piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

小鳥になったモーツアルト 湯山昭

2009年01月30日 | 音楽教室
『モーツアルトが小鳥に変身したら、どんな歌を歌うのでしょう。
そんな楽しい空想でこの曲を弾いてね。』
と湯山昭氏の言葉が譜面に印刷してあります。
モーツアルトのハ長調の有名な♪ドーミソシードレド♪にとても似ていてそれより優しい旋律の曲です。
モーツアルトの尖った感じが和らいでいます。可愛らしい曲なのでご存知ないみなさんには一度は聞いていただきたいなと思います。

写真の部分は展開部の3連符を8分音符二つの伴奏型にはめるところ。
・・・初めてこのリズムに出くわすとみんな「ゲッ!」という顔をします。
・リトミックの授業のように3連符を歩きながら手で8分音符をたたく、又は逆。
・それを左右の手でひざをたたいてやる。
・または10㎝の線を2本引いて5㎝のところで二つに区切る1本。
と3.3㎝と6.6㎝のところに点をおいて3等分してみて 頭で時間差を理解する。
小さければ、小さいほど、若ければ若いほど 早くできるようになります。

一度そのパターン(けっこうよく出てくるリズムですよね。)を体で覚えてしまうと食卓に料理が出てくるのを待っている間とか 右手で3、左手で2をたたいて ぱっと逆にしたりして遊びたくなって お行儀悪くなってたいへん!なほど嬉しかったものです。ピアノは打楽器?と思う。
今日のHちゃんも1週間でできるようになりました。

・・・でも仕上げはこれから、ほとんどすべてのフレーズに小姑みたいに文句をつけて(苦笑)「宿題は山済みだー。」と雨の中帰っていきました。
色鉛筆で記しはいっぱいつけたけど家に帰って忘れないうちに何を注意するための記しか自分の言葉で書いてきてね。自分で書くと実行できるもんね。

チャイコフスキー ワルツ

2009年01月29日 | 音楽教室
こどものためのアルバムから。
おしゃまな女の子にぴったりのかわいらしくも中間部には緊迫するへミオラになりリズムも和声もおしゃれ。
小学2年生でチャイコフスキーです。短いワルツですがまぎれもなくチャイコだなあとわかる哀しげで美しい曲です。
これからルバートもたたきこんじゃって(爆) 自在にひいてほしいなあ。
バレエも習っているので、Sちゃんは「踊ったことはあるけど、チャイコフスキーを弾くのは初めてだなあ。」と話すことまでおしゃまになったりして(笑)。

先週「もっと(全然してないから!)おうちで練習しないと弾けないよ。」と云って・・・ しょんぼり帰ったYちゃん。今日はちゃんと練習してきてくれて、本当に嬉しかった。

ドビュッシー 子供の領分から

2009年01月28日 | 音楽教室
「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」
私のクラスで人気で、とうとう3年生(小学校)が発表会で挑戦いたします。
ちっちゃくてペダルにやっと足がつく程度なので、来年まで待ったほうが良かったかもしれませんが、Mちゃんはコンクールも視野に入れているので、背伸びした(文字通り)曲を弾きこなしていかないと。というところ。
私自身が5年生ころどこで知ったか忘れましたがこの曲に夢中になってレッスンではモーツアルトのソナタをやらねばならず、先生に内緒でひとり、アッチェレランドかけて盛り上げて喜んでいた記憶があります。
「子供の領分」という言葉も覚え、「それは私の領分だから。」とか使っていた。
はいはい。かなりの生意気女子でしたからね。・・・。

ご存知だと思いますが、ドビュッシーがクレメンティの単調で難しい練習曲をやりきれない思いで練習している少々ふざけた風景を。最後は練習が終って開放される明るさを描いています。
途中 ちょっと16分音符ばかりだった動きが8分音符ばかりになる12小節があります。練習曲練習中に『ぼーっとして違うことを考える瞬間』でも指は勝手に動いている・・というピアノ練習者によくある状態を描いているようなところが、ドビュッシーらしさを出せるところだと思います。そこんとこ よろしく。です。
テンポがよく変るし、右手が旋律と伴奏を一手に引き受けているので、粒を揃える練習を積んで かっこよくキメテ下さい。
あと5キロくらい体重を増やしてもらいたいくらい。そういう子に限ってなかなか太れないんですよね。

ドビュッシーが3人かあ。

ショパン ワルツ5番

2009年01月27日 | 音楽教室
Mさんはもうこの曲をモノにできそうなところまできました。
テンポを彼女にとっての「安全」でスタートすれば余裕がある部分が半分以上。
次から次へと待ち受けている魅力的なパーツ。
それを移行直前に「次」の準備ができる演奏。「次はこうなってるんですよ。」「その次は再現しますよ。」と解説しながら弾けたら・・・。
勿論 しゃべって説明するのではなくて、部分をきちんと終らせて 次を予感させる余裕で それを語る。伝える。
そういう演奏をテンポを余裕のある速度で始めればできるようになりました。
そのまま 弾けるところはテンポを上げて まだゆっくりなら大丈夫なところを混ぜながら 苦手なところに余裕が生まれるように部分練習を重ねれば。と計算できます。
最後のバスがオクターブになるところがビシバシ決まれば できあがり。
完璧な部分をコントロールしながら繋げてまとめる、計画性をもって弾けば聴いている人に分る。分る=受け入れられる=いい演奏。

このペースで間に合う。と目論んでいます。
ちょっと安心。

シューベルトをやりたい曲に挙げてきた方がいらした。
来週からシューベルトの即興曲が加わります。嬉しい!

バッハ イタリア協奏曲1楽章

2009年01月26日 | 音楽教室
正確にいえば『イタリア人が好みそうな協奏曲』だそうですが、ほんとにイタリア的な快活さ。
ドイツ人オーストリア人にとっても憧れの地のようです。休暇にはイタリア!という人が多かった。
ウィーンから夜行列車でベネチアに朝着くと決まってピーカン、イタリアの空は100%青い。と断言したいくらい。イタリアといってもベネチアとフィレンチェしか知らないんですが;;(ナポリもローマも見てないから死ねません。)
そしてウィーンやドイツはいつも曇っていた。と思っている。
勿論100%快晴なんてありえないし、毎日曇り空なわけもない。
そういう印象の地。

この1楽章はまさに「イタリアは晴天、イタリア人はアレグロ(陽気)」という曲ですね。
2楽章は大好きで演奏にも好き嫌い、かなりのこだわりがありますが、1楽章は一定のテンポで強弱をつけて、主題に向けていつも再生するぞ!という意気込みが出せれば。と思います。・・・違うかな?もっと深いものをバッハは求めていますか?
今日のYちゃんのレッスンでは ノンレガートが曖昧になって 装飾音符のリズムがくずれてきたのが注意点でした。
弾きにくそうにしているところは運指で随分改善できるはず。
譜読みの段階ではどんな指でも弾けるけど、テンポアップしてきた時破綻をきたすから、最初から慎重に運指も選ばなくてはね・・・。
バッハの作品にしては珍しい能天気!に華麗に弾けばOK.な曲なんだから(笑)
中学の時の試験曲で点数が悪かったせいもある・・・愛情が湧かなくてすみません。でも発表会には向いています。5年生でこの曲を正確に弾きこなせたら立派です。唯一のバッハの作品。がんばりましょう。

タンポポがとんだ 平吉毅州

2009年01月25日 | 音楽教室
1979年に出版された「虹のリズム」の中の1曲。
・・・ゆえに私が子供の頃 こういった洒落た教材はありませんでした。

この曲どう?と私が弾いてみると必ず「この曲やってみたい。」と子供には人気です。
今回も年長さんのKちゃんが気に入って発表会に向けて練習を始めてますが まだピアノ歴1年、左右の手がまだすんなり別々に動かないような段階。無謀かもしれない。と思いつつ本人のやる気にかける。
お休みも4分休符以上の長いお休みしか数えることができなかったんだけど『ウン』より短い休み『ウ』があるんだということをやっと納得してもらったところ。・・・体で覚えてくれ。(拝)

「4拍目のウラ」があわてないように、「1ト2ト3ト4ト」とカウントするより、「12345678」とエイトビートと数えた方が良いですね。
ピアノを弾くというより「運動神経」の問題かもしれません。でもピアノを譜読みしながら練習するとき、最後に残りがちな「リズムの問題」それを最初に注意しなくてはいけないからギャクに子供には楽しいかな?

中学高校とリトミックという授業があり、拍子を歩きながら手でリズムをたたく、・・・『机がなくピアノと壁が一面鏡になっている教室』で体操着で輪になって歩く・・・おかしな宗教団体か?という授業を思い出します。
とりあえず、左右の手で左右の太ももをたたいてリズムを覚え その時体でエイトビートにのれたらOK.ラスト右手が7拍のばすところがうまく数えられますように!
就学前の小さな女の子がエイトビートにノリノリの演奏をする姿を夢に見る私であった・・・。


ドビュッシー 月の光

2009年01月23日 | 音楽教室
大きな強い音を出したくない、という いかにもそういいそうな優しい女の子6年生、もう譜読みは正確にできました。でも大きな音が小さな音をより引き立ててくれるんだよね。
この曲は 譜面を見る前から知っていたようで、やはり冒頭を「イメージっぽく」『テキトウに』弾いてきたのを8分の9拍子だから、と断固123 456 789、と数えながらリズムを体に覚えさせた。8分音符の2連符があるので。
3週間くらいそのまま 数えながら弾いてねと云っておいた。
「では ご期待通り 揺らしましょう。もう3拍子と感じて弾いてみてね。」
というと
「やったー!」と喜んでいました。でも基本のリズムが染み込んでいるから、少し先へ、とかここは落ち着いて、というのがなんとも心地良く自然に進む。
『動』と『静』の対照を。

元々汚い音に敏感なので、沈めて、とか響かせて!という注意にもすぐ反応できます。
仕上げていくのが楽しみです。

この曲はFとASの2音の和音がオクターブ上を重ねていくように始まりますが、この最初の二つの和音がこれしかない!というくらいぱっとその場に静寂をもたらす。
例えば半音上げて fisとAでもだめ。GとBでもいまいち。
この冒頭が聞こえてくるとどんな状況でも空気が澄んでくるのです。そうじゃなかったらそうなるような音が出るまで何度も弾き続けましょう。タッチとバランス。

調律が狂っていてもだめかな。ASをちょっと高めに(笑)

フランス人形 湯山昭

2009年01月22日 | 音楽教室
サティのジムノぺティを弾きたいと年長さんのころからいっていたTちゃん。
毎年発表会の選曲には難航します。
Tちゃん、Tちゃんママ、私の3者納得のきれいな曲です。
この曲に決めて 彼女からの初めての質問は・・・
「せんせい、この曲は何を表現する曲ですか?」
「・・・・」
こういう質問は大変私好みでヨシヨシと嬉しいのですが即答できなかった。(汗)

私や私より上の年代だと、「青い目、異人さん、舶来、憧れ、・・冷たい、」という連想ですが、小2のこの時代のお嬢さんに通じるかなあ、という思い。

「私がいただいて今も大切に飾ってあるフランス人形はレースの白いワンピースの下に白いペティコートを覗かせ、白い帽子、白い靴下、白い革靴を履いていて、目は大きく青く髪の毛は茶色の巻き毛。重くて硬い人形だよ。」と説明しました。
それだけ話して 納得した様子。
そこから何を思うかは譜面を弾きながら感じてもらいたいし、何を表現すべきか考える子には それを感じとることができると思います。




ドビュッシー ピアノのために

2009年01月21日 | 音楽教室
組曲「ピアノのために」は前奏曲・サラバンド・トッカータの3曲からなる。1曲目の前奏曲をTくんの発表会に選びました。
ロマン派の「気持ちをうたうこと」にはまだ興味がもてない中学生男子には印象派やテクニックを全面に出す曲が合っているように思います。
ドビュッシーから言葉は聴き取れない。と、あの齋藤秀雄先生もおっしゃっております。
喜怒哀楽ではなく 空気感、匂い、闇、光・・・。
不思議なほどフランスものを弾いていて心の奥が熱くなることは私はありません。
だから多彩な音色とテクニックが命。

この曲は 中間部山場でフォルテの和音を鳴らし その合間にグリッサンドが出てきてド派手。わあ かっこいい!ッて感じ。発表会では映えるでしょう。
彼も嬉しそうに弾いているように見えます。
でも指には悪いですよね。レッスンではあんまりその部分は弾かないようにしています。
難しいのはこの冒頭部分。・・・なんだけど弾き始めたらあの山場までノンストップで弾いているんだろうな。
冒頭4小節の旋律の連打をリズミカルに弾かねばならぬ。
この連打をものにしないと この曲の輪郭は表現できないと思います。
だから練習しましょう・・・。ギレリスのCDを再現したいね。


オバマ氏が大統領に就任した日。












Summer  久石譲

2009年01月20日 | 音楽教室
お寒うございます・・・。
無口なRくんは坂本龍一さんや久石さんの曲だとがんばって練習してきます。
かっこいいらしい。
この曲もフォーレの後で聴いても 私もきれいだなあと思います。
鮮やかな音を出すように意識して強弱もきちんとつけると更にかっこいいっす。
リズムが複雑で簡単ではありません。
タイがいっぱい。

何年もRくんは休まずにレッスンに通ってくるけれどこちらから話かけないと口を開かない。でも不機嫌だとは感じない。
私としては彼を笑わせたくて仕方ないので、たまにくすっと笑顔がこぼれるとかなりの快感です。
今日はまじめな話でレッスンは終ってしまいました。残念。

今日は『大寒』爽やかな夏の曲で少しあったまりました。