piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

ベートーヴェン クラヴィーアソナタ8番2楽章

2009年01月09日 | 音楽教室
発表会の曲に専念するためTさんはちょっとこの悲愴ソナタの2楽章はしばらくお休みすることにしました。
この曲は難しいですね。
ヴァイオリンで旋律をチェロでバスをビオラで16分音符を演奏するように弾きたい。
ペダルを使用しますが ペダル任せにしないで指だけで(5と4と3の指)レガート(フィンガーレガート)が出来ていないとフランス音楽みたいになります。そして2と1でその旋律の半分くらいの小さな音量で16分音符を刻む。右手を半分に分けるんですね。親指側と小指側に。
16分音符は4分音符の中に含まれる音だから軽く「確認する」感じで充分なんですよね。
3小節目もクレッシェンドしたくなりますが思うままに大きくしてしまっているとこの先がもたない。厚ぼったいハンバーグのような大きな手で重力だけで進めていきたいなあ。
節度ある暖かいうたごころ。そんな絶妙のバランスに理想を追求しているとテンポが遅くなってしまうし・・・。どんどん主題は生まれ変わっていくし。たくさんのものが詰まりすぎ。(・・・だから名曲なんでしょうが。)
そんなに大きくない箱のなかで、その箱から決してはみ出ないようにベートーヴェンのメッセージを、このあったかいあったか~いメッセージを伝える。
箱が小さくて窮屈だ!と感じさせないようにすべての音をコントロールして届けたい。
かくいう私もなかなか思うようにいかないけれど・・・、だからといって「楽に」弾いてはいけない曲なのです。写真はヘンレ版

Hちゃんの発表会の曲を決められなかった。3曲弾いてみてどれもOKしてくれなかったのだ。3歳11ヶ月。来週決断を下すぞ。

冷たい雨の中 みんなおつかれさまでした。

ため息

2009年01月08日 | 音楽教室
冬休み明け、見切れないほどたくさん練習してきた生徒さんも!いて今日もお昼からずっとしゃべり続けておりました。勿論ピアノを聴いて、それからいっしょに練習するわけですが、ピアノを聴いたというより、しゃべり続けたという感想です。
みんなわかってくれたかなあ・・・。

今日最後のレッスン曲はリストのため息。
6年生のYちゃん。毎日コンクールの東京大会入選、本選曲ハイドンのソナタ34番に苦しんだあと発表会のために選んだ曲はリストの「演奏会用練習曲3番」のちに『ため息』と名付けられた曲です。
細かい速い音符大好きの彼女には向いていると思ったのですが、譜読みが終った時点でどうきいても「はな息」
馬の鼻息。
「リスト!ため息!?」と喜んで譜読みしたわりにやはり「練習曲」感覚。
なげき悲しむところも「革命宣言」みたいで、もうため息が出ましたが、今週はだいぶ旋律が繋がってきて浮き上がってきて、鼻息も革命もなくなりました。
ただ伴奏部分のアルペジオを軽快に柔らかく弾くことばかり考えているとリズムがおかしくなり、へんなくせがついてしまって、あぶないあぶない。音の長さは同じでなければいけません。
小さく粒を揃えたい場合、しかも左右の手が交差して忙しく動きますから手の平が浮き足立ってしまいがちです。手の平はなるべく鍵盤を触るように打鍵ポイントは指の腹の部分を使って鍵盤を撫でるようにし、音を揃えたいです。
そのための練習方法はこのブログでは秘密にしておきましょうか。(笑)

曲の頭にaffettuoso=愛情を込めて
armonioso=よく調和して
legatissimo=よく繋げて
poco agitato=少しせきこんで ゴホンゴホン(うそ)

と言葉が添えてあるので それを守ろうとしなくちゃね。

ショパン 即興曲2番

2009年01月07日 | 音楽教室
今日のレッスン曲ピックアップは即興曲2番です。
このブログをみて12月から私のところに来ることになった5年生のMちゃん。
前の先生はおっかなくて(笑)私とならおしゃべりできそうだという理由だとか。
ピアノが『表現すること』とわかっているお嬢さん。
さっそく3月の発表会にも出ますが、10月に体験レッスンに来て弾いてくれたショパンのワルツ1番を聴いて彼女にはこの曲を弾いてもらいたい。と閃きました。
案の定この曲3回目のレッスンですがまだ最後まで譜読みはしていませんが1回ごとのレッスンでどんどん曲想が出来上がっていきます。
譜読みの段階でイメージも固めていけるタイプ。
一番難しい出だしの部分がすでに出来上がってまいりました。
まだ手が小さいので2拍目のCisとDisが届かないので右手でDisを取りますから余計に左の上声をレガートに歌うことが難しいのですが、まず右手で旋律だと思ってたっぷり歌って弾いたものをしっかり耳に覚えこませ、同じようにそれを左手で(右手でDisを補助しながら)弾く練習をいっしょにしたのが前回。今日はもうだいたい美しくでこぼこなく弾きこなしていた。
「fisAisGisー」の箇所が2度繰り返し、もう一度念を押すような!というところもうまくまとめてくれた。あまりおおげさに念を押すとしつこいのでその辺がセンスの分かれ目。この写真はパダレフスキー版。スラーは6小節ひとくくりにかかっていますが、私は4小節と2小節に分ける気持ちで右手の主旋律に引渡したいと考えます。
続く右手の旋律も2度目のDisCisも同じ。fisDisCisの後押しだと・・・。

いまいちメジャーでないこの曲は転調するたびに新しい世界へ誘ってくれて旅をしているように心ときめくとても美しい曲です。弾く人がそれぞれにその楽器の特徴(甘い音のFranzはPPを意識しすぎないほうが良いし、硬い音色のピアノなら緊張感を引きだせる!)を利用して(運転手になって)ゆるやかな道、波、嵐・・・へと進めていくのです。
北海道の冬でも、暖かな田園でも 目的地はどこでもいいからとにかく旅を楽しむように弾けたら 聴いている人もこの曲の素晴らしさの虜になるでしょう。

来週はFdurのところ以外譜読み完了していますが、そこはまだ譜読みせず、左手部分だけでこの曲の大筋をつかむ練習をレッスンでいっしょにやってみようと思います。


ハイドンクラヴィーァソナタ35番

2009年01月06日 | 音楽教室
今年最初のレッスンはハイドンの有名なソナタから。
このハ長調のソナタは「賀正」、「初春」、という言葉が似合いますね。
今日この曲をやりたいといった生徒さんも他の小学生でもハイドンが好き!という(モーツアルトに比べて!)生徒さんは結構います。私は小学生でハイドンの良さはわからなかったからちょっと感心してしまいます。
作品はどれも潔く、率直で、媚びることなく、エスプリに満ちていて・・・恋人未満、いい人なんだけどねえ(笑)みたいな存在です。
しかし、モノにするにはきちんとしたテクニックと『表現しよう』というバイタリティーがないとハイドンを知らない人にアピールする演奏にするのは難しいです・・・。

ひと昔、いえふた昔前?のピアノ学習者が当然のように全音出版のソナチネアルバムからソナタアルバムに進んでいくとハイドンのこのソナタ、モーツアルト、ベートーヴェンのソナタが5曲ずつチョイスされている曲集があります。
今の時代は「ハイドン」は何版がいいでしょうか?という小学生も多く、あのソナタアルバムを購入する数は減少していることでしょう。しかし全音の田村宏氏の校訂がかなりノーマルですね。やはり。
写真の楽譜はヘンレ版、ウィーンで「古典ソナタといったらハイドンでしょう。」という雰囲気の街で勉強した時、23年前に購入したもの。生徒さんが持っていたのは春秋社版でヘンレ版にかなり似ています。
せっかく高価なヘンレ版を持っていても・・この楽譜に忠実に弾くと現代のピアノでは素っ気無さすぎで、いつも頭の中のアーティキレーションは全音系で、生徒さんにもそう説明しています。
4小節目のレの音にスタッカ‐ティッシモの記号がついているけれど、この音を短く前のドと同じように弾くのは不自然ですもんね。
・・・・
さて今日のレッスンで一番注意したのはリズム。
4拍目に何かが起こるこの曲の魅力を引き出す「ノリ」が良くないと死んでしまう。
たとえゆっくり目のテンポでもメリハリのある強弱と軽い3連符があれば楽しくなります。
52曲もあるソナタでこれ以外の曲も生徒たちに紹介していきたいと思っていますが1曲1楽章ごとに丁寧に仕上げていこうとするとそれは夢のような話ですね。


明けましておめでとうございます

2009年01月01日 | 音楽教室
小曽根真さんのピアノ、ジルベスタ‐コンサートで幕を開けました。
素晴らしかった!
今年がみなさまにとってよい年となりますように・・・・。
受験のMちゃん、Yちゃん、うまくいきますように、
入院中のUさん 闘病中のTO。
元気になりますように。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年の弾き初めはなぜかマルティヌのソナチネ
どんな一年になるのでしょうか?