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いいピアノを弾きたい

リスト 超絶技巧練習曲10番

2011年11月03日 | 演奏会
超絶な技巧。というだけで音楽から遠のくイメージですよね。

「その名の通り、非常に高度な演奏技巧を要するが、決して何から何まで超絶技巧の会得を目的としたわけではない。transcendante という言葉には宗教的な意味があり、普通「超越」と訳されるが、肉体・精神・魂のすべてを超越するというのが最も近いニュアンスである。つまりこの曲集は、肉体・精神・魂を超越した練習曲なのである。「超絶技巧」という訳も決しておかしくはないが、リストが付したこの曲集の意味からは少し遠のいてしまう。」

という解説がたいへん分かり易いと思います。
特にこの10番は超絶技巧は必要としない素敵な曲です。
これも実際音にすれば大変美しい旋律なのに 和音の交差の練習曲か?と躊躇したくなるような冒頭の譜面。
でも 裏技で右手にファソファミファミレミレドレドという旋律と和音2つほど絡ませて 左右で重音の練習曲という譜面に書き換えることもできて、その方がよりなめらかに弾けます。こんな曲だよ、と生徒さんに紹介するときはその旋律をピックアップして弾きます。
技巧を魅せる曲とは思えない 切ない女心をくすぐるロマンティックな曲です。
これを発表会で弾くことにして受験準備でレッスンをお休みしている生徒さんに、今日ちょっと弾いてみてくれない?とお願いしました。もう彼女の能力は知り尽くしているので心配はありませんが 受験が終わってから発表会までの日数が少ないので、まだ受験でぴりぴりしていないこの時期にどのくらい弾けそうか聴いておきたかったのです。
あまり気に入って仕方がない、ほどでなく(気に入ると勉強に身が入らなくなるし^^)でもほとんど外壁はできていて ピアノに集中できる時がきたら内容をつめればなんとか間に合うと思いました。あまりにもテンポが早く弾いていたので驚きましたが…。

ここら辺の右手の連打を彩る和声は弾いていて燃えます。
中学生の時にこのアンドレ ワッツのレコードを聴いた時の感動が蘇ります。こういう感動で自分が出来ていたような気がするくらい。
レッスンするに際して 少し思い出し練習をしてみましたが 真面目に練習しようという気持ちになりました。

もっともっとねっとりとした 和声を楽しむ曲だし どのパーツも奇麗に繋がっている曲だからね、と念を押してレッスンは終わり、次は受験のあとの再会を待ちます。
同じような受験組があと2名。
がんばっているかなあ?
すっきり笑顔で会えますように、勉強の成果が実りますよう祈っています!

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