piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

ヤナーチェックのシンフォ二エッタ

2009年05月31日 | weblog
君はヤナーチェックのシンフォ二エッタ という曲を知っているか・・・

この曲を知らないばかりに 村上春樹さんの新作を読み始めてもなんだか落ち着かなかったのですが、2009年の東京にいるとHNVの24時間内発送!というのが機能して 今朝このCDが届きました。古い演奏の復刻版でした。演奏者を選ばなければ 便利な世の中に感謝。
かっこいい曲ですね。1曲目のファンファーレはあるスポーツ大会のために1926年に作られたと小説のなかで知る。
5つの楽章?からなるけれど 金管、木管、弦、打楽器どれも難しそうです・・・。
ファンファーレにしても他の4曲にも 私には「明るさのようなもの」は見当たらず、曇天。この曲でスポーツ大会の開会を告げるのか・・・。やはりチェコ国内の大会なのでしょうが、競技種目にビーチバレーとかなかったんだろうなあ・・。
3曲目からは何度も聴きたくなる類の曲でした。終曲は盛り上がっちゃいます。
待望の長編の冒頭にふさわしい選曲だと思います。さすがです。まだ上巻の数章しか読んでいませんが、「カフカ」で「大公」が売れたようにこのヤナーチェックも世界的に売れるのでしょうか?・・・
この曲のライヴ演奏25分の間渋滞のタクシー・・・・・

この曲を聴いたので、もう一回頭から読み直します。
ヤナーチェックを知らなかったなんて やんなっちゃう・・・なんちゃってー。

ウィーン便り

2009年05月30日 | weblog
ウィーンの友人からのウィーン便り、音楽情報が届きました。
・いまだグルベローヴァはウィーンの人々にとっては『別格』扱いで、「ルチア」を聴いたそうです。そのルチアの感動で、私に早速メールをくれたようです。
(・・・わかりますね。「誰かに伝えたい感動。」いいなあ・・・。
私も20年前のシュルツとグルベローヴァの共演のシーンは「映像」としても「聴衆の熱気」そして「音」も’十円ハゲのように’焼きついています。このメールでスイッチがはいりました(笑)今もこれだけの人を感動させるんですね・・・すごい!)

・小沢征爾のエフゲニー・オネーギンは演出がいまいちだったとか。
・トスカはホセ・クーラがまだうたっている。
・フォルクスでドイツ語のボエームを聴いた!(・・・おもしろそう。)
・ソプラノのネトレプコが大人気で、チケットを予約するのがたいへん!(・・・・やはり「美貌」に弱いのか・・・。)
・来月の定期は小沢さんなので、チケットが割高・・・!
(人気なんですね・・・。)

しかし今日も東京は雨だ。遠くからレッスンに来る子供に私は感動をもらいます。


バッハ イタリア協奏曲2楽章

2009年05月29日 | 音楽教室
幻想状態の中 今朝はバッハのイタリアの2楽章。
アンダンテ。
中学生のころ 1楽章を弾き終えて 譜面をめくってこのページを初めて見ていったいなんなのかと思った口です。(レコード・・たしかケンプ!で聞く前)それからうん十年バッハの奥深さを改めて感じる嘆きのうた。しかもうちのFranzにぴったんこ。生徒さんも酔いしれながら弾けるのではないかと思います。
左手のコントロールができるようになったら朗々とうたっていいのだと思います。繊細に・・・。
出だしのトリルのスピードは今日みたいな雨だと柔らかくいれたくなります・・・。
長いフレーズを重ねていってエネルギーを貯めていく。
先日私のところに季節はずれのサンタクロースがケフェレックの『瞑想』を届けてくれまして、その中にも録音されていて、ひたすらに美しく強く、もりもりとエネルギーを振りまいてくれました。

昨日のレッスンでも(違う曲目)左手がきちんと落ち着いてくると右手が自然に自由に聞こえてくるのを実感しました。この曲も左手はコントロール(抜けたりぼんと大きくなったりせず)と大きな音のうねりを(3度のレガート部分で)操っていなければならず、ケフェレックのように左右のタッチを変えてタイミングがずれて響いてくる・・?ような深さのコントロールを無意識にできたら どう旋律をあそばせてもいいように思います。さてレッスンの前に少し弾いてみましょ。

シューマン 幻想曲作品17 (その2) 第1楽章

2009年05月28日 | 音楽教室
古典派音楽の死を記念する作品、ベートーベンのための献げもの というシューマンのメッセージが込められています。
「廃墟」と名付けていましたが後に「夕映え」という詩の一節を冒頭に記しています。
『色とりどりの大地の夢の中で あらゆる音を貫いて響いてくる かすかなひとつの音が
ひそやかに耳を傾ける人に』

そして徹底して幻想的、情熱的に演奏すること。

ソナタ形式らしいのですが、古典派は死んだと云っているだけあっていわゆるソナタ形式だと感じることはできません。
写真の 曲半ばのC-mollの旋律の冒頭にもシューマンは『Im Legenden Ton』と付記
伝説の音で とは?この部分を展開部の導入と解釈するとなんとかさん(名前忘れました)は分析しているらしいです。「伝説の音」

この曲は「幻想する」ということはこういうこと?滅裂としているような あれもこれもと欲張りで贅沢な印象です。でもCDを聴くとあとで残る、もやもやどうなっているの?という気分を自分の手で追ってみると少し落ち着きます。わかったわけではありませんが・・・。シューマンが書いているように「徹底して幻想してみよう。!」と思います。
私の幻想は妄想になるので注意しなくては・・・。
Ⅰ楽章最後にベートーヴェンの「遥かなる恋人に」作品98の6曲目「受けたまえこの歌を」の旋律が引用されている。
こうしてベートーヴェンとクラーラに献げる音楽は完成された。
クラーラは尊敬を ベートーヴェンは「よし、わかった。」というほかないでしょう。



シューマン 幻想曲作品17

2009年05月26日 | 音楽教室
人は見かけに寄らないと申しますが その人から出てくる音楽はやっぱりその人なのだと思います。

生徒さんが次に何を練習しようか、といっしょに考えて、小品が続いたので本格的な作品をやってみたいという意気込みを感じ、ご本人は知らなかったこの曲を薦めてみました。譜面だけお貸ししたのですが、今週は録音もお貸ししようと思ってこのCDを出しました。
ぺルルミュテール・・・ぺルルミューテルではありません(笑)1950年代の録音で復刻版という大変貴重なCDをこのライナーノートをお書きになった方にプレゼントしていただきました。
ラヴェルの弟子で、フランスものの時にしか名前が浮かばないピアニストですけれど、『フランス人のシューマン』は私の中でひとつのジャンルになっていて、若いときはその良さがわからなかったのですが 今は素敵だなあと思います。まず音が柔らかくて優しい。譜面を素直に淡々と読んでいる・・・。なかなか素直に読めなくなるということでしょうか・・・(汗)。
初めて聴いた時は ほろほろと美しさに涙しました。今も耳からうろこ(爆)のように はっとする瞬間を改めて感じながら聴いています。
同時収録のクライスレリアーナも絶品です。

何故この大曲を・・・?この幻想曲はきちんと向き合う覚悟がないと到底弾けるものではないのですが、いろいろな期待を持って私もいっしょにもう一度譜面を読みたかったからかもしれません。要するに私の趣味です。がんばりましょう。きっと新しいものをザックザック発見できる予感がします。

ベートーヴェン ソナタ1番1楽章

2009年05月22日 | 音楽教室
ベートーヴェンの作品2-1.作品2!です。
彼にとっても最初のピアノソナタなのですから記念すべき作品でしょう。
ボンの星であったベートーヴェンがウィーンのハイドンの許で勉強を始める。
ボンの友人たちは彼のために何度も送別会を開いて激励していた。
「たゆまぬ努力を持ってモーツアルトの精神をハイドンの手から受け取りたまえ」byワルトシュタイン伯。

どうもベートーヴェン側の資料から読み取るとハイドンさんは超多忙でベートーヴェンのために時間を取ってくれなかったようで、ハイドンがロンドンに行くと「らっきー!」と対位法の大家にみっちりフーガをしこんでもらっています。
そんな若き25歳の時の作品はハイドンの香りのする主題を見事にハイドンの上をいく和声展開をもって(笑)堂々としたベートーヴェンらしい毅然とした作品であります。

とにかく出だしの5つの4分音符が難しい。同じ方向 ASの音に向かっているのですが白鍵と黒鍵が混じっているので、あっちむいたりこっちむいたりしがち。
次の3連符だってやっかいです。
 よく課題に「ベートーヴェンのソナタ」とあるとやはり初期から、と思うのが人情ですが、初期も中期も後期も同じように技術的な基盤が必要だし、音が少ないから(サリエリか!?)ふんどしを締めなおして(明治生まれか!?)正座して(どこに正座すんねん!)取り組みましょう。(きっぱり)

~間奏曲 

2009年05月20日 | 音楽教室
レッスンの合間 ブラームスの3つの間奏曲を弾いた。
ブラームスの晩年期 作品117

・・・20代の頃から 大好きで よく弾いていたけれどああ美しいけれどこんなんじゃないなあ・・。と思いながら。

この頃 子供たちのコンクール、が重くのしかかっているのですが、大人の方たちのレッスンがとても興味深い毎日です。
昔 きちんと習っていたから私のちょっとした一言でどんどん上手になってしかも楽しそうに弾いていらっしゃる。もちろん練習する時間を作るご苦労はあるでしょうが、みなさんがレパートリーを増やし、楽譜を読んでいる。
横で聴いていて 感動しています。
私も エチュードを弾く時間しかとれないのですが、今日はブラームスのこの曲を久々に取り出した。
不惑の40代 どっぷり浸かって私でも弾いていいだろう。とうなずきながら弾いてみた。
1曲目の子守歌も以前よりずっと弾きやすくなっている(喜)。内声と和声のバランスに満足できて、2曲目。ゆっくりめで弾いて音も探しながらで、這うように鍵盤を沈める。
32分音符から16分音符の動きに変ったところを味わい尽くして・・・しゃぶりつくして
3曲目。ああやっぱり暗かった・・・せっかくじわじわと真綿のような非日常の世界を散歩していたのに、現実は重くつらい。でも進むうちに救いが見える。どうやって助けてくれるんだっけ?と思いながら最後の和音を。

全曲を3回弾いて なんとか通った。
 
・・・じっと手をみる。なんといっても不惑だから(笑)手ごたえを感じました。

誰かの演奏を聴く方法ではなく へたくそながらも自分の指でブラームスと交信した気になったら重い頭が少し減量。
ちょっと大きく息をしたら こどもがやってきた!

生徒さんたちも40代になったら是非弾いてみてください。

ベートーヴェン ソナタop49-1

2009年05月17日 | 音楽教室
レッスン曲に加わったベートーヴェンの19番目のソナタ 2つの楽章しかないこれも32曲中では日陰の作品(他に1番のソナタと32の変奏曲も。追ってアップします)
学生時代ベートーヴェンのソナタに平均律よりバイブル的な感覚を持っていた私にとってはますます身が引き締まります。
ソナタ20番作品49-2とセットであり、やさしいソナタといわれていますが
ルードヴィっヒさん、いったい何を悩んでいたの?と声をかけたいくらいの冒頭。心の襞がふるえているようです。
弦楽四重奏の重さを感じて、旋律の動き、左手の3度の和音の繋げ方、右手とのバランス・・等考え出したら4小節で止まるほど 難しい。ためいきが出る。→そんな気分で弾きたい!なるほどそういうこと・・・?

弟子のために書かれたという情報以外もっていませんが 彼の優しさを垣間見る美しい旋律をめいっぱい表現して弾いていきたいです。
ウィーンの華のような18番ととてもひとことで形容できない黄金のソナタ21番「ワルトシュタイン」にはさまれた 普段着のベートーヴェンを想像しながら・・・。






こどもにしか描けない絵

2009年05月15日 | 音楽教室
『こどもにはこどもにしか描けない絵』があるように『こどもにしか弾けないピアノ』がある。という言葉を目にしました。
小学高学年にもなれば音大生顔負けの演奏を頻繁に耳にする今の日本の音楽教育。
1年生、2年生のちいさなこどもの頃から フレーズの終わりの音の出し方・・・小奇麗に弾くコツ等 先生もオーソドックスな線をふまえながら 自分の趣味をおしつけないように注意しながら(^^;教えていく事・・・。
毎週のレッスンでこどもが覚えきれない注意をお母様がメモして家でフォローしていく・・・みたいな

なんか これでいいの?とお風呂のなかでぼーっと思った。
(勿論全員にそんなぴりぴりしたレッスンをしているわけではありません。
コンクールに出てみたい!というこどもたちとそのママたちの希望がある場合だけです。)

個性とかこどもらしさ。を整えすぎていないか。
しかし 同じ曲を同じようにアドヴァイスしても聴こえてくる曲は本人だけの音。
そこに学問ではない面白さを実感して ぐらついた気持ちを落ち着かせることができました。
基本を間違えないように気をつけて またレッスンを重ねます。

こどものハノン

2009年05月13日 | 音楽教室
年長さんか小学1年生くらいになると『こどものハノン』を導入していますが、だいたい『練習したくない本。』という扱い・・・。
ブルグミュラーが1週間で譜読みができるくらいなのに ハノンは
「やるのわすれたー。」
・・・忘れたんじゃなくてやらなかった、と云わんかい。

レッスンは連休明けもいつものように始まる・・・。
「じゃ ハノンからね。う~んと16番かな?」
と番号の下の下線が私の「宿題」の記し。
神妙な面持ちで弾きはじめるsちゃん。
16番をすらすら弾いて 休みなく3種類のリズム変奏まですいすい弾ききる!
予想外のパフォーマンス?に 毎回帰り際に「ハノンもやるんだよ!」と呼びかけていたのがやっと通じた!あのSちゃんもとうとうハノンを練習してきた!!と涙ぐみたくなる勢いで私は感激。
「すごいー!きちんと指使いも粒もそろって上手に弾けたね!ちゃんとやってきたんだね!」と椅子から立ち上がって褒めました。本人もなんかうまく弾けたなあという 照れた笑顔。よしよし^^)
ひとしきり褒めたあと
「じゃあ16番終わりで 17番ね!」と『レ』印のチェックをつけようと鉛筆を近づけた。

・・・!なんと うす~く『レ』印の痕が譜面に・・・。
前回私がつけた印が薄くて私の視力で見えなかったのだ(爆)

「あれ~これ終っているやつじゃん。」
次のページをめくるとしっかり17番に下線が・・・・。

大笑いの巻でした。
きっと本人もなんで弾けるんだろう?と思ったでしょうね。
やってこなくても必ずレッスンで弾かせるので 前回弾いたのを指が覚えていたんでしょうね。彼女くらいなら2度目でそこそこ弾けるようになっているんですよね。初見だともたついてしまう程度。
はあー。ほんとに目が悪くなってしまったようだ。筆跡くっきりいたしませんと。
来週は17番。
・・・ちなみにブルグミュラーはきちんと暗譜で弾けていました。