ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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J1第25節 FC東京対アルビレックス(調布・味の素スタジアム)1-4

2006-09-30 21:57:27 | サッカー
晴れ時々曇り。

FC東京は目下5連敗中。しかし先週の鹿島戦は旅行中で結果のみを現地でフォロー。
アウェイの試合を長らく見に行っていないので、この連敗中の試合は甲府戦だけしか見ていない。
したがって、ゴール裏の雰囲気や選手の様子など連敗中のチームを取り巻く環境というのが今ひとつ掴めていないまま、
久しぶりにホーム味スタに出かけた。

スタンドは表面的にはいつもと変わらない雰囲気だったと思う。
マスコミは大挙して平山のJリーグデビューを取材に訪れていたが、サポーターの方がむしろ冷静に受け止めていたと思う。
いかに早熟で鳴り物入りの大器であろうとまずは東京の一員としてしっかりと機能するのかどうかを見極めたいというところであろう。

結論から言えばことごとく「ズレ」を認識させられるゲームだった。
パス交換するときの選手同士の意識のズレ。
マークのズレ、ボールへの一歩のズレ(遅れ)、セカンドボールへのズレ。
ひいてはチーム個々の意識のズレ。戦術のズレ。
選手たちの能力は他のチームと比べても決して遜色はない。
客観的に言っても実力のある選手ばかりだと思う。
しかし、チームとしてとらえたときのわずかなズレ、無意識の齟齬がとてつもなく大きな障害になっている。
小さな一つひとつのズレが積み上がって、自分たちでもコントロールできないものになっているのではないか。

1点目は平山のポストプレーを起点に川口が放ったシュートが見事に決まった。
さらに2点目をと意気が上がり始めたところを、その出鼻をくじくかのようにわずか2分後に失点。
カウンター気味の速攻から東京ディフェンス陣のズレを突いたものだった。

序盤いい形で先取点が取れたのに、その勢いを削ぐような同点で早くも東京のプランが崩れる。
その後わずか5分後に逆転を許す。同じような素早いカウンターからディフェンス陣の混乱を突いた逆転弾だった。
前半は追いつけないまま終了。思えば前半で追いつけなかったことが勝負の分かれ目だった。

話題の平山は確かに体の切れに乏しく、万全には程遠いコンディションのように見えた。
それでも随所に見られる安定したポストプレーにはその大器の片鱗を伺うことができた。
少し時間はかかってもフィットしてくれば大きな財産になるのではないか。

後半は結局追いつけないまま、74分に松下のミドルシュートが決まり万事休す。
中澤が与えたPKからの4点目で完全に東京に引導を渡す。
ホームでの新潟戦には自信を持っていた東京が、今年はしっかりとリベンジされてしまった。

これで泥沼6連敗。依然として下位3チームとの勝ち点差に開きがあるものの、
残り試合数と今後の対戦相手を考えるとまったく予断を許さない展開となってきた。
だがこれも考えようで、優勝にも降格にも絡まずにグダグダとシーズンを終わっていくよりは降格争いであっても、
ひりひりとした緊張感の中でサッカーをやる方がよっぽど選手のためにはなる。
しかし、そうした屈辱を選手は深刻に受け止めてほしいと思う。
もうあとがないと思った方がいい。