ビジネス書の厳選情報を毎日お届け 「ビジネスブックマラソン」 バックナンバーズ

アマゾン元バイヤー、土井英司による厳選ビジネス書評メルマガ。ベストセラー分析と本当に読むべき珠玉の一冊を提供しています。

『クルマ1000台住宅200棟を売った!』

2005年01月16日 | Weblog
http://tinyurl.com/6s5x2

本日の一冊は、久々に営業関連本です。

著者は、元東京トヨペット、元三井ホームのトップセールスで、知る人ぞ知る「伝説の営業マン」。

本書には、クルマでも不動産でも通用する、セールスの心構えとノウハウがぎっしり詰まっています。

表紙、タイトルともに地味なのですが、営業マンにとって示唆するところの多い一冊ですので、あえてご紹介することにします。

では、いつものように「赤ペンチェック」で重要ポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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粘りの営業が必要ないとはいいませんが、時代は変わりました。お客さまは「自分の考えで決めて買いたい」と考える時代になったのです。

■「聞き上手」になる三つのポイント
1.「合いの手」のトークをいくつか覚えてしまう
2.お客さまのリズムに合わせる
3.「あいづち」を打つ

マネジャーの指導どおりにやっても、契約がとれなければ敗戦の責任は営業マンになる。だったら好きにやったほうがよい

■お客さまに好かれる法則
1.お客さま自身を好きになる
2.「教えてください」の言葉を大切にする
3.「ほめ言葉と質問をセットにしたトーク」を使う
4.お客さまの立場になって考える
5.お客さまに「負け」をつくる

断られることを楽しむ。自分の元気な後ろ姿をお客さまに見せて楽しんでもらう。歌舞伎役者が観客に背中を見せて舞台から去っていくように……

感じの悪いお客さま、自分が苦手なお客さまが見込み客

断られるのを前提としたうえでの挨拶は、「お客さまの小さな(大きな)反応を見るアプローチ」と「情報収集」に使います

■アメリカのトップ営業マンが語る「営業の神髄」
1.見込み客がなくて苦しいときでも必死になって新規開拓をしていると、不思議なことに関係ないところから見込み客が出てきた
2.もう少し多く新規開拓をやっておけばよかった。そうすれば、いまもっと楽な営業活動ができたのに……
3.これまでに飛び込みが嫌になったり、サボったことは何度もあった。けれども、何とか続けてきたからトップセールスの仲間入りをすることができた

「否定のトーク」は高額商品、知識人のお客さま、会社の中間管理職のお客さまに有効

お客さまは商品に物語がついたり、生い立ちがつくと、その価格に納得してくれる
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字数の関係ですべてはご紹介できませんが、ほかにもたくさん、実践的なノウハウが盛り込まれており、かなり役に立ちます。

というわけで、本日の一冊は、

『クルマ1000台住宅200棟を売った!』
http://tinyurl.com/6s5x2

です。さすが、一流の営業マンは違いますね。
■目次■
第1章 欠点を直さずに自分のもち味を活かすプラス発想
 ―こう考えれば、自分に合った営業スタイルが見つかる!
第2章 お客さまに好かれる「知的」新規開拓術
 ―これが20件で100件飛び込みに勝つ奥の手だ!
第3章 「見込み客」を確実に生み出す実践テクニック
 ―ちょっとした工夫で成果は大きく変わる!
第4章 お客さまを「その気」にさせる最強トーク術
 ―このやり方で誰でも無理なく商談できる!
第5章 なぜ売れたのか?なぜ売れなかったのか?
 ―営業マン生活25年、勝負の分かれ目はここにあった!
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『なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?』

2005年01月15日 | Weblog
http://tinyurl.com/3w53u

本日の一冊は、「つい先送りしてしまう」人に向けて書かれた、自己啓発書の書です。

監修者は、横浜国立大学助教授の堀之内高久さん。著者は、堀之内さんのワークショップに参加したのを機に、人が行動を起こす際の心理的障害を克服する方法を研究し始めたという笹氣さんという方です。

先送りする人の5つの心理パターンを示し、改善のための方法論を提示しています。

具体的にどんな内容か、ポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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自動思考:ある場面に直面した時に自動的に頭の中に浮かんでくる考え

自動思考が発生する背後には信条体系というものがあります。

人は「信条」の集合である「信条体系」を、それぞれがもちながら生きている

■恐怖心から逃避行動をしてしまう例
・すぐに取り組まなくてもいいような仕事をしてしまう
・なぜか机の書類整理をしてしまう
・つい、テレビやインターネットを見てしまう
・本や雑誌で情報収集をしてしまう

■先送りする人が陥る5つの心理パターン
1.完璧を目指しすぎてしまう
2.効率を求めすぎてしまう
3.結果を怖がりすぎてしまう
4.もともとニーズがないことをやろうとしている
5.自分の可能性を狭くすることを恐れている

■不都合な信条体系を見直す3つのプロセス
1.不都合な信条体系に気づく
2.その信条体系が、必ずしも正しくないことを理解する
3.その信条体系を拡大して、適切な考え方を得る

■克服すべきネガティブな感情
1.過去の出来事に対して抱き続けている感情への取り組み
2.不安、焦り、自分への疑い、怒り、イラ立ち、やる気のなさといった、現在の場面で生じている感情

■過去の出来事に対する感情への取り組み
「他人のせいにする自分」「冷静に対処する自分」「自分を責めてしまう自分」の3つの感情を理解し、「自分を責めてしまう自分」に対しては、「プロセスのリフレーミング」を行う

■現在の場面で生じている感情への取り組み
1.わだかまりの感情を言葉にする
2.わだかまりの原因を明確にする
3.期待やこだわりを把握する
4.期待やこだわりを見直す

■行動レベルでの取り組み
理想の状態を考えていくと、気持ちが前向きになって、行動しようという気になる

■理想の姿を描き出す4つの質問
・どうなったらいいだろうか?
・理想の状態が百点満点だとしたら、今の状態は何点だろうか?
・今までにどのようなことが役立っただろうか?
・いま自分にできることは何だろうか?
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「恐怖心から逃避行動をしてしまう例」は思わず笑ってしまいましたね。土井も大学入試の直前には、掃除をしていたものです(笑)。

というわけで、本日の一冊は、

『なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?』
http://tinyurl.com/3w53u

です。いい仕事習慣を身につけたい人に、おすすめの一冊です。

■目次■
【第1章】先送りの心理メカニズム
【第2章】先送りする人が陥る5つの心理パターン
【第3章】行動に移すための3つのステップ
【第4章】ステップ1―思考レベルでの取り組み
【第5章】ステップ2―感情レベルでの取り組み
【第6章】ステップ3―行動レベルでの取り組み
【第7章】それでもまだ行動できないあなたへ
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『EQマネージャー』

2005年01月14日 | Weblog
http://tinyurl.com/498h3

本日の一冊は、知能やEQの分野で活躍する心理学者2人が書いた、「リーダーに必要な4つの感情能力」について論じた一冊です。

感情が仕事の効率や記憶力などにどう影響をおよぼすのか、リーダーは部下の感情をいかにして認識し、対処すればいいのか、といった点が、詳しく書かれています。

おもしろいのは、単に感情をコントロールしろ、といっているのではなく、ありのままの感情を正しく認識し、それがポジティブであろうとネガティブであろうと賢く利用できる、と論じている点です。

これまでに確認されている、さまざまな研究の成果についても紹介されており、その点も読みどころと言えるでしょう。

では、具体的にどんなアイディアが示されているのか、さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■リーダーが身につけるべき4つの感情能力
1.気持ちを読み取る:「感情の識別」
2.ふさわしい気持ちになる:「感情の利用」
3.気持ちから未来を予測する:「感情の理解」
4.気持ちをともなって実行する:「感情の調整・管理」

経営陣が感情から発生している見解が共有できており、感情面で前向きである会社はそうでない会社よりも一株あたりの収益が、四~六%高い

EQの高いチームはEQの低いチームよりも非常に早く円滑に行動した

■EQの6つの基本原則
1.感情は情報である
2.感情を無視しようとしてもうまくできない
3.人は自分が考えるほど、上手に感情を隠すことはできない
4.効果的な意思決定をするためには感情を組み入れる必要がある
5.感情は論理的な流れに従う
6.感情の普遍性が存在すると同時に、特有性も存在する

放射線医師での実験で、医師たちはちょっとした贈り物を受け取ると(気分が若干高まるのだろう)、診断がより早くかつ正確になる

社会心理学者はのロイ・ボーマイスターは、感情表現を積極的に抑えようとする人は、結局のところ多くの情報を「取りこぼしてしまう」ということを発見した。感情を抑圧すると、情報に耳を傾け、処理することに必要なエネルギーと注意力が奪われてしまう

■肯定的な感情の効用
・思考を広げる
・新しいアイディアを生み出すのに役立つ
・われわれを促してさまざまな可能性を検討させる

■否定的な感情の効用
・より明確な集中力を与える
・内容をより効果的に検討できる
・より効率的に誤りを調べる意欲を起こさせる

前向きな気分でいると、われわれは新しいマーケティングの企画を練るなどといった、新しく面白い考えを生み出すことができ、帰納的問題解決がうまくできる傾向がある。また、否定的な気分でいると、財務諸表の間違いをチェックするなどといった、細部に注目し、演繹的問題解決がうまくできる
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文字では表現できませんが、ほかにも本書には、人間の基本感情を表情から読み解くための、イラスト化された表情の一覧などがあり、なかなか楽しませてくれます。

ちょっと回りくどい記述があったり、実験がどのように行われたか不明確なところがあるのが残念ですが、それなりにアイディアをいただきました。

というわけで、本日の一冊は、

『EQマネージャー』
http://tinyurl.com/498h3

です。部下の管理で悩んでいる方にはおすすめの一冊です。

■目次■
第1章 職場における理性と感情
第2章 感情の青写真
第3章 気持ちを読み取る
第4章 ふさわしい気持ちになる
第5章 気持ちから未来を予測する
第6章 気持ちをともなって実行する
第7章 感情知能を測定する
第8章 気持ちを正しく読む
第9章 ふさわしい気持ちになる
第10章 気持ちから未来を正確に予測する
第11章 賢い気持ちを込めて
第12章 自分を管理する
第13章 他の人を管理する
第14章 感情に賢いマネージャーを育成する
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『君たちはどう生きるか』

2005年01月13日 | Weblog
http://tinyurl.com/4ba3d

本日の一冊は、古典的名著として名高い、吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』です。

中学二年生の主人公、コペル君こと本田潤一の精神的成長をストーリーで語りながら、われわれの社会がどのようになっているのか、そしてそこでわれわれはいかに生きるべきか、といったことを説いた本です。

コペルニクスやニュートンの発想法、ナポレオンの毅然とした生き方、ギリシャからガンダーラを通じて日本に伝わった仏像の歴史などから、コペル君が学んでいくさまざまなことは、社会人としてすでに活動している私たちにも、忘れかけていた大切なことを教えてくれます。

社会のなかで生きるための基本的認識や心構え、というものを再度与えてくれる、そんな一冊です。

引用が極めて難しい本ですので、コペル君と叔父さんのやり取りのなかから、いくつか教訓を抜き出してみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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君は、コペルニクスの地動説を知っているね。コペルニクスがそれを唱えるまで、昔の人は、みんな、太陽や星が地球のまわりをまわっていると、目で見たままに信じていた。これは、一つは、キリスト教の教会の教えで、地球が宇宙の中心だと信じていたせいもある。しかし、もう一歩突きいって考えると、人間というものが、いつでも、自分を中心として、ものを見たり考えたりするという性質をもっているためなんだ。

まず肝心なことは、いつでも自分が本当に感じたことや、真実心を動かされたことから出発して、その意味を考えてゆくことだと思う。君が何かしみじみと感じたり、心の底から思ったりしたことを、少しもゴマ化してはいけない。そうして、どういう場合に、どういう事について、どんな感じを受けたか、それをよく考えて見るのだ。そうすると、ある時、ある所で、君がある感動を受けたという、繰りかえすことのない、ただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかって来る。それが、本当の君の思想というものだ。

肝心なことは、世間の眼よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。そうして、心底から、立派な人間になりたいという気持を起こすことだ。

ニュートンが偉かったのは、ただ、重力と引力が同じものじゃないかと、考えついたというだけじゃあない。その思いつきからはじまって、非常な苦心と努力とによって、実際にそれを確かめたというところにあるんだ。これが、普通の人にはとても出来ないようなむずかしい問題だったのだね。

骨を折る以上は、人類が今日まで進歩して来て、まだ解くことが出来ないでいる問題のために、骨を折らなくてはうそだ。(中略)偉大な発見がしたかったら、いまの君は、何よりもまず、もりもり勉強して、今日の学問の頂上にのぼり切ってしまう必要がある。そして、その頂上で仕事をするんだ。

自分が消費するものよりも、もっと多くのものを生産して世の中に送り出している人と、何も生産しないで、ただ消費ばかりしている人間と、どっちが立派な人間か、どっちが大切な人間か――

――君も大人になってゆくと、よい心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かし切れないでいる、小さな善人がどんなに多いかということを、おいおいに知って来るだろう。世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気魄を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ。君も、いまに、きっと思いあたることがあるだろう。
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土井は初めて読んだのですが、社会人になってから読むと、また違う味わいがある、というのが一般的な評価です。ぜひ読んでみて、良かったらお子さんにも読ませてあげてください。

というわけで、本日の一冊は、

『君たちはどう生きるか』
http://tinyurl.com/4ba3d

です。また一冊、良い本に出会えました。ありがとうございます。

■目次■
1 へんな経験
2 勇ましき友
3 ニュートンの林檎と粉ミルク
4 貧しき友
5 ナポレオンと四人の少年
6 雪の日の出来事
7 石段の思い出
8 凱旋
9 水仙の芽とガンダーラの仏像
10 春の朝
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『戦略とは何か』

2005年01月12日 | Weblog
http://tinyurl.com/59g65

本日の一冊は、あのピーター・ドラッカーも大絶賛する、MBA向けの戦略テキストです。

著者は、クレアモント大学ピーター・F・ドラッカー経営大学院教授のコーネリアス・A・デ・クルイヴァーと、ヴィノラバ大学戦略的経営・起業家カレッジ商業・金融学部教授のジョン・A・ピアースII世。

決してボリュームのある本ではありませんが、ドラッカーやポーター、ハメルなどの戦略理論や、ナイキ、デル、マイクロソフト、インテルなどの事例をもとに、現在の企業に必要な戦略の体系やヒントが手際よくまとめられています。

索引も丁寧で見やすいので、必要な時にエッセンスを読み返すことも容易です。

具体的にどんな内容が書かれているのか、ちょっとだけご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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戦略とは持続的競争優位性を達成するためのポジショニングを構築することである

■戦略を作成する際のポイント
1.いまどこにいるのか
2.どこへ向かうべきか
3.どうやってそこにたどり着くか

成功企業の多くは、自社が持つ経営資源と組織能力よりはるかに大きなビジョンを持つことでリーダーの座を確立した

■現在、戦略的資源として注目されているもの
1.人的資本
2.知的資本

■シナリオ分析のシナリオが最終的に備えているべき要素
1.関連性(利用者のメンタル・マップや関心と直接関連)
2.一貫性(企業内部との一貫性)
3.描写性(1つのテーマをさまざまな角度から描くのではなく、基本的に異なる将来を描いていること)
4.実行可能性(長期間にわたってシステムが存続できる均衡または状態)

ナイキとリーボックはバリューチェーン分析を行ったことで、製品デザインとマーケティング・販売におけるコア・コンピタンスが価値を創造していることがわかり、それ以外の活動をほぼすべてアウトソーシングすることにした

■組織内部の変革抵抗要因
1.構造的硬直性、組織的硬直性
2.時代遅れの考え方や戦略に基づいた柔軟性のない発想
3.変革を嫌う思考、行動、スキルを持った企業文化
4.現在の戦略的要件にそぐわない逆効果の変革推進力

ポーターの基本戦略に対する最も一般的な反論は、低コストと差別化は排他的関係にあるので、2つを組み合わせることで持続的な収益性を確保できる、というもの

経営幹部はポーターの基本戦略を採用せず、代わりに低コスト、差別化、顧客ニーズに対応する柔軟性などの要素を組み合わせた戦略を支持している

■ナイキ、デルをはじめとする成功企業が採用している基本戦略
1.製品リーダーシップ(イノベーション追求型)
2.卓越したオペレーション(生産方法と販売方法の改善)
3.顧客との親密さ(顧客ロイヤルティ構築に焦点)

■ポートフォリオ分析の限界
1.「金のなる木」や「負け犬」というレッテルを貼ってしまうと、それ以外の結果が出せない状況をつくり出すおそれがある
2.「どのようにして収益を伸ばすか」「ポートフォリオにどのような新規事業を追加すべきか」といった疑問に対する解決策は見つからない
3.「企業は資本を自ら調達できるはずだ」というBCGアプローチの大前提の妥当性が失われた
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通常、この手の本はフレームワークを得るために読むものと心得ていたのですが、本書の場合、そのフレームワークを設定することの弊害や、実務とのギャップといった部分にまで言及しているため、じつにためになります。

というわけで、本日の一冊は、

『戦略とは何か』
http://tinyurl.com/59g65

です。学者が書いたものとは言え、読みやすくボリュームも手頃なため、これから戦略を学びたい、という方にはおすすめの一冊です。

■目次■
第1章 戦略とは何か
第2章 外部環境の変化と不確実性
第3章 競争優位を確立するための内部資源と変化要因の活用
第4章 事業戦略の立案
第5章 事業戦略:コンテクストと特殊課題
第6章 全社戦略のダイナミクス
第7章 全社レベルの戦略オプション
第8章 グローバル戦略の立案
第9章 戦略の実行とコントロール
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『図解売れる陳列売れない陳列』

2005年01月11日 | Weblog
http://tinyurl.com/5jhww

本日の一冊は、30年間で2000店舗以上の指導を経験してきたという、「売り場づくり」の第一人者、永島幸夫氏が、衝動買いを誘う陳列のテクニックについて論じた、注目の最新刊です。

冒頭で著者も述べているように、本書のユニークなところは、

1.店頭マーケティングのノウハウを
2.AIDMAの法則にもとづいて
3.「売れる陳列」と「売れない陳列」を図で対比させている

点にあります。

さすがにウェブと違い、長い歴史を持つ店舗マーケティングだけに、ウェブでは抜け落ちている視点がふんだんに盛り込まれています。

では、具体的にどんなヒントが隠されているのか。図解中心の本なので、土井の言葉も交えながらピックアップしてみます。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■「注目」をひく陳列のコツ

1.陳列方法を差別化 
棚陳列のところに自社だけフック陳列にしたり、他の棚段数が四段のところに自社だけ八段にする、など

2.POPと商品の大きさのバランスを調整
売れない陳列=POPが主役、商品は脇役
売れる陳列=商品が主役、POPは脇役

3.集視ポイントをつくる
単調な陳列をやめ、売りたい商品とその他との差別化を図る

4.バスケット陳列にしてみる
(靴下の例)単調に積むのではなく、アイテムごとにバスケットに入れた陳列に変えたところ、注目を引いた

5.一目瞭然の仕掛けをつくればセールストークはいらない
(魚影が見やすい偏光サングラスの例)
 売り場に置かれた水槽で、実際に魚影を見てもらうことで、商品の凄さがわかり興味がわく

6.売りたいもの、売れているものを明確にする
(ギフト商品の例)売れ筋ランキングの展示で情報発信をする

7.顧客の商品の選び方に合わせてグルーピングする
(時計の例)文字盤が見やすい時計、電波時計、防水時計など、顧客の商品の選び方に合わせてグルーピングした陳列

8.陳列補助具を使ってボリューム感を演出
商品の数が少ない時は、立体感を出すために陳列補助具を使う

9.「絶対おすすめ!」の自信が買う気をそそる
重点商品のみで陳列台を埋め尽くし、何を売りたいのか明確に伝える

10.カラーバリエーションを魅力的に見せる
色別にカラーストライプ陳列にするとバリエーションが魅力的に見える

11.新聞・雑誌の記事や関連商品(書籍・DVD)を並べる
メッセージ性や商品の特長を伝えることで売れる陳列になる。

12.顧客の期待感を裏切ってはいけない
広告している商品や注目の商品はゴールデンゾーンへ
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メルマガですので、図やイラストが見せられないのが残念ですが、実際の中身を見れば、売れる陳列と売れない陳列の差が歴然です。賢明な読者であれば、ウェブやメルマガにもノウハウを活かすことができるでしょう。

というわけで、本日の一冊は、

『図解売れる陳列売れない陳列』
http://tinyurl.com/5jhww

です。アナログに学ぶ姿勢も、時には大切ですよね。

■目次■
プロローグ 店頭で勝負を決めるマーケティング
Part1 「注目」をひく陳列
Part2 「興味」がわく陳列
Part3 「欲求」をそそる陳列
Part4 「確信」する陳列
Part5 「記憶」に残る陳列
Part6  購買「行動」をおこす陳列
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『在庫管理のための需要予測入門』

2005年01月10日 | Weblog
http://tinyurl.com/6tkqo

本日の一冊は、キヤノン販売グループのITサービス事業の中核を担うソリューションプロバイダ、キヤノンシステム・ソリューションズによる、需要予測の入門書です。

需要予測の基本的な考え方から、在庫の考え方、発注量の求め方、需要予測の各モデルの紹介、予測システムの導入事例まで、じつにさまざまな事がらが、コンパクトに1項目見開き2ページでまとめられています。

非常に見やすく、とくに需要予測モデルの種類とその計算式を閲覧したい時には、威力を発揮しそうです。

ここでは、書かれている内容のポイントと、どんな項目が網羅されているのかだけ、ご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■需要予測の重要性が高まっている背景
1.顧客満足度重視の経営
2.顧客要求の短期化
3.プロダクトライフサイクルの短縮
4.キャッシュフロー重視の経営

■当たらない需要予測をなぜ行うのか
1.「なくせない外れ」に関して外れ度合いを見積もることができる
2.「なくせる外れ」を極力小さくすることができる

■在庫の役割
1.円滑な供給
2.需給関係の潤滑油
3.需要変動の吸収

■ABC分析による重点管理
需要量合計の大きい順に商品を並べてA、B、Cにグループ分け。通常は全体の10%前後の品目で全品目の需要量の80%近くを占めることが多いので、ここから順に重点管理する

■在庫管理方式の種類は2つ
1.定期発注方式
発注量=過去の平均出庫量 ×(発注サイクル+調達リードタイム)+ 安全在庫量-発注日時点の在庫量
 ※安全在庫量=μ×(T+L)+α×σ×√(T+L)-(Z+R)

2.発注点方式
過去の平均出庫量×調達リードタイム+安全在庫量
 ※安全在庫量=μ×L+α×σ×√L

■移動平均法を活用することのメリット
ノイズをある程度除去。需要データのトレンド、周期変動の明確化

■本書で紹介している需要予測モデルの種類
1.単純移動平均モデル
2.MAモデル
3.一次指数平滑モデル
4.直線・曲線近似モデル
5.ARモデル
6.ARMAモデル
7.ARIMAモデル
8.ウィンターズモデル
9.ニューラルネットワーク
10.重回帰モデル
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本書にはほかにも、キャンペーンの需要を予測したり、他の商品との相関関係を考慮に入れたりと、実務上必要となるさまざまな視点を盛り込んでいます。

土井も以前はバイヤーをやっていましたので、何冊か需要予測の本は読んでいますが、この本はそのなかでも一番わかりやすい部類だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『在庫管理のための需要予測入門』
http://tinyurl.com/6tkqo

です。企業の仕入れ担当者や、SCM関連の業務の担当者におすすめしたい、そんな一冊です。

■目次■
まえがき
第1章 需要予測とは
第2章 在庫管理の基本
第3章 需要予測モデルの基礎
第4章 需要予測モデルの実践
第5章 需要予測による在庫管理
第6章 需要予測システム
第7章 需要予測システム導入時のポイント
参考書籍
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『「書く」マーケティング』

2005年01月09日 | Weblog
http://tinyurl.com/5onrq

本日の一冊は、久々のリクエスト本です。本が薄いのと、妙に行間が空いているのが気になるのですが、2つの点から、取り上げることにしました。

まず一つ目は、現在、ビジネスにおいて「書くこと」の重要性が高まっていること、そして二つ目は、じつはこの著者、あのベストセラー『借りたカネは返すな!』のゴーストライターだったのです。

参考:『借りたカネは返すな!』
http://tinyurl.com/5wxzz

内容は、美文を書くことではなく、あくまで「売るための文章」を書くことに主眼を置いています。

具体的にどんなヒントが書かれているのか、さっそくポイントを見てみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■カタい文章をヤワらかくする方法
1.しゃべり言葉にする
2.難しい言葉を使わない
3.漢字を少なくする

■「最初の1行がなかなか書けない」という人への助言
・書けるところを先に書いておく
・書き出しのパターンをいくつか持っておくこと

■「どうもメリハリのない文章になってしまう」という人への助言
・語尾を変えれば、メリハリが出てくる

■キャッチコピーを創るための7つのステップ
1.セールスポイントをピックアップする
2.ターゲットを明確にする
3.ターゲットに合ったセールスポイントを絞り込む
4.どのようにつかむかを考える
5.語呂(リズム感)はどうかをチェックする
6.サブを組み合わせて言葉足らずを補完する
7.第三者のチェックを受ける

■セールスポイントを考える際のコツ=5W2Hで考える
1.WHO(誰が?)=作り手、開発者、考案者は誰か
2.WHEN(いつ?)=期間や時期など、時間的な特徴は?
3.WHERE(どこで?)=産地など、場所的な特長
4.WHAT(何を?)=商品・サービスそのものの特長
5.WHY(なぜ?)=なぜ開発しようと思ったのか
6.HOW(どのように?)=製法などの特長
7.HOW MUCH?=(価格的な優位性はあるか)

ターゲットを具体的にイメージできるところまで、徹底的に絞り込んだ方が、結果的には反応は良くなる

ターゲットに合ったセールスポイントを絞り込む

■お客をつかむキャッチコピー・7つの法則
1.「エッ?」の法則=常識に反したことや腑に落ちないこと
2.「ドキッ!」の法則=図星
3.「ン?」の法則=知らない言葉などで興味を引く
4.「ヘェー」の法則=理由と組み合わせると強力
5.「ホンネ」の法則=「ホントはね…」「ここだけの話…」など
6.「ナンバー」の法則=半端な数字を出すと効果的
7.「キーワード」の法則=「そそられるキーワード」を使う

■知っておきたい書き出しのパターン
1.ホンネ告白型
2.不安先出し型
3.お客さんの声紹介型
4.質問・問いかけ型
5.提案型
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どうでしょうか? 本書にはほかにも、「禁じ手」と思われるようなテクニックも盛り込まれています。本としてのつくりはイマイチですが、内容的にはヒントが詰まっています。

というわけで、本日の一冊は、

『「書く」マーケティング』
http://tinyurl.com/5onrq

です。広告文の執筆などで悩んでいる方は、読んでみると参考になるかもしれません。

■目次■
はじめに 書けば売れるとは限りませんが、書かなければ絶対に売れません。
第1章 お客は話を聞いてくれない。だったら、聞きたくなるようにするしかないんじゃないですか!
第2章 書ける人がうらやましい。そう言っている人は、いつまでたっても書けません。
第3章 デザインは無理だとしても…。コピーくらいは自分で書けた方がいいと思いませんか?
第4章 う~、書けない。カッコよく書こうとしすぎていませんか?
第5章 広告文はお客様へのラブレター。だから、下手でも自分の想いを伝えた人が勝ちなんです。
第6章 電子メールも基本は同じ。でも、ちょっとだけ工夫が必要なんです。
おわりに 書きましょう。そうすればきっと道は拓けます!
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『成功ノート術』

2005年01月08日 | Weblog
http://tinyurl.com/42fq2

本日の一冊は、中小企業に対して、キャッシュフロー経営の指導やコーチングなどのサービスを提供している和仁達也さんが、夢を実現するためのノート術を披露したものです。

和仁さんは、資格なし、実績なし、顧客なしの状況でちょうど6年前に独立。現在は2つの会社を経営し、年収がサラリーマン時代の3倍以上になっているという、元気な経営コンサルタントです。

ちなみにどうでもいいことですが、先日、「わに」さんのマネージャーを務めている方にお会いしました。なんと、お名前は「にわ」さんというそうです。ムムムムム…。

ちょっと脱線しましたが、さっそく赤ペンチェックで、和仁さんの考え方や夢実現の手法を見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■著者が実践した5つの習慣■
1.ビジョンを持ち続ける習慣
2.ブレない自己を確立する習慣
3.実績を自信につなげる習慣
4.能力を引き上げる習慣
5.バランスを保つ習慣

■意欲はあるのに、ビジョンが実現できない3つの理由■
1.ビジョン達成のために何からはじめたらいいかがわからない
2.どのようにはじめればよいのかわからない
3.非現実的すぎて達成できるイメージが湧かない

■3つの理由の根源にある問題点■
1.セルフイメージがビジョンの高さに追いついていない
2.目標から逆算で発想して、現状からゴールまでの道筋をつくることができない

■ビジョンを考えるときの4つのポイント■
1.先に視点を決めておく(具体的に)
2.「望むことは、すべて何もかもうまくいく」という前提で考える
3.状況に応じて、たえず変化できる柔軟性を持つ
4.「5W2H」の視点で書く(2Hは"How"と"How much")

■夢実現のツール■
1.ビジョナリーマップ(マインドマップの手法でビジョンを書く)
  →理想の状態を具体化し、自己説得する
2.アファメーションノート(自分がどうありたいかを分野ごとに書く)
  →自分が望む状態を書くことで、ブレない自己を確立する
3.サクセスダイアリー(手帳に一日一つ以上、成功した体験を書く)
  →成功体験の記録を蓄積することで、自信が出てくる
4.ポスト・イット(メモ代わりに常備しておく)
  →書くことに対する抵抗を最小限にし、アウトプットは後でまとめる

「小さなことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だと感じる」イチローの言葉
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ワークブック的な要素もあるので、これだけで内容は網羅できませんが、およそ書いていることはこんなところです。自己啓発書としてはオーソドックスな内容ですね。

というわけで、本日の一冊は、

『成功ノート術』
http://tinyurl.com/42fq2

です。夢の実現に向けて具体的な一歩を踏み出したい方には、手軽な一冊ではないでしょうか。

■目次■
はじめに
第1の習慣 ビジョナリーマップで夢を見つける
第2の習慣 アファメーションノートで自信をつける
第3の習慣 サクセスダイアリーで一気に成功する
第4の習慣 ポスト・イットでアイデアをキャッチする
第5の習慣 バイオリズムをコントロールする
おわりに
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『30歳からの成長戦略』

2005年01月07日 | Weblog
http://tinyurl.com/6y8v3

本日の一冊は、『40歳からの仕事術』で好評を博した、A.T.カーニーのヴァイス・プレジデント、山本真司さんによる新刊です。

参考:『40歳からの仕事術』
http://tinyurl.com/6jgog

「二十~三十代は全く対象にしていなかった」という前著に、40歳未満の若手からの問い合わせが殺到したため生まれた、30代のためのキャリア戦略本です。

MBAホルダーの書くキャリア戦略本と言えば、通常は企業のための戦略立案のフレームワークをそのまま個人に当てはめたようなものが多いのですが、本書の特徴は、人間の欲やモチベーションといった視点を盛り込むことで、右脳と左脳、両方で納得できる内容に仕上がっていることです。

では、具体的にどんなキャリアアドバイスがなされているのか。さっそくポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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日用品を製造して販売する企業は、コストを安くして戦うしかない。(中略)大衆化したスキルを勉強するだけでは、あなた個人の価値は上がらない。

■偉い若手の戦略
大衆化するものを必死で学んでもしようがないと腹をくくって、徹底的に効率的にこなしてしまう。さらに、浮いた資源をまだ手垢がついていないイノベーションのネタがありそうな分野に投資する。

自分の成長投資する分野を選べ。
選び方は(人気の無いもの)×(好きなこと)が原則

■「実力派天邪鬼」への変身
いつも(人気の無いもの)×(好きなこと)を追いかけつつ、そこで得た発想を、論理的にまとめ上げ、他人とコミュニケーションをはかり、新しい発想を現実のビジネスに落とし込んだときの問題点や改善策も自分で考えられる人。他人の意見にも耳を傾け、人間関係も良好な人。

■学ぶべきスキル
1.ビジネス・スクールで教える基本ビジネス・スキル
2.仕事術
3.直観に基づく全体思考法を磨き、創造力を磨く
4.経営者人材の実力を身につける(経営観・人生観・心のマネジメント)

■アウトプット志向学習法
視点を変えてアウトプットから、すなわち尻から始めてインプットをするという方向に仕事の仕方を切り替えることにより、効率・効果ともに格段にアップする。

■アウトプット学習をする七つの方法
1.とりあえず手を上げる作戦
2.プラスα作戦(アサインされた仕事で、+αの成果を出す)
3.他人の仕事もやる作戦
4.勝手作戦(自分が問題意識を感じた分野でアウトプットを作る)
5.転職作戦(職場情報が掴みにくいため、リスクが大きい)
6.交渉作戦(会社と交渉して、自分のやりたいことをやらせてもらう)
7.二足の草鞋作戦

■成長のための仕事ポートフォリオ・マネジメント
・得意で期待成果が高い仕事に最優先に時間を使う
・仕事力の強い分野でしっかり点数を稼いでおいて、余力を「投資する仕事」(期待成果は高いが苦手な分野)に向ける

■レゾナンス(共鳴)思考法
論理的思考法と全体思考法の両極に着眼し、単極ごとに思考方式を共鳴させる思考法

■着眼両極・着手単極法
両極にある考えを併せのみ、片方の思考法で考え、もう片方の思考法で再検討するというプロセスの繰り返し

■経営者人材になるための要件
1.ビジネス・スキル
2.矛盾をマネジメントする力
3.自分の心のマネジメントの能力

自分の心をマネジメントするための、最大の課題は何か。私の観察経験から言えば、それは「欲」、すなわち自分の「エゴ」のマネジメントである。

■心のマネジメント――四つの段階
1.「欲」をエネルギーに猪突猛進
2.「欲」プラス「他者の感情のマネジメント」の実践
3.「無欲」への挑戦
4.「欲」と「無欲」を併せのむ
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本書には、「『大衆化するビジネス・スキル』を超効率で学ぶ術」として、「六分間でわかるファイナンス」などのコンテンツもあり、ビジネススキルを効率的に学ぶのにも有効ですが、取り上げた趣旨からは外れるので、省略しました。

というわけで、本日の一冊は、

『30歳からの成長戦略』
http://tinyurl.com/6y8v3

です。自分のキャリア設計を真剣に考えている30代に、ぜひおすすめしたい一冊です。

■目次■
第1章 成長戦略を構築しよう
第2章 ビジネス・スキルより差別化の戦略を
第3章 アウトプット志向学習法のすすめ
第4章 成長するための思考法
第5章 集中力を最大にするタイム・マネジメント
第6章 付加価値を高めれば、資源はついてくる
第7章 MBAコンプレックスを克服する
第8章 論理と感情を併せのむ
第9章 経営者人材をめざす
第10章 成長戦略を変えよう
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『100億稼ぐ超メール術』

2005年01月06日 | Weblog
http://tinyurl.com/5ojhg

本日の一冊は、昨年もっとも世間を騒がせた30代、ライブドアの堀江貴文さんによる、効率的な仕事のノウハウです。

「超メール術」と書かれていても、正直「メール術なんてどうでもいいよ」と思ってしまいそうですが、じつはこれ、かなり画期的な業務改善方法が書かれています。

じつはここで書かれている「メール」とはライブドア独自の日報メールをはじめとするシステムのことで、このツールは、労務管理、コスト管理のシステムと連動しているのです。

以前ご紹介した『ココまでできる経理の合理化』と同様、哲学のある合理化策に、正直驚きました。

参考:『ココまでできる経理の合理化』
http://tinyurl.com/7266s

具体的なノウハウを書くと、あまりに細かい話になってしまうので、ここでは著者の考え方や合理化のしくみの一部をご紹介しましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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今の日本の会社には、ものすごくムダが多い。ムダな会議、ムダな決裁、ムダな組織構造、ムダな社交辞令、ムダな宴会――。そうしたムダを排除しなければ、会社の勢いを極限までヒートアップさせることなんて、とうていできない。(中略)電子メールを最大限にまで活用して、仕事のすべてを電子メールに集約させてしまおう。

■電子メールを使うことで起きる変革
1.組織がものすごくフラットになる
2.何でも即断即決になる
3.つまらないフォーマルな社交辞令がなくなる

■ライブドアが持つ、メールを使った3つの秘密兵器
1.日報メール(1000人の部下を管理し、親密な関係を可能に)
2.会議メーリングリスト(無駄な会議をやめ、活発な議論が可能)
3.情報管理術(メールを徹底的にデータベース化)

■日報メールの特徴
・1人1人の社員がその日1日、どのような仕事をし、どのような達成状況だったのかをメールで報告
・1人の社員のメールの内容を、同じ事業部の全員が読めてしまう
・「360度評価」と連動し、上司が給料を増やすか減らすか決める
・社内のイントラネットの中で、ウェブサイトから入力できる
・ジョブコードを利用して、労務管理とコスト計算を同時に実現
・日報メール作成をその日から10日以上遅らせたら、減給にする

■日報メールの効用
・案件に対して社員がどんな気持ちで取り組み、どのような意見を持っているか(がわかる)
・社員の側も、(中略)上司や社長、同僚たちに読まれることを期待して、日報メールに思いや意見、提案などを書いてくる

■メールで部下を管理するコツ
1.メールでのケンカは当人同士を会わせる
2.長文メールは早めに直させよう
3.メールでの指示は具体的かつ箇条書きで
4.返信メールはすぐ書こう
5.メールの情報漏洩に気をつけよう

■社内メーリングリスト(ML)
・職域ごとのML
・プロジェクトごとのML

■MLを使ったプロジェクト進行のポイント
・キックオフミーティングで親密な関係を築くことが成功のカギ
・進捗状況の確認は全員参加の会議で行うが、後で忘れずに議事録を流す

■インスタントメッセンジャー活用のメリット
・リアルタイムでやりとりが行える
・フランクに会話できる
・ログが残る
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後半に「堀江流・これが私の実践メールテクニックだ!」という項目もあったのですが、フィルタリングやショートカットの活用など、割とオーソドックスなメール管理術のため、省略します。

というわけで、本日の一冊は、

『100億稼ぐ超メール術』
http://tinyurl.com/5ojhg

です。仕事にITを「本格的に」導入するとここまでできるのか、という実例を示してくれる、そんな一冊です。

■目次■
プロローグ 電子メールで仕事は100倍効率化できる!
第1章 1000人の部下を1人で管理する日報メールの破壊力
第2章 会議メーリングリストは会議の99%を不要にする
第3章 堀江流・これが私の実践メールテクニックだ!
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『プロ論。』

2005年01月05日 | Weblog
http://tinyurl.com/59o92

本日の一冊は、各業界の第一人者たを50人集め、それぞれの仕事の哲学や心構えを、一冊の本にまとめたものです。

50人という数から推察できるように、ひとりひとりに割いている紙数は決して多くはありません。それゆえに、表面的な議論にはなってしまっていますが、「仕事の哲学」という一点に絞った場合、ためになることが書かれています。

さすがに全部はご紹介できませんが、いくつか気になったものをピックアップしてみましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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■成毛眞
成功報酬型の一攫千金を狙いたい人や、キャリアアップによって地位の上昇を目指したい人なら、まずはとっとと今の会社を辞めてしまいなさいと言いたいですね。どうしても踏み出せないというのなら、人生において仕事から目をそらすことです。

■柳井正
今までは社会や組織の時代だった。でも、今後は人、特に知的労働者の時代になる。判断したり計画したり実行したりという、自己完結型の人がカギを握る時代になる。

■石橋貴明
運をつかむヒントはあるかもしれないと思うんです。たとえば、辛抱です。辛抱の先に、何かが待っているかもしれない。(中略)努力も大事です。だって、運とタイミングがそろったときに準備ができてないと、それに乗れないですからね。

■古館伊知郎
自分にとってのオタクの部分を、ビジネスや職業から切り離しちゃいけないと思うんです。それがなぜ好きか。どの部分が面白いのか。何にひかれるのか。そこからビジネスのヒントに転がっていくかもしれない。こだわりが半端だから、ビジネスにならないんです。

■糸井重里
今の時点で迷ったり悩んだりしているのなら、何が欲しいのかではなく、何を捨てられるのかを考えてみるといいと思います。捨てられるものの順番をじっくり考えるんです。何を捨てられるかは、実は幸福感の基準だったりするからです。

■中島義道
失敗経験は、人生の免疫となるのです。失敗したときは、ごまかしたり、なぐさめたりせず、徹底的に失敗を味わい尽くしてください。(中略)仕事の醍醐味は苦しさにこそあるんです。挑み続ければ、負け続ける。でも、一流を目指そうという気概とその苦しみは、必ずいい仕事を残してくれます。

■秋元康
僕の好きな言葉に「止まっている時計は日に2度合う」があります。例えば、ずっと前から延々とカスミ草だけを植えている人がいるとします。自分の姿勢を決して曲げない。でも、何年かに一度、カスミ草の大ブームが来て、この人は高い評価を受けるんです。

■和田アキ子
若いヤツはこの努力を人に見せちゃうんだなぁ。「僕はこんなにやってんのに」。最低だね。そういうことは自分で言うんじゃなく、人に言わせるんです。(中略)だからって自分から認めてくれる人を探したらダメだよ。まわりにいるごく普通の人に、あいつはすごいと言わせる。そのくらいの努力を、もっとしてみるべきです。
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旬の人かどうかを気にせず、取り上げてみたら、こうなりました。やはり、深い哲学を持っているプロフェッショナルのお話は、いい刺激になりますね。

というわけで、本日の一冊は、

『プロ論。』
http://tinyurl.com/59o92

です。ちょっと登場する人数が多すぎたのが不満ですが、それなりに読み応えがありました。

■目次■
1.会社で頭ひとつ出たいとき
2.会社を辞めるべきか迷ったとき
3.やりたい仕事が見つからないとき
4.働くことがイヤになったとき
5.仕事でヒットを飛ばしたいとき
6.苦しい時期を乗り越えたいとき
7.好きなことで食べていきたいとき
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『なぜあなたは同じ失敗をしてしまうのか』

2005年01月04日 | Weblog
http://tinyurl.com/3jxgb

本日の一冊は、心理学を使って、自分自身が向上するための本です。人間が陥りやすい誤った思考、本書で言うところの「心の牢獄」から抜け出すためのヒントが、40問の心理テストと併せて示されています。

著者は、ジョン・ウェアラム。世界最大級の刑務所、ライカーズ・アイランドにて受刑者向けの講座を持ち、数多くの囚人たちを更生させた実績の持ち主で、本書の内容のほとんどは、囚人たちとのやり取りが中心となっています。

また、一方で、ビジネスパーソン向けにも指導しているようで、フォーチュン誌が選ぶトップ企業500社をはじめ、一流企業を相手に「人間行動」に関するセミナーも行っているようです。

なぜわれわれが同じ失敗を繰り返してしまうのか、その理由を心理学的に説明しようというのが、本書の試みです。

では、実際にどんな内容が記されているのか。さっそくポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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いろいろな人がアドバイスをくれる。でも聞く側に真剣にアドバイスを受け入れる準備ができていない限り、何も聞こえてこない。いつまでたっても現実はつらい世界のままなんだ。

(心の牢獄に)内側からカギをかけたのも、看守をしているのも君で、そこから抜けだせるかどうかも君次第だ。

牢獄から出るためには、まず、なぜそこに入ったのかを理解しなければなりません。同じ失敗を繰り返す人はみな、心の牢獄に入っています。

■牢獄の罠――心の牢獄に入っている人はいずれかにはまっている
1.欲求
2.チャンス
3.言いわけ

■あなたを押さえつけている三つの見えない鉄球
1.劣等感
2.使い古しの問題解決法
3.非現実的な価値観

■劣等感の囚人――生きる能力に自信がない人に欠如しているもの
1.人生の試練に対する自尊心
2.経済的自立に対する自尊心

人は、明らかに間違いを認めなくてはいけないときにも、自分は正しいと信じてしまう

人は子どもの頃から愛を見つけるための試行錯誤のなかで、ある行動パターンを作りだし、それを自分の「問題解決法」として身につけていきます。(中略)多くの大人が古くて使えなくなった問題解決法に囚われたまま、過去に生きているのです。

(心の牢獄から)抜け出すには、まず態度を意識的に変えなくてはなりません。自分はもしかすると完全には目を覚ましていないかもしれないという考えを受け入れることです。

■目覚めるための4つのA
・Attitude(態度)……問題の核心を疑う
・Analysis(分析)……これまでの人生を振り返る
・Answers(答え)……苦悩や不幸のもとを探す
・Action(行動)……人生に変化を起こす

自分の行動の意味を真剣に考えるべきです。そうすれば勝利に導いてくれると思いこんでいた誤った習慣を放棄し、そして本当の自分に近づけるのです。そうして初めて幸せが近づいてきます。
----------------------------------------
途中までは、囚人たちの例を挙げながらの人間心理の話で、興味深く読み進めていたのですが、後半からは、なぜかよくありがちな自己啓発書の内容になってしまい、正直、中途半端な印象でした。「心の牢獄」に関してはいくつも研究成果が出ているだけに、非常に残念です。

というわけで、本日の一冊は、

『なぜあなたは同じ失敗をしてしまうのか』
http://tinyurl.com/3jxgb

です。わかっているのにいつも同じ失敗をしてしまう人、つい感情的になって、失敗を重ねてしまう人には、いいかもしれません。

■目次■
序文 いつも同じ失敗をしてしまうあなたへ
パート1 あなたが同じ失敗をしてしまう理由
パート2 思いこみから自由になると、可能性がいっきに広がる
パート3 行動パターンがわかれば、失敗を避けられる
パート4 感情をコントロールできれば、人生が変わる
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『その他大勢から抜け出す成功法則』

2005年01月03日 | Weblog
http://tinyurl.com/6fvtx

本日の一冊は、アメリカで数多くのリーダーの指導に携わり、ベストセラー作家としても知られるジョン・C・マクスウェルによる自己啓発の書です。

「大局的に考える習慣」「集中的に考える習慣」など、成功者が実行している計11の習慣にスポットを当て、その具体的な実践方法について述べています。

ジェームス・アレンをはじめとする、さまざまな思想家や、ジャック・ウェルチなどの実業家の言葉を引用しながら、11の習慣術と成功法則について話が進められています。

具体的にどんな考え方、手法が紹介されているのか。さっそく見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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成功者は、成功を思い描いた時点ですでに成功している。彼らの手は頭脳を手助けしているにすぎない(クロード・M・ブリストル)

仕事やプロジェクトで得られる成果は、リーダーが設定するハードルの高さで決まる。凡庸なリーダーのハードルは低く、優秀なリーダーのハードルは高い。だから卓越したリーダーの下で得られる成果は輝かしいものになる

ヒーローとはアイデアを持った人間だ(ジャック・ウェルチ)

・成功できない人は、生き残ることだけを考えている
・普通の人は、現状を維持することだけを考えている
・成功する人は、前進することだけを考えている

ジャック・ウェルチと若いビジネスマンの対話

「私ぐらいの年のとき、同僚に差をつけるために何をしましたか。どうやって、若くて野心にあふれた当時の同僚たちより目立つことができたのですか」

「まず理解しなければならないのは、”その他大勢”から抜け出すことの重要性です。(中略)ほとんどの人は言われたことしかしません。つまり、上司が正しいことを確認するだけです。(中略)上司に質問の答えを出すだけではなく、たぶん上司が思いつきもしなかったアイデアや意見や見通しを三つ、四つ披露してやるのです。そうやって最初の着想にふくらみを持たせ、質問をしたときの上司の期待を上回る結果を出すことです。(中略)その他大勢の社員の九九.九パーセントは何も考えていない(中略)この原則を理解していれば、重要な仕事や課題はあなたに任されるようになるでしょう」

変わりたいという欲求は誰もが持っているが、変わるためにそれまでと違ったことをする人は多くない

大きな成果を上げるには”一人の頭”では少なすぎる(中略)一つのアイデアを最高のものにしたいと真剣に望むなら、多くの人の力を借りるべきである

■大局を見て発想する人が必ず心がけていること
・”学びのチャンス”に目を光らせておく
・”未知の分野”のエキスパートの話を聞く
・”別世界の視点”を取り入れる

■”集中力”を最大に高める方法
1.”障害物”には近づかない
2.時間の”ムダ取り”を徹底する
3.”重要項目”はいつも目の前に置く
4.”目的地”は紙に書いておく

■”根拠のない楽観”に足をすくわれないためのコツ
1.”成功談”から尾ひれを取り、”小さな失敗”を見逃さない
2.”欠陥だらけのデータや推測”で満足しない
3.メリットとデメリットを厳密に割り出す
4.”最悪のケース”を想定して余裕を持つ
5.希望と現実の”ギャップ”を埋める

■前向きに考えるためのヒント
1.頭の中の”消極的な言葉”はすぐさま消去!
2.「エキスパート」に近づくな
3.”あら探し”ではなく”長所探し”に徹する
4.”ワンランク上”の夢を持つ
5.”変化”を伴わない”向上”はあり得ない
6.成功者から”インスピレーション”をもらえ

■アイデアを上手に共有するためのポイント
1.人のアイデアは予断・偏見なく評価する
2.アイデアの”出所”よりも”アイデアそのもの”に価値をおく
3.”テーマ”を決めてから人に会う
4.”提供できる何かを持っている人”を集める
5.”貢献”に見合った”見返り”を出す
-------------------------------------
本書の主題である「11の考える習慣」については、下の「目次」に記しておきました。ご参照ください。

というわけで、本日の一冊は、

『その他大勢から抜け出す成功法則』
http://tinyurl.com/6fvtx

です。自己啓発書としては、極めてオーソドックスな内容で、正直、目新しい内容は少ないと思います。ただ、多くの著名人たちの考えをつまみ食いできるという意味では、価値があるのかもしれません。

■目次■

はじめに
「考える習慣」を変えると、人生はここまで変わる
1.「自分を変える」のはそれほどむずかしくない
2.自分のレベルをもう一段上げる「考える習慣」
3.いい人生に不可欠な「正しい土」と「正しいタネ」
成功者の”秘密マニュアル”11の「考える習慣」
1.大局的に考える習慣
2.集中的に考える習慣
3.創造的に考える習慣
4.現実的に考える習慣
5.戦略的に考える習慣
6.前向きに考える習慣
7.反省して考える習慣
8.「非・常識」に考える習慣
9.「アイデアを共有」して考える習慣
10.利他的に考える習慣
11.実利的に考える習慣
訳者解説
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『会計心得』

2005年01月02日 | Weblog
http://tinyurl.com/6eekr

本日の一冊は、優良企業と呼ばれる信越化学工業を会計面で支え、現在、日本CFO協会の最高顧問を務める金児昭さんが、一般社員の「コスト意識」を高めるべくまとめた、会計の入門書です。

営業マンから研究者、広報、人事、経営幹部まで、それぞれがどんな数字を意識して仕事すればいいのかが、具体的な例とともにわかりやすく解説されています。

会計の数字については何もわからない、という人でも、これだけ学んでおけば、きっと仕事における視野が広がるはずです。

実務家の著者なので、若干主張には偏りがあるかもしれませんが、考え方を学ぶという意味では、安い投資です。

さっそく、いくつかポイントを見て行きましょう。
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■ 本日の赤ペンチェック ※本文より抜粋
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大事なことは、どの部門で働く人も、常に「金額=数量×単価」という式を頭の中に置いておくことです。それが、強い経営、強い会社をつくる元になる

■収益費用対応の法則
・収益を考えたら必ず費用を考えなければならない、費用を考えたら収益を考えなければならない。その二つは、必ず対応しているべし・会社では、売上は最も大切な科目です。なぜかというと、お金を会社の外からいただいてきて、それは返さなくていいから

■販売の心得
・「会計心得」としては、受注から代金回収まで、全部が販売の仕事だと考えなければなりません。
・会社全体の人が利益を重視し、コストを意識し、販売と聞いたらすぐに、「受注と入金」と考えるようになっていけば、会社は強くなります。

■製造の心得
・「原単位」(製品一個に原料を何グラム使うか)を守らないと、経営上のコストの点からは大変なことになる
・原料買い入れについては、まず数量が安定的に確保されることが大事です。その次に、単価が安いことです。
・営業という言葉には購買も入ります。両方がしっかりしている必要があるからです。購買部門が安定的に原料の数量を確保しなければ、売る製品を製造できないからです。

品質は同じものを安く買う、品質が同じ固定資産を安くすると、これから毎年の減価償却費が少なくなる、だから利益が上がる。こういう流れを全社員が身体で感じることが大事です。

■研究の心得
・個々の内容について「聖域扱い」がいいか悪いかは、新規研究、応用研究という枠だけでは区別ができないのです。問題は一つひとつの研究の中身、さらにいえば研究費はコストということで、全員のコンセンサスが必要なのです。
・新規研究は、大きな予算を使いつつも、本人だけはわかっているが、上の人も周囲の人もわからない、いや誰にもわからないくらいの最先端の研究をしていることもあります。そのときに、その人にコスト意識がなかったら、「自分は天才だから、いくらお金を使っても許される」という雰囲気になっていってしまう

■広報・宣伝の心得
・広報と宣伝の人たちの人件費は、固定費に入っています。次に、広報や宣伝は、たとえばテレビ、新聞の広告を出したり、イベントを展開したり、いろいろな費用がかかります。(中略)だからこそ、「損益分岐点を知るべし」を頭に置いて、全体の売上とコストの中で自分たちがどういった位置を占めるかということを考えてほしい(中略)費用対効果を考えながら手を打っていくこと

■人事・総務の心得
・人を採用する場合に、一人当たりいくらの生涯人件費を払うのかということをまず考えてみることです。そして、できるだけ採用しない方向で考えます。
・人事は、人事部のためではなく、会社の利益を稼ぎ出す事業部のために仕事をしている、そういう発想が大事です。
・人事部の仕事は、人を単なるコストとして考えるのではなくて、会社の利益を上げるためには、どこにどういう人がいたらいいかという発想を基本とすべきです。

■経営幹部の心得
・経営幹部は、最大のコストセンター
・無駄を排除するのには、率先垂範が大事
・幹部となったら、なおさら一般の社員よりも公私のけじめをはっきりさせるべき
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若干、著者の趣味と思われる事例がかえってわかりにくかったですが、全体を通してみると、なかなか良質な啓蒙の書だと思います。

というわけで、本日の一冊は、

『会計心得』
http://tinyurl.com/6eekr

です。今年こそは会計センスを身に付けたい、という方におすすめの一冊です。

■目次■
まえがき
第1章 自分は「コスト」である
第2章 数字を社内共通語にできる会社が勝ち残る
第3章 「受注と入金」こそ最大の仕事である――販売の心得
第4章 原料と設備が大事――製造の心得
第5章 原価が見えていなければならない――研究の心得
第6章 損益分岐点を知るべし――広報・宣伝の心得
第7章 究極のプロフィットセンターである――人事・総務の心得
第8章 最大のコストセンターである――経営幹部の心得
第9章 死んでも会社の財産は守るべし――経理・財務の心得
エピローグ
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