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『図解主義!』

2005年08月01日 | Weblog
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757303165
本日の一冊は、複雑なビジネス取引を、図を用いることでシンプルに理解する方法を説いた、注目の一冊です。

図解に関するノウハウ書は数多くありますが、本書のポイントは、図を描くことを目的としていない点。

描くことそれ自体よりも、描くことにより、取引の全容を示したり、自分の理解の度合いを把握したりすることを目的としています。

おもしろいのは、この方法でビジネスの構造や取引関係を図解すると、何が情報として欠けているか、どんな質問をすべきかが明らかになる、という点です。

事例として、ホールディングカンパニーやM&A、中国における外貨取引などを取り上げており、人によっては、これまで理解できなかったビジネス用語の意味を理解するいいきっかけとなるでしょう。

アウトプットをすると理解が深まる、というのは一般に信じられている原則ですが、本書の場合、アウトプットの形態を図解にすることにより、取引全体の構造を理解しようとしています。

日経新聞を読んでも、WBSを観ても、紹介されているビジネスの全容がわからない、という人にはおすすめの一冊です。
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■ 本日の赤ペンチェック
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大事なことは、あなた自身がいったい何を描こうとしているのか、自分にわかるように図解する、ということ

◆図解のパーツとテクニック ※一部紹介
・四角=人物、または企業
・実践矢印=「モノ」または「対価」の流れ
・楕円=所有されている対象物(資産、または負債)
・直線=所有状態を示す。通常は垂直、または垂直に近い
・フォーク型矢印=お金やその他の対価が、複数回に分けて渡される場合
・台形=法的権利を表すとき使う。楕円を代用してもOK
・株式は、ふつうは数だけで表現する。記載するべきなのは持ち株比率、または購入した/売却した株数

「理解する」ということで重要なことは何か。それは、パターンの認識をする、ということなのだ

図解するときには、あなたの理解・わかりやすさ・問題との関連性が、厳密な論理より、はるかに重要

◆時間を表す、3つの方法
1.矢印に番号をつける
2.時間経過で図解を分ける(Before & After)
3.プールコース方式(競泳用プールのコースに似た図式で表現)

◆「プロセス」を表す方法
1.フローチャート方式 2.プールコース方式 3.番号付き矢印方式

契約書の大部分は、「偶発事項」についての物語

◆偶発事項を表す方法
1.意思決定のダイヤモンド型
2.シナリオ別の分岐矢印
3.意思決定ツリー

動機とリスクを図解に入れることで、取引に対する理解が深まる

図解に欠けている部分を探すことによって、質問をひねり出すことができる
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『図解主義!』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757303165
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■目次■
はじめに:図解主義が目指す地平とは?
第1章 なんで、図解? -知らないことは何かを知る-
第2章 図解の基本 -だいこんを買う-
第3章 見えないものを買う? -権利の取引について-
第4章 時は金なり -時間を図解に表現する-
第5章 お好み焼きを作るには -プロセスの表現-
第6章 チャンスをつかめ! -どう転ぶかわからない、を表現する-
第7章 人を動かすものって何? -価値の矢印、リスクの矢印-
第8章 免許皆伝! -数珠つなぎ分解の術-
第9章 完成・図解術! -足りないものをあぶりだせ-
おわりに:図解をもっと身近に!
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