piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

ハイドンクラヴィーアソナタ43番

2009年01月17日 | 音楽教室
次はどれでもいいからハイドンのソナタやろうといってIさんが選んできたのが43番のソナタ。知らない曲なので、ヘンレ版の譜面から何かを探るしかない。
符点のリズムで、何やらスキップをしたくなるような気分のハイドンがにこにこしながら作ったのでしょう。
・・・この符点のリズムがわれわれ(?)にはクセモノで、ウィーンフィルが格別素晴らしいのもウィーンの学校で「ウィーン人の学生」が何か他の国の人・・・
符点8分音符より16分音符の扱いに注意をはらうため、私が習ったのは16分音符と次の音符の間をあけるアーティキレーション。
ミードラ、とスラーをかけずに、「ミード」、と「ラーラ」、というペアにスラーをかけるパターンです。そうすると符点のリズムがころばない。『16分音符を丁寧に弾くために』ドとラをつなげない。
そのパターンで弾くと短い音符にも気を配って聞こえる。テンポも落ち着いて安定感が生まれます。しかしそれもひとつのやり方だと思いますが、あんまりそう小刻みに弾いている演奏は耳にしませんね。でも16分音符の音量を落とせばスウィング感も出せます。

さてその生徒さんがファジル・サイ氏のCDを貸してくれました。
いやー素晴らしかったです。
そのファジルさんはミードラ、とスラーをかけてラはスタッカート、次のミーミの符点も符点8分音符にもスタッカート。ミッミレード、というふうに。IさんはそのCDに感銘を受けてこの43番のソナタを選びヘンレ版の楽譜でファジル氏のアーティキレーションを「なんとなくまねして」譜読みをしてきていたのであった。
同じCDを聴いて 3回目の今日のレッスンの段階での感想は「ファジル奏法を取り入れるならそれはそれで徹底させなくてはいけないんだね、」ということです。アーティキレーション以外の息づかいのようなものまで・・・。中途半端ではだめ。
しかしアーティキレーションをまねなくても 彼の演奏の美点を随所に感じてまねることはできるのではないかと思います。・・・なので、アーティキレーションは私が習った古いタイプのスタッカートは多用せず、リズムに乗って表情をおおげさ!くらいにつける。
1楽章中ずっと気分の良い状態なのに猫の目のように変化させる。

37番 43番 35番 31番10番のソナタが収録されています。avexから発売中です。
彼のライナーノートから
『ハイドンの音楽が聴く者の心に触れるのはそこに深い人間愛があるからだ。
作品の中で人間とその物語を伝えようとしている。私たちは想像力によってこの物語を発見し隠されたユーモアや皮肉などを引き出さなければならない。
こうして音楽は言葉に頼らない秘密の物語となり常に何かを訴えかけてくるのだ。』

全く同感。うまいこといってくれてます(笑)
ハイドン入門がまだの方、是非聴いてみてくださいませ。
素晴らしいCDを教えてもらって生徒さんに感謝している たよりない先生でした。の巻。


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