ここではないどこかへ -Anywhere But Here-

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J1第22節 FC東京対ヴァンフォーレ甲府(調布・味の素スタジアム)1-3

2006-09-09 22:07:48 | サッカー
曇り。

FC東京のホーム試合のイベントでもっとも楽しいのは恒例のブラジル・デイである。
毎年サンバ隊のリズムを聴きながらブラジル料理なども食べられるという企画。
ポリリズムというのがなんとも心地が良い。サンバのリズムが聞こえてくるだけでブリーズが通り過ぎるのだ。
サンバの魅力はやはりウラ拍。三連を足で打ったりしてあの裏を打つリズムに身をゆだねるのは楽しい。

試合のほうはまるで去年までのデジャヴを見ているような感じだった。
先制される。前半1点も取れずに折り返す。
後半喝を入れられて怒涛のように攻めるが最後の詰めが甘く決定機を逃す。
そんな敗戦を去年まで幾度となく見せられてきた。

とにかく石川の調子がすこぶる良い。サイドをグイグイとえぐって行くだけでスタンドが沸く。クロスが上がる。
しかしすぐに跳ね返される。あるいは中に誰もいない。とにかくアイデアが単調なのだ。
こんなシーンを去年までも何度も見せられてきた。

結局のところ去年までの形に後戻りしただけではないのか。
それでもガーロ監督の頃のような、後手に回るともう何の期待もないようなずぶずぶのサッカーからは開放された。
ともかく攻めてペナルティエリアの近くまでボールを運んでくると、何かが起きるのではないかとわくわくさせられる。
それだけでもまずは良しとすべきなのか。少なくとも東京らしさは戻ってきた。

しかし、それが通用するのも甲府のような相手だからではないか。
相手が前に出てくるからカウンターの応酬になっているに過ぎない。
甲府がラッキーだったのとバレーの個人技にやられた格好で、負け惜しみではなくどっちが勝っていてもおかしくない展開だったのではないか。

フロントはいずれきちんと総括しなければいけないし、このことについては後日また自分なりの考えを書いてみようと思うが、
ガーロという回り道をして去年の原サッカーにまた戻ってきたという感じがどうしても否めない。
それをよしとするならそれもそれで考え方だと思うが、それではフロントは自己矛盾に陥りそうな気がする。

それが私の思い過ごしであればいいのだけど、何かもうひとつ突き抜けるものがないと、今年は回り道をしただけで終わりそうな気がする。
サンバの高揚でサポーターも篤く後押しをしただけに余計にもやもやとした思いだけが残るゲームだった。