piano class emi.i.

いいピアノを弾きたい

週明けはバッハ

2011年05月31日 | 音楽教室
月曜は ラヴェルのソナチネからスタート、と思っていたらバッハ 組曲1番 B-dur 全曲からレッスンでした。
全曲通して弾いてはじめて見えてくるもの 統一感から出てくる 1曲1曲のもつ個性 全体の起承転結。
次の曲を考えながら 弾く。客観視というこれまた難しい課題と直面するわけですね。

またかなりの出遅れではありますが やっぱり今年もピティナに挑戦したいという小学生も出てきて嬉しく思います。
計4名がバロック、クラシック、ロマン、近現代、という4期の課題曲を練習することに。
オーディションやコンクールは井の中の蛙にならない…という意味もあるし 大賛成です。

嬉しいニュースはまだまだ。先週から中学受験でお休みしていた生徒さんがすっかり中学生のかわいい制服姿でレッスンを開始しています。
たった半年でこんなに「お姉さん」になるのかあ。ため息がでました。
手を痛めてお休みしていた社会人の方も 全快ではないけど弾ける曲(手に負担のいかからない曲)からレッスンを再開。

みんなが生き生きとピアノに取り組んでいる、 私ももっともっと弾こう!と思うのでした。








締めは軍隊ポロネーズ

2011年05月29日 | 音楽教室
日曜最後のレッスン曲がショパンの軍隊ポロネーズ。
8人目のレッスンでへなへなだったのですが 今日で(レッスン3回目で)立派なポロネーズになって(私が弾いた通りに練習してきてくれて)これから出かけてもいいくらい 元気になりました。(出かけませんが)
彼女の選曲は1、幻想即興曲 2、軍隊ポロネーズ 3、革命のエチュード 4、愛の夢 と続くようです。
名曲アルバムですね。(笑)

小さな子供たちのレッスンをみていると練習がしんどそうにみえて それでも「もっと練習して」、というのもなんだかなあ…、とこの私でも弱気になることもあります。
でも彼女のような大学生やその他の大人の生徒さんたちのように好きな曲を授業や仕事、家事の合間に練習してくるのを目の当たりにすると やっぱりやっててよかったよね、練習。と強く思います。だってどうみても楽しそう。彼女たちだって練習がいやになった日もあっただろうし、いつでも止められたはずなのに止めなかったからここまで弾けるんだよね。

たとえばショパンの美しい旋律が連れて行ってくれる夢のような世界、軍隊ポロネーズのようなスケールの躍動感、シューベルト、ラヴェル、モーツアルト、ベートーヴェン、…読書や映画鑑賞で垣間みるのと同じように 非日常の中に自分のペースでワープできる、日頃忘れていた感情、押さえていた想いを曲が引き出してくれてそこで表現できる。という楽しみは練習の辛さを忘れさせるほど面白い。

名曲アルバムの彼女 発表会では「展覧会の絵」のプロムナードを弾いてみたいらしい。えーそうきたか!とこれまた楽しい話だと思いました。う~んがんばれば弾けるかな?
他の生徒さんも なんとなく来年3月は何を弾こうか、と考え始めていると まだまだ新しい名曲(毎年の発表会のラインナップになかった)がたくさんあるなあと嬉しくなります。
ちっちゃな子たちも早くみんな大きくな~れ!

明日月曜日はラヴェルのソナチネからスタートかな? 












シューベルト 即興曲142ー3

2011年05月24日 | 音楽教室
この子守唄のような優しい旋律の主題と5つの変奏曲、シューベルトの傑作のひとつでしょうね。
この曲を練習している生徒さんは8月に出産予定です。
レッスンをしていて 大きなおなかにもうひとり女の子が育っていると思うと、緊張します。
この子が全身を耳にして シューベルトを聴いているはずだから おかしな音を聞かせちゃいけない。
 
おなかの中にいる時 お母さんがずっとショパンのノクターンを聴いていたという友人は(男性)それが今も分身のように思っているようだし、(そのノクターンの演奏者が誰だか大きな問題だと思いますが(笑)、)そして彼は素晴らしい音楽家になりましたが、
音楽として流れるのと、ママが弾いていた、というのはまた違うかもしれません。より影響が大きい?
シューベルトは技術的に簡単そうに聞こえるらしいけれど 難しい箇所があちこちにあるし、まずその世界を再現するには相当なキャリアを必要とします。
難解には聞こえないのに! 譜読みは慎重にしないと たまにどこかの和音を違う音で弾いてくる生徒さんも多いです。間違った音で練習したらいかーん!とミスタッチなのか譜を読み違えているのか、私も必死です。(笑)
前回のレッスンでは第3変奏のb-mollはただ暗いだけなので、赤ちゃんがおびえるのではないか(笑)と一瞬心配したけれど、左手の和音の変化をよ~く聴いて味わって弾いてから右手の旋律をのせてくださいといったら 今週は 「ああよかったこの曲は哀しいけれどそれだけでなくこんなにも美しいのだ!」と感じるくらい曲が整ってきて、ほっと一安心したのでした。この曲はぜひとも赤ちゃんに悲しみの中にある美しいものまで聴いてもらいたいとシューベルトに成り代わって(爆)願いました。
第4変奏曲は 鱒 のようなリズムをへたに 中途半端に弾かれると リズム感の悪い子になっては困る(余計なお世話ですよね^^;)と判断し パスして第5変奏曲を練習してもらうことにしました。賢明な判断だと思います。

ママの練習するシューベルトを聴きながらこの世に生まれてくるなんて…!
…儚いまでの美しさを堪能していただきたい。


みみをすます ということ

2011年05月20日 | 音楽教室
作曲家、ピアニストの町田育弥さんのピアノとソルフェージュの本が今春 音楽之友社から出版されました。
以前(4、5年前)演奏会で再会したときに「構想を考えている」と話してくれて、確かブログにも書いた記憶がありますが それが長い歳月を経てとうとう1、2巻まで出版されました。
素晴らしい仕事をされました。(…仕事、ということばはあてはまらないかも。)
小さな子供にピアノを教える身として改めて考えさせられ、反省もし、アイデアもいただいています。


ご近所に住んでいるので、いち早く第1巻の原稿をいただいた時から チェロ奏者の雨田光弘さんの猫の絵がふんだんに使われているこの教材は 「ふつうの」導入書とは全く違うアプローチで丁寧に優しさ溢れ 私には「詩集」のように思えます。

巻頭ページの
はじめに
のあとの
みみをすますということ から引用いたします。

「…子どもたちに何かを教えようとするとき、私たち大人が常に意識したいのは、子どもの能力や意欲が、第3者によって安易に与えられる類いのものではないということです。子どものさまざまなスキルや表現力は、自身に深くみみをすます経験と、好奇心や期待感を原動力とする試行錯誤の積み重ねによって、自力で獲得するしかないものです。教えればわかる、習えばできる、という程度のことは取るに足らないものなのです。」

考える時間、感じる時間が大事だということは 大人になったとき大切さを実感します。
時間がないから、間違っているものを直す方が大変だから、という理由で中途半端に答えを教えてしまいがちです…。
長い将来を想像するとうまくその子にあった方法を 私たち大人も考えなくてはいけないのです。 

ゆっくり考え自分で答えを導きだすゆとりが 教える側の大人になければ その芽を摘み取っているのかもしれない。
芽を摘み取っちゃいけないです。

どうぞ 楽譜屋さんで手に取って町田くんの理想の時間の流れを共有してみてください。


長いお休み

2011年05月14日 | 音楽教室
3月11日の震災後、2ヶ月ぶりのレッスンになった10数名の生徒さんたちの中で、たくさんの曲を仕上げていた小学生がふたりもいました。
そのふたりは 何を練習しようかきっと迷っているだろうから電話をかけようかな、と思ったけどだったら全員にかけなくちゃいけないし、お休みのところにかけるのもなんだなあ…と思っているうちにお休みが終わりました。(ちょっと汗)

普段ハノン、テクニック等の練習曲集3冊 ブルグミュラーなどの「曲」の合わせて4冊、というスタイルで進んでいますが、曲が4~6曲も仕上がっていました。
この「仕上がって」というのがここで大きな問題で(笑)ただ譜読みをしていたのではなく、テンポも曲想も考えて彼女なりに楽しんで練習した結果だということがわかったのです。
譜読みの仕方も良かったし、音楽的にも「OK」でした。
非常に嬉しく思います。
一回のレッスン時間内に全部聴くのがもったいないくらいでしたが、ここでもう一回細かい注意で足踏みさせず、また新しい曲に進んでいく方が 今はいいのだろうと思って、全部終わりにしました。

発表会が終わって、春休み、新学期と何かと慌ただしく じっくりピアノに向き合う時間がなかっただろう生徒さんたちも今月から以前のように 毎日こつこつ積み重ねればよいのです。

やっぱり たくさんの曲を練習するうちに実力もつくし、練習も楽しくなるんでしょう…。



シューベルト 即興曲142ー1

2011年05月13日 | 音楽教室
先日のレッスンで ついロマン派の作品を弾いているような気分になるが ここで広げちゃいけない、これがシューベルトなんだなあと改めて感じた場所がありました。

8分音符の旋律で、クレッシェンドをかけてきた生徒さん。う~んなんか違和感が…。
自然な音楽的感覚だと思いますが、ここは抑制した方が シューベルトらしさが出ると思うんです。appasionatoとありますが…、やっぱりシューベルトって好きだ。と再認識いたした次第でございます。
(勝手にせいって きっと思っていらっしゃいますね(笑)

頻繁に演奏されない142ー1。この曲のこと忘れてたなんて…!
せっかくピティナの課題曲のため ラヴェルとクープランのお墓参りをし始めたし、マーラーの映画を観る前にマーラーの本を読んどこうと読みかけて、友人が「大公トリオ」を演奏する(したのですが)ベートーヴェンをさらっているとどうしてこうシアワセなんだろう?と羨やましいメールをもらって 頭の中であっちこっちさまよっている時期なんですが 突然このシューベルトを持ってきた生徒さんのおかげで ピシっと譜面台にこの曲がのっかってしましました。
おそるべし Franz.




3声を3つの手で、&音のしりとり

2011年05月08日 | 音楽教室
今日 バッハのシンフォニアB-durのレッスンのとき 私が高声部と中声部を弾き、Mちゃんが低声部を弾いてみた。
私は「2声の曲でしょ」、みたいな顔(笑)で弾いて 負けじと低声部が鳴っていると(単音だから 普段より簡単に丁寧に弾けるから) これぞシンフォニア。と思いました。ちょっと感動ものでした。(本人もきっとわたしほどではないが へーという顔でした)
独りで弾く時と全く違った響きが出ます。時間差で旋律が終わったり、あっと思ったら相手の主題が始まっていたり。バッハはこういう遊びを自分のこどもたちと演奏して対位法の教育をしていたんでしょうね。(弦楽器で)
曲の骨がくっきりとレントゲン写真のように浮かび上がってきます。
ひとりで弾くと(どんな巨匠が弾いても)どうしても当然どこかが後回し(3番目)になってしまうので、3つの声部を順番に(誰かに2声を弾いてもらって残りを)弾くという練習は(久しぶりでしたが)やっぱり いい練習です。

平均律の4声のフーガを練習している生徒さんともやりたかったけれど時間が足りなかった…。(手がからまるので2台のピアノで弾く。)
ロマン派の旋律と伴奏でできている曲もふたりで分けて弾くと違う音が聞こえてきて 楽しいですよね。


Hちゃんとは ピアノでしりとりもしました。三つの音から4つ、5つとふやしていって、相手が弾き終わった音から始めるだけ。ドレミ→ミファソ→ソラソ、という感じに。だんだんとリズムが出てきて 5つの音で♬ドレミレド、♬ドシラシド、とテンポが早くなっていったときは ふたりで会話をしているようになりました。

「遊ぼ?」というと
「遊ぼ 」と答えるでおなじみの 優しく訊けば優しく答えるシリーズか?
早く弾けば 早く返ってくるんだな、と…。モーツアルトのG-durのピアノソナタも思い出す。
「ミーヨちゃん」
「なーに」


明日から2ヶ月ぶりの月、水クラスが始まります。
2ヶ月というと 子供たちはすっかり大きくなっているんだよね。
たのしみです!