piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

3年待って

2011年10月30日 | ワイン
ふらりとワイン売り場に行って、車じゃない場合「試飲してみませんか?」と誘われると断れません。
その時お店の人は他のワインを売りたかったようで、でも私がこのシマシマのワインをじっと見ていたら
「バローロもお安くなっています。」と
フォンタナフレッダ社の赤 フルボディ。

何回か「バローロだよ。(これは上手くて有名なんだよ)」と云われて飲んで一度も、わあすごい、と思ったことがなかったので今度こそ確かめるつもりで…その時は試飲で4種類飲んでいて酔いも回っていたし2本(2種類)を買ってしまった。
ワイン売り場に行くのは買い物の最後にしようと思った日。空腹時のワイン売り場も禁。
「今飲んでも 3年待っても美味しいと思います。」と店員さんはたしかに云った。

3年待てるわけもないことはわかっていた。
そしてあっやっぱり3年後の方が美味しいんだろうなと思いながらいただきました。
どうも 整いすぎて物足りない。もう一本のサイのマークの方が好きでした。



いわゆるバローロの真骨頂はこれよりう~んと高いクラスのなんでしょう。
フランス トゥールーズに長く住んでいらして 今も毎年2ヶ月トゥールーズで過ごす方のお話によると いつも日本に帰国するとき1本4ユーロのワインをケースで送るそうです、十分おいしいよ。日本の観光客なんて何万円もするワイン買って帰るんだよね。と驚いていらした。
いいなあ。4ユーロで食事に合うワイン…。


コンコンの正体

2011年10月29日 | 音楽教室
高音のレの♯Dis(Esでもある)がこんこんとかわいい雑音がする。
カンパネラの出だしの音です。
喜びの島、でも気になっていて とうとうカンパネラをレッスンすることになって、気になるどころじゃなくなった。
調律は7月にして 調子はいい(しかし買った時よりストレートに響きはじめている) franz.
とうとうキツネがついたか、はたまた風邪か。

とにかくやることが多くてじっくり原因を考えずに移動中に調律師さんになるべく早く来てください。とお願いした。
そして今日来てくださるというので、その前に中を掃除しておこうと思い 重い大きなふたを開け、鍵盤のふたも開けた。
そうしたら 「ないない」といつもさがしている鉛筆が一本横たわっておりました。


いつも楽譜に書き込むために楽譜のそばに2、3本鉛筆を置いているのに、レッスン中にピンポンが鳴って鉛筆を持ったまま玄関にいったり、色鉛筆に持ち替えたり、親御さんのお手紙のお返事を書いたり、お気に入りの鉛筆が所定の場所にあったためしがありません。なんて落ち着きのない大人なんだ。
…そうかピアノの中に落ちる場合もあったんだ。

大急ぎで調律師さんにその旨をお伝えしキャンセルできました。
わざわざご足労いただいて 蓋を開けて「これがこんこんの原因ですね。」とならなくて良かった。


毎日の温度差も激しいので みなさま こんこんお風邪を召されませんように。
それにしても 久しぶりに見るピアノの内部は美しい。少し見惚れておりました。




ウィーンフィル in JAPAN 2011

2011年10月21日 | 演奏会
10月19日 プログラムF  サントリーホール
・ブラームス 悲劇的序曲
・シューベルト 未完成 交響曲

・マーラー 「少年の魔法の角笛」「七つの新作歌曲集」から
  番兵の夜の歌、ラインの伝説、麗しきトランペットが鳴り響くのは、この世の生活、原光、塔の囚われ人の歌、無駄な骨折り、魚に説教するパドヴァのアントニウス、高い知性への賛歌、死せる鼓手、少年鼓手

バリトンはマティアス・ゲルネ

(そうそう指揮はエッシェンバッハ)

サントリーホールはやはり大きくて、みなとみらい小ホール、オペラシティ、はたまたムズィークフェラインだったらもっと響きに酔うだろうと思ったブラームス、シューベルト。なかなか私の席に音がひとつになってこなくて、(大きなうちわであおぎたかったけど)チェロの優しいppを安らかに聴いていました。
未完成もウィーン節(名古屋弁)のオーボエを期待していたが メンバーがトラ(エキストラ)でなんとも中途半端なソロで残念でした。
パウゼ(赤ワイン)をはさんで聴いたゲルネ。
彼へのリスペクトが全てという絶品でした。一気に総力が結集した。
ゲルネの音楽を支持しない団員はいないでしょう。ひとつになってマーラーの世界を再現してくれた。超難しい音程をああもやすやすと決める技術は超一流だからこそです。歌手もオーケストラのどの楽器も。
きっと現在世界一のマーラーだといっていい。まあ私が断言してもたいした意味はありませんが(笑)、これ以上の演奏を望む人なんぞいないだろうし、マーラー本人も
「Danke viel mal」と云うにちがいない。

ウィーンにいるかのような感覚でした。

ゲルネもウィーンフィルの音を愛しているのだろう、鳴り止まない拍手のあとのアンコールでは打楽器奏者の横の椅子にちょこんと座って、青ダニと雷鳴を嬉しそうに聴いていました。
ほんとうにウィーンという音楽の都の誇るべき「歴史」が東京のある夜に愛すべき音楽家たちの手で再現され そこに居る事ができたしあわせに心から感謝いたします。

近いうちにまたウィーンに行くぞ、と決めた夜でした。

室内楽いろいろ

2011年10月18日 | 演奏会
日曜夜に みなとみらいの小ホールにて アンサンブル deヨコハマ の演奏会を聴いてきました。
プログラムがまた面白くて、
シューベルト 弦楽トリオ ヴァイオリン&ビオラ&チェロ  弦楽3重奏曲第1番 1楽章

メンデルスゾーン ピアノトリオ  ピアノ&ヴァイオリン&チェロ  ピアノ3重奏曲第1番 全楽章

モーツアルト ピアノトリオ  クラリネット&ビオラ&ピアノ  ピアノ3重奏曲 ケーゲルシュタット

ベートーヴェン ピアノトリオ  クラリネット&チェロ&ピアノ  ピアノ3重奏曲 街の歌

というもの。
クラリネットが入っているのはクラリネットトリオと呼んでいますが、譜面にはたいてい「トリオ」とだけ書いてるんですよね。


ケーゲルシュタットは20年前 皇太子殿下と夫といっしょに赤坂仮御所、というところで練習をしたことがある思い出の曲です。
レッスン室に写真がありますが、その時の記念写真です。家宝級です。(爆)
3人で1時間くらい合わせて 「母が聴かせてほしいというので呼んでもよろしいですか?」と浩宮殿下がおっしゃって、
…おかあさまってもしかして もしかする?とぼーっとしていたら天皇皇后両陛下がお部屋に入っていらして おとうさまも!私と皇太子様と夫で全楽章通したのでした。結局仮御所という所に5時間滞在したのです。
この話はいくらでも長くなれるのでいずれ。

今回はピアノがあの作曲家で中学の同級生の町田郁弥さん。彼のピアノはほんとうに音がきれいで音楽的で 室内楽のピアノ奏者として売れっ子のようです。
クラリネットはなんとベルリンフィルのトップのフックス氏です。
何度か来日のとき クラ5とか聴きに行っていますが 先日は初めて大当たりの素晴らしい音楽でした。
いやあ 素晴らしかったですね。モーツアルトはもう太古の昔からこういうものがあるのです。という演奏でした。
元々ある音をそのまま再現してくださったように思えました。
こんなにいい曲だったっけ?とさすがモーツアルト、このあとにいったいどんな音楽があるんけ?と思ったら、まったく違うアプローチで我らがludwig は存在しました。
感激しました。この曲の素晴らしさを再認識いたしました。
しかしピアニストにとってはviel arbeitでございます。
メンデルスゾーンのトリオは「メントリ」と呼ばれていて、書斎の人の町田くんも「メントリ」さえなければ、としきりにいっていましたが、名曲です。
2楽章の頭でいつも 私はうるうるくるのですが、本人は3楽章の頭でうるうるきたそうです。本番でうるうるきたなんてやっぱりさすが。
素敵な演奏会をありがとうございました。

「メントリ」→「面取り」→「大根」→「おでん」といつもそこに落ち着くのですが ゆっくりおでんを炊く日は来るのか…。
明日はウィーンフィルです。
今晩眠れませんです。



発表会選曲

2011年10月14日 | 音楽教室
月曜、水曜クラスの発表会は2012年3月20日(祝)に決まりました。
他の生徒さんは3月25日(日)です。日程間隔がせまいので今年かけもち組はないかな?

合わせると50人を超えていますので、選曲もひとしごとです。
一日1曲ずつ決まればいい方かしら?…というペース。

まだ練習はしない方が良いですが(飽きるので)いざ弾きたい曲が他の人と同じ、というわけにはいかないので、早めにこれは誰が弾く。と決めなければいけません。
本人の希望第一ですが あんまり簡単すぎても難しすぎても 当日あちゃーってことにならないようにしたいですから。
昨日レッスンで数曲私が弾き選んでもらおうと思って 「聴いててね!」といいながら弾いた数曲のうち、レーガーの小品、湯山さんの小品、は初見で細かいところがちゃんと弾けなくて(汗)
見事に撃沈した曲。ごめんなさい。作曲家さま。
私のプレゼンが不適切でございました。m( __)m
でもプレゼンも「そんな速い曲無理。」と敬遠されても困るし、CDみたいに弾けばいいというものでもなく。本人の性格(負けず嫌いか、慎重派か、派手好みか、カンタービレ派か…)を把握していないと失敗します。あとおかあさまのタイプも。こちらの方が肝心だったりする。

もう一度生徒さんの顔を思い浮かべながら 楽譜やさんにレッツ ゴーです。




ドビュッシー 喜びの島

2011年10月08日 | 音楽教室
恋人たちの憧れ、♪行ってみたいな喜びの島♪ でおなじみの(笑)喜びの島。
非常に面白い、大好きな曲ですが この年にして初めて暗譜の勉強=アナリーゼを昨日完成し、気分が良い本日です。
暗譜ができたところで、やっと細部にこだわれるわけでして、ここからが磨きをかける楽しさだけの作業。運指も再考する箇所がいくつもあります。

ドビュッシーは彼の作品の「12の練習曲「の冒頭に「自分で自分の指使いを探そうではないか。」と書いているが、まあこの曲くらいまでピアノを学習してくると自然に運指の幅もアイデアも出るでしょ?ということですね。

(鉛筆書きの2の位置はasの音用です。)
この楽譜は安川加寿子先生の運指で、親指をasからgに滑らせていますから(1~1の所) 鮮明な音より滑らかさを重視しているのかと考えられます。
ですが 結局asを2、gを1にすることに私は決めました。(安川先生のは最後のフォルテの時も同じ1、1、最後のフォルテに関しては2、1が良いと冒頭より大きな声でいえるんだけど…)
Fからasの5-2の開きが私の手のにはきついのですが 音の粒をそろえころびも防止したかったからです。最初は2の指の筋肉が伸びて痛かったけど今は開くようになりました。


オレンジのところもずっと右手で弾いていましたが やはり左に変更することにしました。よりスマートに下降させたくて。
ある程度曲を自分なりに理解してから、部分に固執せず大きく考え、自分の手、テクニックと相談しながら決めるのがベストでしょう。
このごろはそういう作業が楽しいと感じるようになりました。
生徒さんたちも運指にもっと興味をもって練習してくれたらと始終云っていますが、ようするにゆったりと部分に向き合える、運指について考える時間の余裕がないと無理なんでしょう。
もっと時間がほしいです。



P.S
今この記事を書いてるパソコンはMacBook というノートパソコン
まったく使いこなしていない私ですら このパソコンを開けるだけでおしゃれで茶目っ気もある人と対話するような暖かさのようなものを感じるから不思議です。もうひとつのあまり使ってないデスクトップのパソコンはプリンターと繋がっているのでたまに使わざるを得ないので 仕方なく使う。と、とても味気ないなあと思う。機械としてだけあるみたいに。
ジョブズ氏ももっともっと時間がほしかったことでしょう。ほんとうに残念です。