遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

昭和歌謡曲の軌跡65

2017-12-11 | 昭和歌謡曲の軌跡
日活は昭和32年の57本の作品を制作。33年には85本となり、同業6社中第三位の成績をあげ、毎月一本は必ず裕次郎映画を配信すると言う条件で専門館政策を推進し、32年度末の160館から、33年度末には399館と伸長する。

「勝利者」などの演技で32年度ブルーリボン新人賞を授賞した裕次郎は、33年も「陽のあたる坂道」の4億円を筆頭に、連続して2億円以上のは配収をあげるという前人未踏の記録をうちたてた。

歌手としても、主演映画のほとんどにつけられた主題歌に加えてオリジナル曲も企画制作され、それがヒットして映画にはねかえるといった具合いでブームを巻起こす。(その一例をあげれば、38年の浅丘ルリ子とデュエットした「夕陽の丘」がある。このヒットが翌39年一月封切りの同名映画となる、など)

松竹の宣伝部長をして「手のほどこしようがない」と嘆息させた裕次郎映画がかげりをみせはじめたのは、昭和36年頃からである。この年の正月第一弾は小林旭・浅丘ルリ子コンビの「渡り鳥北へ帰る」で配給収入3億円をあげて、はじめて裕次郎映画を凌駕した。

昭和40年、歌手生活十周年を迎え、初のリサイタル・ツアーを組んだが。このときまでに吹き込んだ曲数は100曲を遙かに超え、そのうち5万枚以上の売り上げを上げ、ヒット賞を受賞した作品は25曲、売り上げは500億円を超えている。
41年、石原音楽出版を発足させ、翌42年第九回日本レコード大賞特別賞を受賞した。

ここで、裕次郎の映画主題歌を中心にヒット曲を列記したい。
〈昭和31年〉
★「狂った果実」-中平康監督、北原三枝共演の同名映画主題歌。
〈昭和32年〉
★「俺は待ってるぜ」-蔵原惟膳監督、北原三枝・二谷英明共演の同名映画主題歌。
★「錆びたナイフ」-オリジナル曲。このヒットが、舛田利雄監督、北原三枝・小林昶・宍戸錠・白木マリ共演の同名映画となり翌年3月封切り。
★「嵐を呼ぶ男」-井上梅次監督、北原三枝・青山恭二・笈田敏夫共演の同名映画主題歌。ドラム合戦のシーンが話題をよぶ。
★「陽のあたる坂道」-田坂具隆監督、北原三枝・芦川いづみ・川地民夫共演の石坂洋次郎作品の映画主題歌。
★「鷲と鷹」-井上梅次監督、三国廉太郎・月丘夢路・浅丘ルリ子共演の同名映画主題歌で、映画は前年9月封切、レコードは33年4月発売。
★「明日は明日の風が吹く」-井上梅次監督、北原三枝・浅丘ルリ子・浜村美智子・金子信雄共演の同名映画主題歌。
★「風速四十米」-雑誌『平凡』募集歌で、蔵原惟膳監督、北原三枝・渡辺美佐子・川地民夫共演の同名主題歌で配収3億1000万円。
★「赤い波止場」-舛田利雄監督、北原三枝・中原早苗・大阪志郎共演の同名映画主題歌で配収2億2500万円。
★「嵐の中を突っ走れ」-蔵原惟膳監督、北原三枝、白木マリ・市川俊幸共演の同名映画主題歌。

心に響く今日の名言-夏目漱石

2017-12-11 | 心に響く今日の名言
「愛嬌というのはね、――自分より強いものをた斃す柔らかい武器だよ」
「それじゃ無愛想はじぶんより弱いものを、扱き使う鋭利なるぶきだろ」
(夏目漱石『虞美人草』17より)