遙かなる透明という幻影の言語を尋ねて彷徨う。

現代詩および短詩系文学(短歌・俳句)を尋ねて。〔言葉〕まかせの〔脚〕まかせ!非日常の風に吹かれる旅の果てまで。

現代詩「とろとろの吐露」

2010-07-23 | 現代詩作品
とろとろの吐露




川幅は見えないが
人と
人の、間にも
深く浅く流れている川
そのめぐりで
孤立するひと
孤立に悩むひと
孤立を観念するひと
それが川のせいか、どうか
こちらからは
暗くて見えないから
耳を澄まして
川音を聞く
小さな波立ちにさえ
心を痛める、やさしいひとは
そちらの世界に足を踏み入れているひとだ
きみはそれを否定するが
流れるものは
変わりやすくて
一夜にして世界が
一転する明暗
分かったことを言うなと
あの日の、きみは強気だったが、
強すぎて折れやすい
柿の木の枝のように
人と
人の、間にこそ
殺したいと思う
奴ばかりのあの頃は
泡沫の闇がとろとろ流れる
泥の川もあった

仕掛けられた網の目を
逃れるのは魚ばかりではない



*毎日暑い日が続いていて、そろそろ暑さから抜け出す頃かなと思いながら、
パソコンを叩いています。朝のうちは涼しいので今朝は無理して4時に起きました。