piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

ショパン ワルツ1番

2009年01月19日 | 音楽教室
月曜クラス4週間ぶり。
きちんと練習を積み上げた人もそうでない人もたいへんです・・・。

この曲を譜読み始めたKさんは中学までこつこつ習いつづけ社会人となって再開することにした方。
音符を記号としか感じなくて指の運動をしているようなので、なんとかこの再開を機に音楽を楽しむことに目覚めてほしいと思っています。
譜読みは苦もなくできるし、指も動くけれど、作品の中にこういう世界がある、と説明し、私が弾いてみると「へ~。そういうものなんですね。」
と目をまんまるにしていらっしゃるんですね。
それって子供時代の先生の責任はないのか?とわが身にも問い掛ける・・・。

冒頭のファンファーレのようなBの音の連打もペダルを踏んだ状態から1と3の2本の指でBの黒鍵を軽く突くように音を響かせ3拍目の8分音符もつんのめらずに指使いを変えて2小節目のBを最初の音と同じように突く用意をしながら押すようにしていくだけで、Bの音をだらだらならべたようにはなりません。
ピアノは簡単に音を発音するので連打の時 特にザツになる人が多いです。
この4小節をひとつのペダルでわくわくするように鐘を鳴らすように響かす。 響かさないと次からの旋律にも期待がもてません。
3拍子のリズムを胸に、でも機械的リズムではなく弾いてください。
この曲も最初の1ページで時間切れ。
インヴェンションとチェルニー30番も平行していますが、時間配分をうまくしないと全部みきれません・・・。でも3冊並行して練習して欲しいのです。
来週はピンポイントレッスンにしてみます。

あと仕事がうまくいっていなくて元気がなかったSさん。
ブルース系のジャズナンバーを練習しているので、もっと明るい曲にしたらどうですか?といったら「いやあ、明るい曲なんか弾く気にもなりませんよ。」とおっしゃっていました。
そうかもしれません・・・。
Kさんは大きな問題を抱えているようにはみえませんでしたから
「華麗なる大円舞曲」を華やかに大胆に楽しみましょう。


カバレフスキー 夢

2009年01月18日 | 音楽教室
私のお気に入りのこの曲は4年生のRちゃんが発表会で弾きます。
やっと譜読みができたばかりの頃は左手の和音がしっかり鳴り過ぎて「行進曲」みたいに・・・。「行進するのが夢なの?」と云ったら笑って直してくれた。
だいぶペダルにも慣れ ロマンティックな雰囲気に包まれてきたけどいまいち。
「う~ん。子供っぽいな。」
「だって子供だもん、しょうがないよ。」
「そうだけど。!3年生みたいなんだよ。4年生なのに。」
「・・・。」
「5年生になったつもりで弾いてみてよ。」
・・・これだけで良くなりました。

今は暗譜をするための練習中。
C-mollになって激しくなるところは暗譜は楽なのですが(難しいので弾けた時はある程度記憶している)最初の部分は左手の和音が微妙に変化して子供には覚えにくいと思います。私なんか「ここにⅡの和音が!」としびれる和音が残念だけど子供にはなかなか違いがわからないようです。ラドミもラレファも同じじゃん。・・て。
最初ドミソドーソ、の高いドの時ラレファだった左手の和音
2度目ドミソレドソになると
旋律がレに上げるので左手のラレファのレはドに下げて変化しているのだと思う。と解説したらRちゃんも納得して記憶にしまいこんだようです。
緊張するとぽっとバスの音を忘れる事件は多発していますので、指で覚えるのではなく、あらかじめ関連付けして覚えてもらうようにしています。
こういう曲を弾いている生徒さんをみるとすべての子供に感情を音楽にのせて集中させる力、音楽に没頭する能力があるのだと思うのですが・・・。

将来の夢は「きれいな人。」と話してくれました。
すっごくきれいな人になると思う。


ハイドンクラヴィーアソナタ43番

2009年01月17日 | 音楽教室
次はどれでもいいからハイドンのソナタやろうといってIさんが選んできたのが43番のソナタ。知らない曲なので、ヘンレ版の譜面から何かを探るしかない。
符点のリズムで、何やらスキップをしたくなるような気分のハイドンがにこにこしながら作ったのでしょう。
・・・この符点のリズムがわれわれ(?)にはクセモノで、ウィーンフィルが格別素晴らしいのもウィーンの学校で「ウィーン人の学生」が何か他の国の人・・・
符点8分音符より16分音符の扱いに注意をはらうため、私が習ったのは16分音符と次の音符の間をあけるアーティキレーション。
ミードラ、とスラーをかけずに、「ミード」、と「ラーラ」、というペアにスラーをかけるパターンです。そうすると符点のリズムがころばない。『16分音符を丁寧に弾くために』ドとラをつなげない。
そのパターンで弾くと短い音符にも気を配って聞こえる。テンポも落ち着いて安定感が生まれます。しかしそれもひとつのやり方だと思いますが、あんまりそう小刻みに弾いている演奏は耳にしませんね。でも16分音符の音量を落とせばスウィング感も出せます。

さてその生徒さんがファジル・サイ氏のCDを貸してくれました。
いやー素晴らしかったです。
そのファジルさんはミードラ、とスラーをかけてラはスタッカート、次のミーミの符点も符点8分音符にもスタッカート。ミッミレード、というふうに。IさんはそのCDに感銘を受けてこの43番のソナタを選びヘンレ版の楽譜でファジル氏のアーティキレーションを「なんとなくまねして」譜読みをしてきていたのであった。
同じCDを聴いて 3回目の今日のレッスンの段階での感想は「ファジル奏法を取り入れるならそれはそれで徹底させなくてはいけないんだね、」ということです。アーティキレーション以外の息づかいのようなものまで・・・。中途半端ではだめ。
しかしアーティキレーションをまねなくても 彼の演奏の美点を随所に感じてまねることはできるのではないかと思います。・・・なので、アーティキレーションは私が習った古いタイプのスタッカートは多用せず、リズムに乗って表情をおおげさ!くらいにつける。
1楽章中ずっと気分の良い状態なのに猫の目のように変化させる。

37番 43番 35番 31番10番のソナタが収録されています。avexから発売中です。
彼のライナーノートから
『ハイドンの音楽が聴く者の心に触れるのはそこに深い人間愛があるからだ。
作品の中で人間とその物語を伝えようとしている。私たちは想像力によってこの物語を発見し隠されたユーモアや皮肉などを引き出さなければならない。
こうして音楽は言葉に頼らない秘密の物語となり常に何かを訴えかけてくるのだ。』

全く同感。うまいこといってくれてます(笑)
ハイドン入門がまだの方、是非聴いてみてくださいませ。
素晴らしいCDを教えてもらって生徒さんに感謝している たよりない先生でした。の巻。


ショパン ノクターン遺作Cis‐moll

2009年01月16日 | 音楽教室
ノクターン集(19曲)には含まれていないので、いえ、いないのに!一番メジャーかもしれませんね。
今日も最初の2小節からなかなか先に進みませんでした。
アーティキレーションがどうのこのではなく音符の長さも譜面通り弾いていてはだめだったんですね。説明しながら改めて知る。こう弾いてたんだって・・・、。
ショパンのノクターンは人に教わるものではない。と常々言っているのは音符を言葉以外の吐息のようなものに変化させなければならない?からというか。
3つめの4分音符はその前の8分音符より軽く感じて実際にも短く小さく弾くものだと思うし、そんなふうに音価をいったらどれも正確に弾くものではないといえるかもしれませんね。
2小節ずつ同じ楽譜を弾いて 最初の2小節で問いかけ、次の2小節が答・・・のようにするのだから こういう拙い文章にすることすらばかばかしいですね。

この切ない曲を初発表会で演奏することにしたTさん。
自分の出す響きにだけ集中して弾けるように準備を重ねましょう。
つぶやくように、感情だけを響きにできるように。

この曲には辛い想い出があります。
でもその話は止めておきます(笑)
でもそういった思いに重ねて弾くくらいじゃないとだれかの胸に届くようには弾けないかもしれない、と思います。

チャイコフスキー 甘い夢

2009年01月15日 | 音楽教室
以前にも紹介したことのある小3のKちゃん。『こどものためのアルバム』から。
今日のレッスンでもうたいまくっていてかわいかった。
写真は(例によって)冒頭部分だけですが最初2小節の♪ドレミミーララー、だけをとってもクレッシェンドが激しくてすぐフォルテになってしまう。(笑)
「それじゃこの先もたないよ。もっと計画的にうたわなくっちゃ。」
「そうか・・。」(苦笑)
先週「ミより16分音符のラをむしろていねいに、音量も落とさずに。」といったので6小節目までフレーズは繋がって 充分に気持ちは伝わっています。
ただ激しすぎちゃうんですね。「甘い夢」が甘い夢をみせてくれ!とせまっているように(コワっ)聞こえかねない。
この全音の譜面では最初2小節はPのままになっているけど8小節までがひとつのグループなのでそういう書き方をしてあるけれどその2小節も3,4小節目のようなじわじわとしたクレッシェンドは自然とかけてしまいます。
ミとラはどっちが大きいの?とじっと考える価値がある大切な場所。
48小節の短い曲ですが聴き応えのある作品。
来週はペダルを踏んできてますますカンタービレ!だね。
いっしょうけんめい丁寧にうたう。歌う背中を見ていて、子供好きで子供のためにたくさんの曲を残したチャイコフスキーも 喜んでいることでしょう。

朝は闘病中のUさんから「しばらく実家で静養するのでピアノはお休みします。」という寂しいメールがありました。
元気になったら うちのFranzを弾きに来てね。復活を祈ってます!

バッハ平均律1巻Cisーdur前奏曲

2009年01月14日 | 音楽教室
今日も盛りだくさんのレッスンでしたが、たまたまふたり重なって練習している曲が平均律の3番目の曲。
Cdur、c‐mollの順番でやっています。
フーガに比べてプレリュードは譜読みが楽で、しかもCーdur、C-mollの次にやってみればずいぶん「ふつう」っぽい曲ですよね。(C-durとC-mollが異様すぎ・・)
TくんもTさんも全音出版の譜面を使っていますが 原曲に近くアーティキレーションが書き込まれていません。この写真は春秋社版井口基成編集です。
異議なしです。
毎コンの小学生の課題の3声の出場者、合格者、を聴き比べても、又はウィーンで私は2巻ばかりみてもらっていたのですが、先生によってアーティキレーションは微妙に違って、「個性的!」という解釈であっても、「正解」はひとつではないことは確かです。
大事なのは「演奏の質」の問題であって あそこがノンレガートだとか、トリルが上からとか、そうじゃないとかは関係ないですね。
たとえ同じ楽譜、同じアーティキレーションで弾いても同じ演奏にはならないのだからいかに演奏者自身が細部まで理解しコントロールしつくせるかにかかっています。
でも一曲に何ヶ月もかけて仕上げることよりたくさんの数をこなして自分の力で初めて見る譜面もある程度読んでいけるようにすることが大切だと思います。
比較的弾き易いこのプレリュードのあと かわいらしいフーガへと続きます。

今お電話がありフォーレの無言歌3番を弾く予定にしていたお嬢さんがその当日どうしても動かせない行事で発表会には出られないとのこと。
残念ですが 曲は引き続き練習しましょうね。

フォーレ 無言歌3番

2009年01月13日 | 音楽教室
今日のレッスンでの1曲は、美しいフォーレの小品。
小学生の頃 少し習ってはいたけれど中学受験のためずっと弾いてなくて、受験後ピアノを再開した中1のお嬢さん。半年ほどたったけれどブランクは大きく、でもペダルも使えるのでこの曲で発表会に初挑戦です。
もう『受験勉強』はしなくていいといってもやはり中学での勉強も部活もたいへんです。その中でピアノの練習も加わるわけで・・・・。

この曲はご存知でしょうか?簡単そうに始まりますが気分良く弾いていると中間部 歌が2声になって「おっと!」とやはり丁寧に譜読みしなくちゃ、となります。
その後軽く再現しますが この曲の秀逸なのは最後の8小節。
おししいご馳走をいただいて 満足して帰ろうとしたら「おみやげにこのお菓子も持っていって!」と云われたような(笑)
ほんとうに美しい無言歌。歌詞をつけるとしたらやはり恋のうたでしょう・・・。

ピエール・ローラン・エマール

2009年01月12日 | 演奏会
今日はレッスンがお休みなので・・・(月曜が休みばかりで月曜クラスの生徒さんたちが心配。)昨夜は夜更しして衛星放送を見ました。
日付変ってからドイツ放送製作のエマール氏のバッハのフーガの技巧、カーター、ベンジャミンといった現代曲とベートーヴェンの31番のソナタ。バイエルン芸術アカデミー(スタインウェイホール)での演奏会。
31番のソナタもベートーヴェンがフーガを物にしたか!という曲ですので、フーガについての講義のような演奏。
バッハのフーガも横に違う色で旋律が流れていくのがよくわかる。
ベートーヴェンも調律師に中音域の音色を変える為ハンマーの下に紙を入れてみてくれと試行錯誤した成果、だけではないけれど素晴らしい。私の理想とするバッハやベートーヴェンを示してくださったようです。
その前に録画していた放送、中村紘子さんが65歳になりここ数年練習で肩や手を痛めるのを高名なお医者様に治してもらってはぎりぎりのところまで練習を重ねなければならないほど肉体と練習のバランスに苦慮しているから現在は筋力トレーニングも取り入れている・・・と話されていたのを観たあとだったので、この50歳のエマールさんは 全く中村さんと別のところにいるなあと。大きなフランス人男性ですがあまりにも楽に理想の音を出せているので手の筋肉がどうこうではなく頭で演奏しているので、(筋肉の支配は無意識下)バッハのフーガのような難曲も魔法のようにわかりやすく聴くものの耳に美しく語りかけ旋律として自然に届くのだと思います。
感動と共感の演奏を聴けて興奮してしまい、しばらくうなってしまいました。涙が出る暇のない感動。
(全然眠くないけれど)さあ眠ろうと思ったら続いて 消さずに映っていたテレビで「なんとか音楽祭」を放送するという・・・それが
グリモーのピアノヴァイオリンはカプソンと庄司さやかちゃんビオラは名前は忘れてしまいました(謝)白髪の白人男性、チェロはマイスキーでシューマンのピアノ五重奏が始まってしまい・・・聴きました。すごいメンツ。異星人の集まりみたいに面白かったです。みんなソリストなので(笑)どこもかしこも激しくて(汗)力がはいる曲ですが入りすぎで花火のようなシューマン。グリモーさんはちょっと浮いていました・・・。おかげで熟睡。今日はさらわなくてはいけません。
kさん、成人式おめでとう!

ショスタコービィッチ ワルツスケルツオ

2009年01月11日 | 音楽教室
人形の舞曲という7つの作品集の5番目の曲です。
泣き虫Mちゃん・・・4年生になりました。
ピアノを弾くなんてかっこわるいよ。スカートはくのもいやなのに(制服はスカートなのに)発表会でヒラヒラの服着るのもやだ。
・・・だけど一回も休まずピアノ通い続けて発表会も次で3回目。
照れてるんだけど たまに集中したとき彼女にも音楽を楽しむ血が混じっているのを確かに感じている。でもまだレガートを丁寧に弾くことはありません。
おかあさまも「またスタッカートの曲だね。」と苦笑いのご様子。
でもこのオルゴールのような可愛らしい曲がいまのところぴったり。
最初はふつうに3拍子のワルツ型の伴奏で始まるのですが、写真の2段目からリズムがおしゃれで、ワルツから変化していくのがこの曲の魅力で、「ここ楽しいよね。」といっても「どこが。」という返事しかかえってこないけれど(泣)もっともっと練習してすらすら弾けるようになったら好きになってくれるでしょう。
中間部は「ショスタコの慣れない和音」に苦労しますが・・・。

「この曲誰が作ったの?」
「ショスタコ」
「たこー?」
なんか喜んで帰っていった気がする。
彼女が高校生ぐらいになって変貌してレガートを『熱くうたいまくる』ピアノを弾く姿を思い浮かべます。

フォーレ 舟歌1番

2009年01月10日 | 音楽教室
なんとも美しいフォーレ。
慎み深く 微妙なゆらめき。官能的といってもいいかも。
a-mollで弾き易そう?。旋律のどーしらそ、ふぁーみふぁそ、らーしどれ みー♪
の「ど、ふぁ、ら、み・・」の音を右手、「しらそ、ふぁみふぁそ、しどれ、」を左手で取るのでさり気なく難しい。
あとで変奏して16分音符できざむところはメトロノーム代わりがあるけれど、出だしのパターンはリズムもレガート同様気をつけなければいけません。8分音符の長さ、16分音符の2分割、がくずれないように。
Cdurの部分は例によって私の場合南の島が浮かぶんですね。モルディブあたり。もうHAPPY。笑顔になっているはず。
古典、ロマン派、ドビュッシーあたりのフランスもの、弾かなくちゃいけない?(そんなもんか?そんなもんだ。)曲を一通りかじったら是非フォーレを弾いてみてほしい。

フォーレを聴いているとその空間はまるで別世界。
自分で弾けばもっと開放されること間違いない。
世の中の不況 不安もどっかへいってしまう。

きとんと譜読みができたなら(重要。) この曲は「楽に」弾いて楽しみましょう。