕彰馬を以下に掲げる。

 マルゼンスキー
 ミスターシービー
 シンボリルドルフ
 メジロラモーヌ
 オグリキャップ
 メジロマックイーン
 トウカイテイオー
 ナリタブライアン
 タイキシャトル
 エルコンドルパサー
 テイエムオペラオー
 ディープインパクト
 ウオッカ
 オルフェーヴル
 ロードカナロア
 ジェンティルドンナ
 キタサンブラック

どうだろう? 確かに納得の名馬ばかりだが、それにしても違和感を覚える馬もいる。「ならば、どうしてあの馬が入っていないのだろう」と思ってしまう馬がいる。

例えば、マルゼンスキー。怪物だった。めちゃくちゃ強かった。といっても子どもだったのでリアルタイムで詳しくは知らないが、それでも伝説の日本短波賞なんて、ビデオで見てみるととんでもない化け物ぶりだ。しかしである。勝ったGI級は朝日杯のみ。外国産馬としての話題性というか制度への問題提起があったにしても、さすがに競走成績は物足りない。だから、選定理由としては種牡馬としての活躍もあったのだろうが、ならば、それこそキングカメハメハが選ばれてもいいのではないかと思う。

例えば、メジロラモーヌ。史上初の牝馬三冠馬である。「名牝」といえばラモーヌというイメージがある。しかしである。不利があったとはいえ有馬記念での惨敗の印象が強い。あれで「有馬で牝馬は買ってはいけない」と思い込まされ、のちに馬券で失敗することになるのだが、ラモーヌを入れるなら、それこそアーモンドアイは絶対だろう。もちろん、史上初の牝馬三冠馬という時代性というか先駆者的な意味もあるだろうが、ならば、中長距離で牝馬がまるで歯が立たなかった時代に孤軍奮闘し、そして天皇賞を勝ったエアグルーヴが選ばれてもいいだろうと思う。その後の繁殖としての実績を考えても。

例えば、メジロマックイーン。強かった。確かに強かった。しかし、勝ったのは菊花賞と春天(2回)と宝塚のみ。ダービーやJC、有馬記念は勝っていないし、王者感はあったものの時代性や種牡馬実績を考えても顕彰馬の中で一番違和感を覚えるのはこの馬だ。単に「強い」というだけならグラスワンダーやスペシャルウィークが選ばれてもいいし、おまけにその2頭は人気もあったし産駒実績もある。しかもライバルだったエルコンが選ばれている。

そのエルコンドルパサーも成績だけなら非常に微妙だ。ただ、「時代を切り開いた」という意味では顕彰馬としての意味はあるのかなと思う。

その意味では、近年の牝馬の時代を切り開いたウオッカが選ばれているのは理解はできるが、ならばダイワスカーレットも一緒に選ばれてもいいように思う。ただ、やはり牝馬でダービーというのは大きいか。確かに人気もウオッカのほうがあったし。まあ、個人的にはウオッカよりダイワスカーレットのほうが強かったとは思っているが(個人の見解なので怒らないように)。

例えば、ロードカナロア。現役時代の競走成績に加えて種牡馬としても優秀で、だから選ばれていることについて文句はないが、しかし何だろう、やっぱりこの中に入ると小物感というか脇役感というか、そういうものを感じてしまう(個人の感想なので怒らないように)。ならば短距離から有馬記念まで制覇したグラスワンダーのほうが、話題性や時代性でも上ではないかと思ってしまう。ならば、お父さんのキングカメハメハの種牡馬成績の偉大さのほうが上ではないかと思ってしまう。

誤解しないでほしいのは、顕彰馬の34頭に文句を言っているのではない。どれもこれも歴史的な名馬だ。素晴らしい馬たちばかりだ。ただ、「その馬が選ばれているのなら、この馬も・・・・・・」ということなのである。

でもまあ、こういうものは結局は最強馬論争と同じで、正解がないというか個人の主観の問題になってくるので、だから、アーモンドアイが落選してしまうわけだが、それに関して記者投票という制度を見直すべきだという意見もあるが、こういうものは、例えば「GI何勝以上」というような基準を作るのではなく、その時代の中の「印象」を大切にする投票制がいいと個人的には思っている。

が、だからこそ、投票権を持つ記者たちの見識が大切で、記者諸君にはそれを磨く自己研鑽力に期待したい。・・・・・・って、オレって何様?(笑)

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