サンパウロの庶民的生活

わたしの半径1メートル以内で考えたことや感じたことをつづってみようと思います。

「対馬(つしま)の海戦」がブラジルの雑誌に!?

2009-03-20 17:38:00 | Weblog
 歴史ものの雑誌を探しに行ったら、「海戦特集」(日本語訳)というタイトルのものがあった。
 中身を見ると、捜し求めていたブラジルの歴史ではなく、世界史がメンイで、有名な過去の世界中の海戦などが解説されていた。

 ページをめくっていくと、「TSUSHIMA(つしま)」という聞き覚えのある文字が目に付いた。「なんでブラジルで売られる世界史の雑誌に対馬が?」はっきりいって、目を疑った。

 よく見ると、日付からいって日露戦争の時のことで、いわゆる「日本海海戦」と教えられたことのようだ。オットいわく、対馬沖海戦という言葉もあるとか・・・
 実はオットは対馬の血が流れている。オットと知り合うまでは対馬なんて「対馬海流」という海流の名前しか知らなかった。対馬という島があることもよく知らなかった。壱岐があることはよく知っていたけれど。
 で、対馬のことをちょくちょくブラジルにいながら本をよんだりインターネットで調べてきた。すると、結構面白い歴史があって、まさに朝鮮半島との国境だけあって、過去ずっと「国際」という立場で存在してきた島だというのが率直な感想。おまけに日本の神話にも登場する、皇室ゆかりの地であるという。多分、日本そのもののグローバル社会の知恵が、対馬の歴史には秘められていると思う。
 今、竹島と並んで対馬が危ないと言われている。韓国人によって土地を購入されて、韓国の国会の決議でも対馬は韓国の領土ということになったらしい。おまけに対馬の島民もかつて7万人だったのが3万人に減ったとか。もっとも、人口が減ったのは他の要因もあるだろうけれど。
 土地を外国籍の人が買うのは問題はないと思う。むしろ経済活性化にもつながりそうだ。それに対馬の人は多分強かで、韓国のそんな決議にあせっていないと思う。決議が出ただけなわけで(オットの意見)。第二次世界大戦後にも李承晩(イ・スイマン)大統領が「対馬は韓国の領土である」というような宣言をしたそうだし、それ以前もずっと同じようなことを言われてきたと思う。
 領土問題になるのは国境の土地の宿命で、でも、住んでる人は毎日の暮らしのほうで忙しいわけだし、政治家が云々問題視するのと島民では温度差がありそう。 
 対馬が長きにわたって日本の領土であったということがすごいと思う。だって、どうひいき目に見たって韓国に近い島だし。もちろん、韓国とは交流がずっとあったわけだけど、神話に登場するだけあって不思議な島だし、対馬の血が流れるオットという人も不思議な人物なのです。まさに国境人的性格と認定してます・・・

 いずれにしても、日露戦争の英雄である東郷平八郎が登場する「日本海海戦」が、ブラジルでは「対馬の海戦」とされているのがすごいと思った。多分、西欧諸国の歴史ではそのように呼ばれるのが一般的なのだろう。エリザベス女王がスペインの無敵艦隊を破った「アルマダの海戦」と並んで対馬という名前が登場することに、ますます対馬へ行ってみたくなった一日でした。