piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

ドイツもの好きのフランスもの

2009年04月30日 | 音楽教室
ドイツ3大B好きの高校生のフォーレが素晴らしくて驚きでした。
適当に肩の力が抜けていて でも「きちんと弾くこと」が出来ているので、バランスが良いのでしょう。ブラームスなどムキになって押さえつけよう!的な気合がはいるのですが、フォーレだと本命ではないと思うからか(笑)・・・のりが絶妙だし、テクニック面もノープロブレム (女子供の手で がちっと掴まなくても可)
最後がこういう完成度の演奏だと一日が美しく終われます。
もう1曲フォーレをやって 次はシューマンかなあ。

ティル・フェルナー バッハ平均律クラヴィーア曲集 第1巻

2009年04月28日 | CD
1972年ウィーン生まれのピアニストの2002年の録音CD。
甘い音色の緻密なバッハへの敬意に満ちた演奏です。
彼の「美意識」というか、姿勢・・・。
新たに私の好きなピアニストにランク・インしました。(笑)
Jugendstiltheater での録音と記してありますが、いったいどこなんでしょう。
先日弾いた エラールのピアノのような柔らかさがある楽器です。


ライナーノートに
『告白するが、まるで永遠のハーモニーが鳴り続けているようだ。世界創造の直前、神の胸の中でもおなじだったに違いない。だから私も耳を持たずまた必要ともしないかのように、心の奥底で感動する。なおさら目もそしていかなるほかの感覚も持たず、また必要ともしない。』と1827年にゲーテが手紙に書いている文章が引用してあります。

この録音のライナーノートにふさわしいと思いました。難しい表現ですが・・・。





ベートーヴェン ソナタ14-2 1楽章

2009年04月27日 | 演奏会
ベートーヴェン28歳ころ10番目の初期の作品
出だしの16分音符の入り方が難しいですね。アーフタクトっちゅーものがそもそも難しいのですが・・・。
この作品は目隠しして聴いたら?(笑)ベートーヴェンと当てにくいいわゆるベートーヴェンのソナタの1楽章らしからぬ優しさに満ちています。
レ↑レラシファソを2回、ミ↑ミシドソラが2回、そしてやっと4小節目でラから1オクターブ上の↑ドへ飛んで(そのドに向かって始まっていて)そこから下降しながらちょっとあってG(主音)へ落ち着く。そこかられれれの法則(爆)の歌いやすい旋律が出てこの曲を親しみやすくしてくれる。
きれいですね・・。上品ですね・・・。優しい音楽ですね。ベートーヴェンよいうの男の優しさというか。
全音のソナタアルバムに入っていたので、有名なようで、全曲制覇したリスナーじゃないと月光、悲愴、熱情、告別、テンペスト、ワルトシュタイン、後期の次にもこないマイナーな作品扱いをされているのではないかと危惧しておりますが、知らないと損!と思います。14-1もお忘れなく!

聖歌をうたう人

2009年04月25日 | 音楽教室
先日の「日曜日」に書いたパリの教会で信者の歌う聖歌を偶然耳にした時に涙が溢れたのはなぜなんだろう、とずっとどこかで考えていました。他人に自分の歌を聴いてもらうために練習したものではなく、上手下手、というレヴェルに関係ない 無心に歌っていたからなのだろうと思いました。神への祈りの気持ちが偉大なのかな?
それまで「人に聴いてもらって、がんばったことを認めてもらおう。」というところで練習を重ねている部分・・というスタンスのプロや子供たち、アマチュアの人々の演奏で沢山の感動を得てきたし、勿論それは音楽を真剣に勉強したいという純粋なものからスタートしているのですが、第三者を意識しないうた、の持つ素朴なものに触れてしまったら、少しなんだか肩の力の入れ方が間違っているのではないかとか思うようになって・・・・。でもそれらが間違っているわけはないですよね。だからどうしたらよいのかはわからないのですが・・・。

うまく言えない (こればっかですが)野に咲く花が美しい、ということばで代弁できるかもしれません。
教会の鐘の音は 誰がどういう気持ちで作ったのでしょうか?
あの美しさはいったいなんなのだろう。もっとシンプルなもの・・。

しかし、しかし、音大入試のため、オーディションのため、レッスンは毎日続いております。スパルタカス状態です。(笑)
そして 毎日コンクールの課題曲も発表になりました。
さて 無心に挑戦できますかどうか(笑) 無理だな。

バッハ ゴールドベルグ変奏曲25変奏

2009年04月23日 | 音楽教室
21変奏に続く、おもっ苦しい曲。「否応のないアリア」という表現がぴったり・・・。
下降していく音型が特徴というか、離れた音程に伸びたと思うと少しずつ降りてくる。
一拍目にある4分音符(ない小節もある。)をたっぷりめに軸にしていく感じ。
24変奏、25変奏と連続して練習している高校生なのでさすがに24の方が好きだと言っています。がなかなかこのねっとりした感じがよく出ていて、7小節目の3連符もOK.確実に生徒が上達している喜びをかみしめています。がんばって30変奏全曲制覇だね。

丁寧に降りると 次高く上がった音にいくとき 自然に愛しさが生まれる。そしてまた降りる。左手もちびちび降りている。
そして遠くへ伸び上がる、の繰り返し。
最後 32分音符の山型の音型が6回連続下降するところ・・・この曲のクライマックス。やはりじわじわ音量を増しながら静かにGの音へ終着する。

次は26変奏!
バッハは「神業」を持つけれど たくさんの感情を持っている人間そのもの。

フォーレ 小品op.84-5

2009年04月21日 | 音楽教室
私の持っているブタペスト版では「improvisation」、というタイトルで,「impromptu」とは違うようです。たしかにたった28小節の可愛らしい曲です。
これもピティナの小5,6年生の近現代の課題曲の中のひとつなので、知った曲。
・・・どうも傑作!逸品という部類には入らず フォーレの初期の瑞々しさもなく、渋くまとまりのない作品です。これを魅力的な演奏をする小学生がいれば、それはかなりのツワモノでしょう・・・。
9小節目までである程度聴かせなくては・・・。(少しアッチェレランドかけながら)そのあと20小節目までバスのオクターブを響かせながら緊張感を持って昂揚していく。
それからはフォーレお得意の魅惑的な余韻を楽しんで静かに終止。
・・というところでしょうか。

「初めてのフォーレ」がこの曲からだと子供に誤解を生むかもしれません。
もっと何も考えなくても 音にするだけで美しいフォーレ。がたくさんあるのですが、この長さゆえ、選曲されたのかな。シューマンのぶどう・・・みたいな難しさがあると私は思います。とりあえず、こんなぶつくさ言ってないで 私が「いい曲じゃん!」と思えるように弾けるようにならないと・・・(汗)



モーツアルト ソナタKV.570 1楽章

2009年04月20日 | 音楽教室
4小節目の2拍目までの問いかけから始まる。この間の一小節ごとに分けてあるスラーはやはり重要でしょう。これで優雅なリズムにのれます。
写真(いつも不鮮明でへんな切り取り方ですみません。)の4段目の2種類の和音も大切な小節。強すぎてはだめです。ずっと弦楽器が数人で演奏していたのに その和音のところでtuttiになったような。ふわりと広く響かせて・・・。Dの音のあとの4分休符の間に次のEsから始まる旋律への準備もしなくては。
バッハのフーガを読むように、それに比べればずいぶんとフレンドリーな音符を読んでいけば構成はそんなに難しくはないように思いますが なんといっても「モーツアルト」の典雅でちょっと切ない感じを持って弾きたいですね。

特に左手でテーマを弾きながら右手が「んタタタタタ タラリラリラ・・・」のところが好きです。
これもピティナの中学生の課題曲のひとつ。
課題曲にならないとなかなか選べない曲・・。

バッハ平均律1巻cis-mollフーガ

2009年04月19日 | 音楽教室
フーガの5声です。
陰鬱な第一主題、全音符、2分音符の重い動きから始まるのでおそるおそる?5声に挑む気分です。4分音符が目立つようになって静かなものがじわじわと活力を増してくる。第2部といっていい35小節目から8分音符が主役を取りそうになりますし、49小節目から覚え易く鼻歌のように口ずさみたくなる新しい主題が参加してくると、つい第一主題がただの「長く押さえている音!」という扱いになりがちです。
8分音符を中心に夢中で引いていると出だしの雰囲気がふっとんで テンポもすいすい速くなってしまいます。
ある程度譜読みができたらじゃないと無理ですが、「全音符2分音符」の第一主題の音形を常に頭に置くこと。がこの曲をひとつにまとめる鍵だと思います。
5声!というとどんなに複雑なのかと力みますが、いっぺんに5つの音を弾く事は他の曲ではしょっちゅうあるのがピアノの作品。縦に5つの音は朝飯前なわけですが、横に5人分が動いている、と思って弾くと(弾かなくてはいけません)座りなおす気分になります。5色の色鉛筆を持って、ゆっくり譜面を分けていきましょう。
ピアニストじゃなくて弦楽器奏者1,2,3,4,5に変身するということでしょう。
第一主題が1(バス)や5(ソプラノ)に出てきたときばかりじゃなく中声部で出てきたときが難しいけれど、ビオラ奏者になった気持ちで精一杯がんばってください。弾く方も大変ですが、生徒さんの演奏を聴いて「合っているかどうか」「ちゃんと弾けているのかどうか」を判断するのも大変な仕事です。私も楽譜にかじりついて耳をダンボにして聴いているのですが、演奏が仕上げの段階に至る頃にはダンボにしなくても自然に5人が聴こえてくるので不思議です。バッハは譜面にする前からこれが頭の中で鳴っていたのでしょうか?

色鉛筆で線を塗り分けると 地下鉄路線図みたいで美しいです。

ショパン エチュード作品10-2

2009年04月18日 | 音楽教室
ピティナの中学生の課題に「エチュードから自由選択、」というので時代の流れに驚いています。毎日コンクールと同じようなレヴェルになるのですね。(それ以外の選択支もありますが・・・。)
Yちゃんはショパンがいいというので、10と25の中から10-2を選びました。本人は10-4を希望していましたが、オクターブにまだ無理があるので・・・。
ご存知右手が和音付き半音階の美しい作品です。
しかし左手の動きが優雅に聴こえていないとどんなに右手が流暢でもショパンになりません。
譜読みで右手に気がとられてしまうので、是非左手だけで音楽を作る練習をしてみないといけませんね。なんと左手だけでも充分に美しいしのだから・・・。

その次は右手の和音抜きの練習。半音階のみを主に345の指で(和音がある時と同じ運指)弾く。

あとはハーフタッチの習得でしょうか・・・。
私も昔夢中で練習したので 懐かしさとまた練習したいと思う一品です。
このくらい美しい曲を練習していると何度も弾く事じたいは苦になりません。気が付くと20回ぐらい平気で繰り返しています。短いし名曲だからでしょうね。ゆっくりで指だけのスタッカート、フォルテで腕の力を緩めて弾く練習も忘れずに。



シューマン ぶどうの季節 楽しい季節

2009年04月17日 | 音楽教室
シューマン 子供のためのアルバムから 第2部「年上のこどもたちのために」の中の1曲です。ピティナ5,6年生の課題曲。ロマン派の他の課題曲にチャイコの「甘い夢」もありましたが、つかみ所のない難曲をあえて選びました。
提示部はふつうに?8小節なのですが、なかなかしっくりきません・・・。
ぶどうの収穫・・・ワインの出来にかかわる一大イベントなのでしょう。うきうきしたリズムと感謝の気持ちなのでしょうか?この曲を愛する子供たちのために書いたシューマンの気持ち、なんで?なんで?と問いながら弾いていたんじゃ、だめですね。
音のつながり、和音の構成を考えながら弾き込んで 無理やりでも納得して、この「冴えない」感じを払拭していけたらいいと思います。Mちゃんの感性だとどんな旋律にも何かが宿るので、それに大いに期待です。