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『仕手の現場の仕掛け人真実の告白』

2006年08月05日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478631271

本日の一冊は、日系や外資、ネットなど、さまざまな証券会社を渡
り歩き、仕手筋の情報にも詳しい著者が、株式投資のダークサイド
に触れた、注目の一冊です。

この刺激的なタイトルを最初に見たときは、「この著者、こんなこ
と書いて大丈夫かな」と思ったのですが、最初の印象からすると、
若干肩透かしを食らった感があります。

内容は極めてまともで、証券業界の歴史や、個人投資家が最後にバ
カを見る構造、ファンダメンタル分析の話などがしっかりと載っていま
す。

とはいえ、集められているエピソードは、週刊誌も真っ青のかなり
どぎつい内容。

ねずみ講と変わらない仕手相場の仕組み、女とカネを握らされて営
業マンの思い通りになるファンドマネジャーの話などは、およそ一
般の投資家からすれば縁遠い話であり、いかに自分たちが何も知ら
ないか、思い知らされます。

本書に書かれているのは、前回BBM大賞を受賞した『ヤバい経済
学』同様、経済のダークサイドの話であり、またそれを動かす人間
の「インセンティブ」の話でもあります。

※参考:『ヤバい経済学』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492313656

もちろん、ここに書かれている内容は全体のなかの一部の話であり、
また、伝聞による記述も多いため、決して鵜呑みにするべきではあ
りません。

ただ、株価というものがどういう原理で動いているのか、どんな人
々の思惑で動いているのかを知る意味で、ぜひ読んで欲しい一冊です。

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■ 本日の赤ペンチェック
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証券界には、「肥った豚をシマ(兜町)から逃がすな」という格言
(?)がある。某大手証券会社では、「客を一人自殺させて、初め
て一人前」と言われたとも聞く。ある意味、非人間的な面があるの
が証券界という世界なのだ

◆仕手戦をぶち上げるための3要素
1.タネ玉(株)を安く調達する
2.出来高が少ない時に株価をつり上げる
3.高値で売り抜ける

仕手相場では、本尊を中心に買い上がり、いろいろな人に宣伝し、
提灯がついて株価が上がったところで、仕手筋が高値で売り抜ける
のが基本形だ

販売力があるということは、株の世界では相場形成力があることとイ
コール

大量推奨大量販売スキームでは、優良の大口客から順番に株を買わ
せて、最後に個人投資家に買わせる。個人投資家が買う頃には、株
価はすっかり上がってしまっている

ファンドマネジャーの成績は、運用成績ではなく、持っているアナ
リストの名刺の数で決まる

ファンドマネジャーだからといって、好き勝手な銘柄に投資できる
わけではない。「ユニバース」と呼ばれる投資していい銘柄が決ま
っているのだ

見方を変えると、株価操縦で悪いのは我々投資家ではなく、ボロ会
社が上場していること自体ではないだろうか

ポイントは、なるべく早く”タダの株”を手に入れられる銘柄かど
うかだ。それを把握するのが、仕手筋の”ファンダメンタル分析”

結局のところ、株価は需給で動く

実力があっても、人を呼び寄せる能力がなければカリスマにはなれ
ない。しかし、実力がなくても人を呼び寄せる能力がある虚業家は、
カリスマになれる。つまり、新たな仕手筋の本尊になりうるのである

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『仕手の現場の仕掛け人真実の告白』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478631271
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■目次■

第1章 仕手株とは何か
第2章 歴史的変遷を知る
第3章 職業としての株式投資
第4章 現在の株式市場と仕手筋の錬金術
第5章 投機的株価形成のしくみ
第6章 市場の未来

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