フリーターが語る渡り奉公人事情

ターミネイターにならないために--フリーターの本当の姿を知ってください!

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寮ーーこの辺鄙なところ

2006-08-31 18:21:19 | 現状
寮まで歩きながら 

先ほどの記事に登場してもらったAさんに、バス発着場のあと、その会社の寮に案内してもらった。Aさんは以前そこから工場に通っていたのだ。道すがら、寮での生活について説明してくれた。
 歩いて移動できるものの、けっこう遠い。バス発着場まで30-40分はかかる。辺鄙な町の、さらに辺鄙な場所に寮はある。駅にも、一番近いコンビニにも、同じくらいかかる。自動販売機もちょっと離れたところにある。靴づれした足で動くのは痛かったり通常以上に疲れたりするだろう。
周囲に商店街もないところで、何かと不便だ。暗い夜道はお店もなく、殺風景なコンクリートがための環境で、街路樹ひとつない。わずかに田んぼがあるだけの不気味な路地を二人でてくてく歩いてゆく。
<2006.9.8付記>歩きながら、Aさんは話す。朝はバス発着場まで駆け足すること。工場についてから着替えること。正社員なら社員食堂で従業員割引を使える。けれど、派遣は使えないといったことを。<2006.9.8付記>
 都市のドーナッツ化現象によってさびれた市内中心部からさらに外れた住宅街の、あまり目立たない一角にその寮はあった。人の住む世界から外されかけているような周辺の建物だった。
 6畳に2人入っているのだとAさんは寮の前で窓のあたりを指差して言う。
「まるでタコ部屋か、それの一歩手前みたい……」と思わずつぶやくわたし。
Aさんは沈黙している。
「こんな目立たない奥まったところに寮を作るなんて、社会的排除の見本みたい」
といささか評論家風の間の抜けた感想をわたしは述べた。
Aさんは軽くうなずいた。
九州出身の人たちが多数入寮していて、寮の中は“リトル九州”だとAさんは言う。「それはどうして? やっぱり地元の人はウワサをききつけて、あそこはコワいところだから行かないほうがいいっていうことで避けちゃうの?」とたずねてみた。「そう」といってAさんはうなづいた。
そういえば、井原 亮二さんの「トヨタの労働現場」でも、自動車工場で働く人は圧倒的に九州・沖縄出身者が多いというデータが紹介されていたっけ。ちなみにAさんは、同じ京阪神圏内とはいえ、かなり方面の違って離れたところに実家と下宿がある。なので、たまたまそこで働くことになったのだとか。事実、派遣会社の人には「気の毒に」ということを言葉や態度で示されたと彼は語った。
 寮の食事は、揚げ物ばかりだとはAさんの言。これは、鎌田 慧さんの「自動車絶望工場」ならびに伊原亮二さんの「トヨタの現場労働」にある記述と一致する。「自動車絶望工場」は1970年代初頭の話だった。2000年代の今も、とある自動車工場に人を送り込む会社の寮は、揚げ物ばかりなのか!? ←いまどき冷凍食品でも、焼きナスとかさぬきうどんとかもあるんだけど……。同じように現代の財閥みたいな企業のひとつ・松下なんて、社員食堂に煮物も炒め物も酢の物もそろっていますよ・・・・
 当然、重労働で疲れた体がそれで満ち足りるはずがない。なので、近くの100円ショップをよく利用していたという。寮で食事が支給されても、食べられないのでは仕方がない。低賃金のなか、100円ショップで買えるものは買っていたそうだ。
実はその100円ショップはわたしの近所の店でもあり、よく利用している。中国製の食べ物の安全性は不安だし、シャケ缶を買って開けてみたら中骨だらけで身がほとんど入っていないこともあった。傷みかけのおにぎりや豆乳などをムリヤリ販売していることもある。文房具のファイルやクリップが購入後一週間以内で壊れてしまったこともある。一部の問題のないもの以外は、財布に余裕さえあれば利用したくない店だ。しかし、カネがなければ仕方がない。Aさんも同じ状況だったのだ。
「寮の中ではひたすら寝るだけ」、とAさんは言う。その物言いからうっすらと、しかし確実に、つらさが伝わってきた。
「これじゃあ、プライベートは休むか、用事をこなすだけで、充実しようもない?」
「そう」
Aさんは言葉少なに答える。うちひしがれた調子で。おそらく、このことを人にしゃべるのにも大変なエネルギーを要するのだろう。
塀に囲まれた2階建ての寮。その側面から玄関のほうにまわってみる。門前から中をのぞく。監獄を盗み見ているみたいな感じ。工場と同じように合理化されたのか、飾りもゆとりもない建物のなかに、靴箱が見えた。スニーカー風のサイズの大きい靴が靴箱の中に並んでいる。靴はどれもくたくたにくたびている。それだけでも寮に入った派遣労働者の仕事と生活の厳しさを物語っている。
静かな環境は、派遣労働者の若いエネルギーが仕事のために100%搾り取られたことを意味している。Aさんの話によると、寮にはだいたい19-20歳くらいの人たちが入っているのだ。もし少しでもゆとりがあれば、外に出たり、流行の音楽をかけたりしている人たちが、夜遅くまで起きているだろう。そうするだけのゆとりもないのだ。
こんな環境におとなしく従う労働者はどうしてできるのだろう? やはりゆとりのない再生産、とりわけ学校教育によるのだろう。わたしは学校教育を受けなかったので、それを批判することができるにちがいない。
学校教育を受けない落ちこぼれになると、小さいころにゆとりを切り捨てれば大きくなればゆとりが出てくるなんていう教育社会学の文言にひっかかったりはしない。それが偽りの約束だと気づいているからだ。

寮のある環境

あたりは暗く、Aさんはわたしに伝えるべきことはあらかた伝えた、といった感じになった。そこで話をきりあげ、2人は駅に向かって歩いていった。うるおいのない殺伐とした郊外の風景の中を、ひどい労働と生活をもたらす会社の政策への驚きと無力感をかかえ、虚脱の海でおぼれそうになる。それでも必死でボートをこいで家に戻ろうとするような感覚を覚えた。怒りよりも、悲しみ、自分が自分ではなくロボットか何かになるような感触を味わった。気持ち悪さ、疲れる感覚。生命がやせ細ってゆくような学校的な感じ。
駅まで到着すると、なんだかもうくたくただった。やっとシャバに出れた感じ。「自動車絶望工場」でも寮の外はシャバと呼ばれているという記述がある。このことも今日まで変わらないのか。
Aさんはもっとつらかっただろう。よくつらい思いを味わったところに案内してくれたものだ。とにかく、感激、および感謝。

明るい時間の寮

後日。その寮を明るい時間帯に訪れた。
今度は自転車でやってきたので、寮の周囲をぐるりと一周してみる。
付近にあったもの。市のゴミ集積場。旧財閥系企業の製紙工場。中小の住宅。だいたいあまり新しくない。地震が来たら半壊はしそう。
地元鉄道会社が推進する高級住宅地は、山の手のほうに集まっている。遺跡を発掘するための大きな空き地。川べりにもう十数年は人が住んでいないような小さなボロい家が3軒ある。取り壊し寸前といった模様。
近所にあまり商店はない。少し大きな道に出ると、商店街がある。不動産屋もある。借家の広告を見てみると、市内中心部よりもやや家賃が安い。やはり市の中でも周辺的なところなのだ。お世辞にもあまりリッチとはいえない保育園もあった。<2006/9/11付記>建物や子どもの服装、門の外から見える内部の施設のお粗末さなどによって分かってしまうのだ。。<2006/9/11付記>
ぐるっとあたりを一周していると、3軒も針灸院があった。これがこの寮と関係あると言えるのかどうかは、詳しく調べないと断言はできない。それでも、やはり関連を疑ってしまう。つまり、過酷な肉体労働を強いられる人たちの寮の近くだからこそ? と。だがまだ決められない。はっきりとそう言うだけの材料がそろっていないのだ。
それにしても寮の周辺は、山の手の高級住宅街とはなんという違いだろう。自転車で十数分移動するだけで、まったく別世界がひろがっているのだ。
高級住宅街には大きくて立派な家が並び、大型犬を飼育する人も珍しくない。カルチャーセンターやならいごとの広告が立ち並んでおり、ゆとりのある世界だ。人々の着ているものは布の質がよく、言葉づかいもきれいで、上品で鷹揚な感じの人たちが多い。
しかし、こちら側はそれほどでもない。そして寮の人たちは・・・? 味気なく冷たい世界の住人は、疲れた体で工場とバス発着場と寮のトライアングルをまわる。あまり裕福ではない格好で。環境良好とは言えない住宅街の場末の寮で、へんぴなところにある工場での疲れもとれないまま、仕事のためにでかけるのだ。

人に聞く

この収容所のような寮にどんな人が住んでいるのか。どんな仕事をしているのか。どこの出身者が多いのか。地元の人たちは知っているのだろうか? もし知っているのだとしたら、どのくらい詳しく分かっておられるのだろうか?
昼下がりに寮の周囲で通りすがりの人たちに聞いてみた。

年金暮らしとおぼしき女性。「あそこにNって会社の寮があるんですけど、どういう人が暮らしているか知ってはりますか?」「うーんと、ごめんなさい。分からない」
サラリーマンらしき男性。「あのー、あそこの建物が寮になっていっるんですが、ご存知ですか?」「ううん、知らない」「あそこで、派遣とか偽装請負で若い人たちがかなりこき使われているんですが、知ってはりましたか?」「え?いや、わからない」
主婦と思われる女性「えーと、あそこにNという会社の寮があるんです。で、若い人たちが朝早くから夜遅くまで働いているんですがご存知でしょうか?」「は?」
「お盆前に朝日新聞が偽装請負について特集していましたよね? そういう形で葉働いている人がいるんですけど・・・・」「すまないけれど、よくわからないの」

寮に誰が住んでいて、どんな仕事をやっているのか、近所の人たちはさして関心もなく、認知していないようだった。聞いてみた人の数は少ないし、あまり洗練された質問ではなかった。それでも、近くに住んでいるからといって、ひどい労働の実態についてほとんどの人が了解しているとしたら、たぶんこんな反応にはならない。量はともかく質的にはそう考えられる。社会的排除とは、具体的にはこのようなものなのだ。
こんな風に町内会も地域商店街も弱体化した地域社会のなかで、地元に定着すれば、周囲の理解者に恵まれたり、正社員になれたり、労働争議を起こせば支援してもらって成功できる見込みは限りなくゼロに近いのではないか。若者は地域または職域に密着しろと熊沢誠は言う。
それは、若い世代に働かせて年金をとりたい上の世代のエゴの反映ではないだろうか?
そして、現在の地域社会の実情を無視した、19世紀のイギリス・アメリカの労働争議の賛美は、現代日本の地域社会の実情にはそぐわないのではないだろうか?
同じ地域に住んでいるから、近所のものだからといって利害が一致するとは限らない。ツーカーで分かりあえるともかぎらない。そんなの、当然のことではないだろうか? 「みなが同じ着物を着ている幸せなムラ社会(保田 與重郎)」にわたしたちは住んでいない。みなが違う服を着ている個性豊かな都市社会に住んでいる。それを認知したうえで、どんなふうに社会を改善してゆくかが課題なのである。
そもそも、みんなというのが誰と誰のことなのか、地域社会とはどこからどこまでを指すのか、みなが同じ服を着ていれば幸せなのか。それは一般論として誰にも言えないことなのである。そういった恣意的な価値観を違う世代・階層に押しつけられるはずもない。
そこで、若い世代の主体性の間違いを指摘しても、問題は解決しない。というのが管理人の立場だ。読者は?


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派遣のバス発着場

2006-08-31 17:48:35 | 現状
派遣・請負で働いた経験者Aさんに、バスの発着場に案内してもらった。写真は、カンバンだけを携帯カメラで撮影したもの。

このバス発着場は京都府近郊にある。「源氏物語」のなかで、島流しになると決まった光源氏が、「こんな辺鄙なところまでもう来てしまった」となげくシーンがある。その舞台にほど近いところだ。ここ20年ほどは地元鉄道会社がニュータウンを建設し、大阪・京都両方面に通う人たちのベッドタウンともなっている。

さて、このカンバンには、空き缶を投げ捨てたりタバコの吸殻を捨てたり大声で騒いだりしないように、という注意書きがある。おおぜいの従業員を十把ひとからげに幼児扱いしている。失礼だ。だいたい、朝6時にバスが出て、夜は深夜1時まで労働するのだから、疲れ果てて大騒ぎするエネルギーも残っていないのではないか。仮にも16歳以上の人たちに対する注意書きとは信じがたい。もしも迷惑行為をする人がいたら、個々人に注意すればいいことだ。だいたい、ただでさえリストラ圧力にさらされている立場の弱い人たちが、そうかんたんにマイナス評価になるようなことをいつもやっているとは信じがたい気もする。もしそんなことをやっているとしても、会社の労務管理がモラル低下を生んでいるのだとしたら、心がけ用語では問題の解決にはならない。
そのうえ、4sという注意書きもある。「これは何?」とたずねると、Aさんいわく「整理、整頓、清潔、あと何だったかな?」との話。図書館で借りた鎌田慧「自動車絶望工場」の16ページにこうあった。「4sとはせいり、せいとん、せいけつ、せいそうを指します」鎌田さんもAさんも言うには、なんでも事故を防ぐための心がけだとか。
しかし実際には、労務シフトや機械に問題があれば、事故は防げない。これは気休め。結局、トラブルは従業員の「自己責任」というのが会社の論理なのだろう。また、ベルトコンベア特有の単調さ、騒音や振動もこれで小さくなるわけではない。騒音が小さくならなければ耳鳴りは防げない。振動が小さくならないと、ベルトコンベア酔いもおさまらない。安全靴を改良しなければ、靴づれもできつづける。これではごまかし・責任転嫁ではないか。

バスが発進するときにNHKのラジオを時計がわりにかけている。ここに来ると、その音を思い出すとAさんは言った。重い口調、辛そうな表情だった。体の筋肉は全体的にこわばっているのがわかった。きっと彼はイヤなことを思い出して、たいへんだったのだろう。わたしだって、ひどい環境だった会社には近寄りたくないものだ。

その日はもう日も暮れて、あたりはすっかり暗くなっていた。
なので、次の日、バス発着場に行って携帯電話で写真を撮って、このブログに投稿した。
明るいところで見たバス発着場の周囲の風景は、さびしかった。あたり一面、古びた団地があり、わずかに田畑があった。大きな道もなく、開発から取り残された地域、といった趣だ。

ところで、近所の人たちは、そこから派遣会社に向かってバスが往復しているのを知っているのだろうか?
ためしに聞いてみた。

自営業と思しき中年の男性。「あのー、あそこが(と指差す)バスの発着場になっていて、朝と夕に、大山崎の工場に派遣の人たちが移動するんですけれど、このことをご存知ですか?」「知っているよ。」「どんな人たちが、どんな仕事をしているかは分かりますか?」「さあ、知らないな」
農業をしているじょうろをかかえた年老いた男性。「あそこから、毎日バスが出ているんですよ。そのことは知ってはります?」「うん、知っている。」「どんな人たちがどんな仕事をしているか分かりますか?」「臨時工みたいな人が働きに行くんでしょ」
中等学校の生徒。女の子3人連れ。「ちょっとおうかがいしたいんですが。あそこにバスの発着場があるのは知っていますか?」「(3人で顔を見合わせて)え、知りません」「そこから毎日、どういう人たちがどんな仕事のために出発するか、分かりますか?」「(キョトンとした風情で)さあ、よく知りません」
日傘をさした専業主婦とおぼしき女性。「すみません、あそこにバスの発着場があって、いつもでかけている人たちがいますよね?」「ごめんなさい、よく分からないの。」「そういう人たちがいるんですよ。で、どういう人たちがどんな仕事をしているかご存知でしょうか?」「いいえ、分かりません」

こうしていくらかの聞き取りを得て、近所の人たちのバス発着場と若い派遣・請負労働者への認識は、薄いけれどまったくないわけではないことが分かった。

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最近のアクセス状況

2006-08-31 17:39:35 | Weblog
別にランキングをいつも意識してるってほどじゃないのですが。
もうそろそろ読者も減ったかな? と思ってもけっこう見てくれてるな、と。
読者からのメールには、励まされ、かつ学ばされています。
とにかく、感謝です。




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派遣・請負のVDT作業--眼が壊される!

2006-08-25 22:47:02 | 現状
以前、関西のあるブランド企業の子会社で、VDT労働についたことがある。やはり、派遣会社から派遣されてのことだった。それも、数えてみたら全部で5重派遣だった。2ヶ月の契約だった。
そこでの仕事は、CCDカメラに使うムカデ型の半導体が正常に作動するかどうかを見分ける検品作業だった。
それを、労働論のなかではVD労働ということを、労働運動関係者から知らされた。おそらく VDとはview disprayの略だろう。
また、公衆衛生学のテキストを見ると、VDT(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)作業と記されていた。
ひとりで机の前に座り、1センチ四方かそれよりも小さな半導体を、機械にセットして、正常かそうでないかによりわけていく。未来学者のA・トフラーがかなり前に「セル生産方式」というのを紹介していた。第二の波の工業化社会では重厚長大におおがかりな装置を使って大人数でやっていた作業が、第三の波のコンピューター化社会では個人がひとつの工場のような仕事をやることになるだろうというものだ。おかしいことに、個人でやれる作業なのに、みなほとんど同じ時間に出勤して朝礼をやっている。制服もある。ひとりひとりばらばらに仕事場に出てきて、自分のペースで仕事をやってもよさそうなものなのに、そうしていない。
具体的に一時間でいくつ、といったノルマは示されない。教えてもらおうとすると、嫌がられるので聴かないことにする。だけど、もっと早くたくさんやれと一日に何度も正社員らからせかされる。

で、問題は作業のすすめかただ。わたしは9:00~15:30までのシフトだった。お昼に45分休憩があるほか、午前と午後に一回ずつ5-10分の小休憩がつく。単純作業ではよくある小休止で、パンフレットのおりこみ、封筒へのシールばり、宅急便の荷物運びなどで経験したことがある。

さて、公衆衛生のテキストにはなんと記されていたか。クイズ方式の国家試験のテストに出た問題を改編した形で、VDT労働による障害の予防対策を選ぶようになっている。
その解説によると、一定の指針がある。
ポイントをかいつまんで紹介しよう。
*1「・視力検査は、(中略)配置前健康診断・定期健康診断に含まれている。
・一連作業時間が一時間を越えないようにし、次の連続作業までの間に10~15分の作業休止時間を設けるよう配慮が必要。
・いすや机の高さが個人的に調節できるようにする。
・画面の輝度調節はVDT作業従事者が容易に調節できることが望ましい。」

これら4つの産業保険上の注意事項は、少なくとも自分の働いたその同族企業ーー華麗な閨閥を誇り、天皇家とも家レベルでのつながりがあるーーでは、ひとつも実施されてはいなかった。
長い期間その仕事についた人は、目を壊してその仕事ができないレベルにまでなっていた。その障害者はひとり、荷物を運ぶ部署に配置換えされていた。また、多重請け負い会社から事情を説明されずにつれてこられる若い労働者は、あまりの目のいたさ、それに周囲の正社員の冷たさに耐えられず、1日2日でやめるものが後を絶たないのだ。もし他に仕事のない状態でなかったなら、わたしだって一ヶ月もつとめられなかったと思う。
自分も、ものを見るだけで目が痛くてかなわなくて、神経が破壊されたような尋常でない疲労を味わった。また、痛みが治まった時期には、モノがいつもの1.5倍とか2倍に見えた。もののサイズや遠近感がつかめない状態になっていた。眼医者に相談しても、疲れ目の目薬を処方して、「どんな仕事にもつらいことくらいあるがな」と家父長的な温情主義によって、半分怒鳴るように説教をたれるだけだった。その目薬も、職場の休憩時間に指していると、白い目で見られた。リストラの口実にされても困るので、トイレでこっそり指すようになった。
なお、あるオルタナティブ塾の塾長にこのことを報告・相談すると、「ワタリさんはもうダメな人だから」と嘲笑していた。別のフリースクール主催者に相談してみると、「自立心がないから」「親をはじめすべてのものに感謝しないから」と責められ、精神的価値を破壊し物質的利益のみを追い求める労働組合などに一切かかわらないようにとの助言をいただいた。また、本を読むのをやめるようにとも言われた。
やっと失業から抜け出せた安心感がすべて吹っ飛ぶような、生きているのがイヤになるような作業だった。なるほど、一日や二日でやめる人がいるわけだ。一週間でやめる人もいるはずだ。

たった一日で逃げるように会社を辞めてゆく人が当たり前だということをある労働組合アクテイヴィストに話した。すると、「それは無理もない。ある意味健全な反応だと思いますよ」とコメントをいただいた。読者はどうお考えだろうか?

若い世代に必要なのは、合宿や根性きたえなおしではない。力動精神医学でもない。
適切な仕事、適切な労務管理、産業医の助言、素人の学び。それらが真に必要なものではないだろうか?


*1 「QUESTION BANK 保険医療論・公衆衛生学 1998年度版」国試対策問題集委員会 MEDIC MEDIA 1997 375P



お断り 2006/8/31 誤解を受けやすい箇所にわずかに訂正を入れました。大意に変わりありません。

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自動車工場への派遣

2006-08-25 21:01:15 | 現状
大阪北部のある派遣・請負会社から派遣先企業に送られて、自動車の部品の溶接にたずさわった20代男性から話をうかがった。
彼は自分でも聞きとりをすすめており、相互取材になった。
そこで知らされたのは、人間を犠牲にして進んでいく科学技術と産業の姿だった。
同時に、そこにこそ人間工学のフロンティアが開けている。
くつづれしない安全靴、人にばね指を起こさないで操作できる溶接ロボットの開発が待たれる。
労働者をいたぶらない技術が求められているのだ。

また、若い世代に必要なのは軍隊型の共同生活や道徳的な説教やカウンセリングではないことも、彼の話から明らかだ。それよりも適当な休憩が必要なのだ。いや、こうした労働は、すべての人間にとって過酷で不適切と言えるのではないだろうか? こうした現場ラインでの人間の使い捨てをはじめから組み込んだ自動車というものを、これ以上作る必要はあるのか? もしも人が手を切ったり、老後耳なりに悩まされたりするリスクの低い、振動が小さくて体を痛めにくい自動車製造装置ができたとしたら、採算にあわないのだろうか?

科学技術は、20世紀に大きく進歩をとげた。テイラーの「科学的管理法」、フォードのコンベア・システム採用、さらに電子兵器の開発、フェルミによる原子炉の設計、広島・長崎の原爆。
その流れを見ていれば、どこかで人類は、自分たちが作ってはいけないものを作り、普及させたとしか思えない。人類の一部を犠牲にし、他の一部を豊かにして栄えさせる点では、戦争のための兵器も、自動車絶望工場も同じ構図を描くのだから。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
2000年代なかば。スポット・バイトを主にうけおう派遣会社に登録した青年Aは、2ヶ月の契約を結んだ。「大変そうな仕事だけれど、それくらいなら耐えられるかな?」と思って契約書にサインしたのだ。

派遣先は、とある同族経営の会社の子会社だった。そこではだいたい10代おわり~40台くらいまでの男女が働いている。
まず仕事場に入るための装備が重い。建築現場用ヘルメットを頭にかぶる。ゴーグルもかける。これは、溶接のさい飛び散る高温の鉄粉から目を保護するためだ。耳栓もする。これがなければ老後、耳なりに悩むことになるという。いったい何ヘルツの騒音なのか。つなぎの作業服の上には厚手のコットン製のエプロンを着用。腕には厚手のコットン製の小手をまく。手は軍手を二重にしてはめる。さらに足元には安全靴だ。「ひたすら重く、靴ズレの元」だという。「だけど機能はちゃんとはたしている」、ともAさんはつけくわえた。

これほどたくさんの“防具”を身につけてスポット溶接という作業に入るわけだ。
鋼板製の板状の部品を機械にくべる。運ぶときには、注意が必要だ。角度によっては手を切ってしまうからだ。それも、下手をすると二重にしてはめた軍手の上からでも手を切ってしまうことがあるという。
二つ以上の部品を、上と下から挟み撃ちのようにして、溶接をすすめていくのだ。そのほか部品にはゴム板もあるとか。少しの空き時間には、ヤスリがけや機械のメンテナンスも入る。そのため、お昼の45分休憩のほか、午前に1度、午後に1-2度ある5-10分の小休憩時間のほとんどがないに等しい。

LEAN生産方式といって、ムダをそぎ落とす方法が職場を支配する。もち時間はタクト・タイムと呼ばれている。Aさんの場合、3分20秒で14-16種の作業をこなさねばならなかった。
この仕事の“キモ”は、Aさんの言葉によると、「資格なしで使える。けれど危険」だ。資格というものの性質について考えさせられる。今の日本の資格の場合、それほど大変ではない仕事にハクをつけたり、教育資金のない層を排除する機能のほうが大きいのかもしれない。かつてわたしが派遣・請負から送り込まれた別の同族会社の子会社でも、「どうしてこういう危ない作業を、資格も研修もなくやっているの?」という例はあった(くわしくはちかぢか別の記事で)。そのへんのところがどうなっているかはこれから改めて調べてゆきたい。
そこではかなりの数の人たちが、二重の軍手をはめた手でボタンを押すだけの作業をやっている。その作業を2-3日も続けると、さっそく「ばね指」にかかってしまう。経験的に言っておおむね仕事をやめてから2-3日でその症状はとれるとAさんは言う。
その職場では、何よりも長時間労働で体を壊す人が多いともAさんは言っていた。
「うわあ、これ、キツイ仕事だねー。それでも、よく2ヶ月も持ちましたね」とわたしは驚いて見せた。そうすると、こんな答えがかえってきた。
「自分が2ヶ月間も続けられたのは、運がよかったから。たまたまタイミングの関係で機械のメンテナンスをやらずにすんだ。なので他の人よりも少しでも多く休憩をとれたからですよ。」「もしそうでなかったら、とても2ヶ月も勤めるなんてムリだったと思う。」


その後、Aさんとわたしは連れ立って、近くにある大型書店に入った。お互いに、労働・失業・ならびにファシズムに関する本に関心が高い。互いに重要と思える書物を紹介しあい、「この本が○○図書館に入っている」「この人(著者)はどちらかといえば右(左)」などと刺激的なおしゃべりをして楽しい時をすごした。
彼が今仕事に入ることの多い請負・派遣の会社ーー以前わたしもそこで働いたことがあるーーでは、マスコミの偽装請負バッシングについてどう対処しているか、聞いてみた。「会社は大した処置はとってませんよ」というのが答えだった。「やっぱり。アルバイトだから、若いからってナメているんだね」とわたしは答えた。
Aさんは無言でうなずいた。

当ブログ内関連記事 自動車工場への派遣シリーズ

派遣のバス発着場
寮ーーこの辺鄙なところ


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ある派遣労働者の意見

2006-08-21 02:01:16 | 現状
ある派遣労働者の意見


今現在派遣・請負業界で働く人たちは、自分たちの仕事についてどう思っているのだろう? とある派遣で働く20代男性からこんなメ-ルが舞いこんだ。本人の許可をとり、個人・会社名など固有名詞を消したうえで、紹介したい。

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ワタリ 様

イワノフです。
職業 日払い肉体労働者
明後日もとある派遣会社にて奉公しなければならない、三十路を目前に控えたものであります。

さて、ワタリさんのブログを拝見させていただきました。感想といたしましては、(ここに特定の個人・企業名が入る記述がある。そのため、一部省略)怒りを通り越して、暗澹とした気分になりました。
私が、働いている工場の休憩時間も45分間です。私は大食らいなので、せかせかと、飯を食べますが、久々に会った友人に「品が悪くなったね。」と、言われて、ヒヤリハッとしました。その後、かなり落ち込んだことは、言うまでもありません・・・。そして寝込んでいる人もチ
ラホラ。
作業の時は、チャップリンよろしくモダンタイムズです。今、日本の工場が「絶望工場」化「無気力製造工場」と、化していると思うのはボクだけじゃないようですね。

そして、「二重派遣」を防ぐために、常駐管理者がやってきましたが、このヒトも、「北斗の拳」のラオウの部下、みたいなやつで「請負会社=ソフトなヤクザ」という意見にも素直にうなづけます。
これだったら、「二重派遣」の方がよほどマシです。

「かような状況を、研究者の皆さんは、把握しているのか?」
ワタリさんの問いは、我々のような非正規労働者の叫びでもあり、そして、私自身の問いでもあります。

お返事は、ご都合の宜しい時に、長々と失礼いたしました。

イワノフ

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前略

イワノフ 様

ワタリです。さっそくのメール、ありがとう。
あの日、終電にはなんとか間に合いました。イワノフさんはどうですか?
労働契約法制の資料に少しずつ目をとおしています。これは大変な法案です。教育基本法改正に対する、労働基本法の改正はいつかやってくると予想していました。それが今頃こんな形で出てきたな、と思っています。

>久々に会った友人に「品が悪くなったね。」と、言われて、ヒヤリハッとしました。その後、か>なり落ち込んだことは、言うまでもありません・・・。

こうしたことを、ブルデューという社会学の人は「階層脱落」と言っています。最近でこそ言いにくい雰囲気ができたけれど、一時の日本のマスコミは、「今の子ども・若者はひ弱で情けない」という視点から、「自己愛が強すぎる」「プライドが高すぎる」などとひやかしつつ叩いてきました。これをわたしは子ども・若者・労働者への3重差別とみなし、ブログで反対の記事を書き続けてきました。これからもそうするつもりです。

>今、日本の工場が「絶望工場」化「無気力製造工場」と、化していると思うのはボクだけじゃ>ないようですね。
そうですね。事情に通じた派遣労働経験者、組合の活動家、現場取材の豊富なジャーナリスト、リベラルな立場の労働行政の人など、基本的に同じ認識だと思います。
そうした「絶望」とか「無気力」製造工場で働く派遣やアルバイトの人たち(おおむね若い世代や女性・あるいは障害者)を、「やる気がない」「努力をしていない」などと激しくこき下ろすのが、いまどきの「勝ち組」なのです。

>常駐管理者がやってきましたが、このヒトも、「北斗の拳」のラオウの部下、みたいなやつで>「請負会社=ソフトなヤクザ」という意見にも素直にうなづけます。

そうですね。何社かわたしも派遣・請負を経験しました。もう電話をかけるだけでヤクザっぽいムードに満ちています。面接に行くと、ヤンキーあがりの荒っぽい無法者がカウンターに腰を下ろし、語気も荒く身振りもはげしく応対している。派遣元会社の営業の怒鳴る・すごむといった指示は、恐喝かとみまごうほど。プライバシー意識もない。そりゃ、パソナでなくても個人情報なんか守られるはずはない。ホント、「北斗の拳」の世界ですよ。従業員はしょっちゅう「ひでぶ」「あべし」「ぶはっ」って悲鳴をあげて、体をぼろぼろにされています!

>「かような状況を、研究者の皆さんは、把握しているのか?」
>ワタリさんの問いは、我々のような非正規労働者の叫びでもあり、そして、私自身の問いでも>あります。

何も文科系の研究者に過剰な幻想を持とうというのではありません。ただ、大事な審議会などにそういう系統の人たちが出席して政策が決定されます。ならば、こちらもロビー活動みたいなこともやったほうがいいのじゃないかと思ったりして。京都のユニオンネットワークでは、そうした審議会に呼ばれる学者さん相手に話しあいを求めていますよね。


それでは、職場の事故には気をつけて。お互い、いい取材ができるといいですね。今日はこれで失礼します。

                                             ワタリ

                            



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「タカマサの気まぐれ時評」へのTB

2006-08-21 01:54:35 | 現状
この記事は、「タカマサの気まぐれ時評」の偽装請負関連記事「経団連会長、偽装請負の解消策を検討へ(朝日)」へのトラックバックです。最初、コメント欄に書こうとしたのですが、思いがけず長くなったので、トラックバックに切り替えました(~_~;)。

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おひさしぶりです、タカマサさん。

この記事で話題になっている経団連の謝罪は、おかしいですね。「タテマエとホンネは違います」と言っているだけでしょうね。ひどい待遇や違法行為で苦しめられた労働者や半失業者らよりも、「世間を騒がせて申し訳ない」「お上の法にそむいていけないことでした」くらいの認識ですよね?

アウトソーシングや価格破壊といった一連の改革が、次の世代の労働力再生産を大規模かつ早い速度で破壊し、さらに雇用の底を割ってしまった。それも、お上が当初想定したよりも徹底した破壊っぷりだった。こうなるとさすがに、一部の労働行政やマスコミが見て見ぬフリできなくなった。世論のムードも急激に偽装請負で働かされるフリーターらに同情するようになった。そのため、「コミュニケーション能力」を発揮して、「空気を読んで」、謝罪しておいたほうが、ってことですか。労働組合の反省の弁も別にあって、あれもいまさら何を、って感じだったけど。経営陣のほうも人をナメていますよね。松下の関連企業では死者さえ出ているし。(この部分はハラナ・タカマサさんのコメントのあと加えました。)本来、土下座会見しても足らない事態だと思いますよ。(補足ここまで)
ちかぢか、ブログにトヨタの関連企業で働いたアルバイターから聞いた話をUPする予定です。そこも、聞きしに勝るひどい労働です。その人からお話を聞いている間中、ちょっとした説明のしかたひとつとっても、派遣・請負会社が、若い人たちをナメていることが伝わってきました。

>「請負会社の従業員の能力を発注企業の指>導なしで請け負える水準まで向上させる対>策」ってのは、具体的にはなにを意味して>いるんだろう?■「まるなげ」できる体制>づくりってこと?

いちおうそれで違法にはなりません。だからといって問題がないわけじゃない。
実際に派遣・請負に出されるのは、訓練や資格なしでできる作業です。にもかかわらず、危険であったり体力・集中力・忍耐力が試される仕事なんですけれどね。
それに、おおかたの派遣会社の営業は、現場には極力行きたがりませんよ。悲惨の見本みたいだって知っているからです。たとえばケガが多発する、通風・通光が悪いなど労働安全・衛生環境の悪いところ、辺鄙なところ。そのうえ、派遣がいじめ用サンドバッグ扱いされるところが大半なんです。それを派遣元会社の人間は知っている。まともな職場のほうが珍しいと知っているからです。
そのうち違法とかヤミとかいうことだってよくあると、その人たちは分かっているます。派遣元会社の営業で、職場を一度でも見学に来たり、勤めはじめるときにいっしょに現場まで直行して派遣先にあいさつしたりするのは、まだマシな会社/個人です。

(ハラナ・タカマサさんからコメントをいただいたあと、読みやすくするために一部に手を加えました。主旨に変わりありません。)


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第二サイト

2006-08-16 23:46:03 | Weblog
最近、こちらのブログが込み合っており、管理人もアクセスがむつかしいときもあります。こちらに記事投稿できない場合は、

フリーターが語る渡り奉公人事情2

に新しい記事を入れていきます。少しずつ過去の記事も入れて、ミラーサイト化する予定です。

なかなか新しい情報がなくて? と思った読者は、どうぞ第二サイトをのぞいてみてください。新しい情報があるかもしれません。
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労働契約法制学習会+飲み会

2006-08-15 23:07:37 | イベント/ミーティング
このブログでも告知した、8/8に開かれた労働契約法制の学習会の報告を。

場所がよく分からず、間違った方向に歩いていったりして、予定よりもやや遅れて到着。会場は85%の椅子がうまっている。
会場についたころ、すでに一人目の報告者の田村さんは役目を終えていた。かわりに二人目の弁護士さんが労働契約法制について法の実務家の立場から説明していた。
労働契約法制は、経営者が今の労基法を無視する形で労働者をこき使える法案だということだ。
詳しいことについては資料を読んだり、人と討論をしたり、今後の報道を見ないと分からない。だけど、労働基準法を形骸化させかねないキケンな法案だということはつかめた。

その後、研究会・職場の人権定例会でも顔を知った人たち数名と飲み会をした。活動家の人たちは、難しい本はあまり読んでいない。だけど、ちゃんと日々の活動のなかから大事なことをおさえ、学んでいる。オーウェルを引用しなくても二重思考について、職場の闘いのなかから理解している。聖書をそらんじなくても、敗北主義のタチの悪さと希望の大切さについてきっちり押さえている。

学校とか、教養とか、教育とかいったものは、ここでは希少価値がない。変にひけらかせばヤボ扱いされそうだ。本は引用しなくも、鋭くて賢くてステキな人たち。面白くていい人たち。こういう人たちとのつきあいを大事にしてゆきたい。
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学歴と労働の間

2006-08-15 22:22:47 | 哲学・思想
偽装請負・多重派遣にまつわるいろいろな苦痛をとりあげるときに、「もっと(いい)学歴があればいいのに」という意見が出ることもある。

しかし、学校はリストラ事始だ。大学全入がもしも達成されたとしよう。そうすると、今度は大学の中で今よりももっと細かくランクがつけられ、いいコースに乗れなかったもの、ひとつのコースのなかで成績の悪かったものは、やはり条件の悪い職につくだろう。
また、そうなると、大学という画一の文化のなかで、自分は徹底して無能か努力なしなのだと本人は思い込まされる。自信喪失、劣等意識による自己否定は、人と人との連帯をこわしてしまう。
「よい」職業訓練コース(高校)を多数作る案にも同じ問題が噴出するはずだ。

問題は、「よい教育」ではない。労働や生活のあり方そのものに潜むワナを見抜き、乗り越えてゆくことだ。
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経営者文化大革命としてのジョブカフェ

2006-08-14 01:25:01 | 現状
 先日、大阪府のジョブカフェを訪れた。大阪北部・天満のエルおおさかの2Fにあるほうだ。(南方面では堺にもある。)労働行政の職員はごくわずか。ほとんどは民間のある会社(ヒント:αβ-18;イニシアルはアルファベットの18番目・英語で新兵調達という勇ましい意味の会社名)の職員がほとんどだという。ちなみに、この民間会社の名前は伏せてくれとのこと。ヒントまでは禁じていなかったので、みなさん、推論してみてください。

 インターネットカフェのように会員制になっており、登録が必要。登録をすませ、係員からアウトラインの紹介を受けたあと、どんなところか見て回った。

 就職や仕事に関するいろいろな情報・資料がおいてあるコーナーがやはりメインだ。求人誌のほか、会社四季報や業界図鑑などもおいてある。職業別の紹介ヴィデオやビジネス・マナー解説用ヴィデオも置いてある。

 名前にあるカフェのほうの機能はあまり期待しないほうがいいだろう。スターバックスみたいなサーヴィスはない。低予算で調達したであろうかたいイスに座って、セルフサーヴィスで機械からくんできたコーヒーやお茶を飲めるだけだ。小さい白い紙コップで飲むので、量も少ない。実際、タダで飲めるといえばこんなものだろう。

 フロアには、各種の仕事関連のパンフレットやITスキル・ビジネスマナー、履歴書・職務経歴書の書き方、面接の模擬試験などの講座案内もある。
 
 インターネットで職を検索できるコーナーもあり、ふつうのインターネットカフェと同じように利用できる。

そのほか、スピード写真とプロに撮ってもらった写真の違いを説明するものがポスターみたいに壁に貼ってある。「(うまくいかないことを)人のせいにばかりしていませんか?」といった、求職者の心構えについて諭したカラフルな文書もある。

明るく、楽しい雰囲気。だけどちょっと職を探す若者を幼児扱いしているきらいはないだろうか? 職業紹介所なんて、多少暗かったり、退屈だったり、殺風景だったりするものではないだろうか? ソファでいい味のコーヒー飲めるわけでもないのにカフェというのも? だ。若者はコーヒーを飲みながらでなければ相談事ひとつできないわけではない。
 若い世代に自助努力・自己責任を強調する言葉が、かわいいプップ文字や蛍光色を用いていたるところに置かれている。しかし、一方で、職場の裏面ーー過労死・うつ・燃え尽き、企業の不当労働行為、職場のいじめ・いやがらせなどーーについて知らせる情報は見渡す限り皆無といっていい。いざというときに連絡・相談する労働行政・労働組合・弁護士などの活動を広く知らせる書籍やミニコミ等もまたジョブカフェには置かれていないのだ。これはバランスがよくない。とうのを通り越して、経営者好みの文化に労働行政がのっとられた格好だ。プロレタリア文化大革命ではなく、経営者文化大革命なのだ。
 いろいろな情報のおいてあるラックのなかに、こういうものもあった。
 自衛官募集要項をA4二つ折りのパンフレットにしたもの。内側にホッチキスでとめてあるのは問いあわせ用のハガキだ。
 自衛隊総合のカラー写真をふんだんに使ったもののほか、陸上・海上などジャンル別の応募要綱もある。年齢や健康状態など、かなり厳密な規定がある。オールカラーのパンフレットのなかには、防衛大学校の紹介や、法務・音楽など市民社会にも存在する部署も掲載されている。
興味深いことに、自衛隊の予備隊もあるという。年齢は16歳~34歳まで。一年のうち数日だけ訓練を受け、ほんのたまにだけ出動可能性もあるという。
 しかし、アメリカの予備兵のように、いざ戦争となれば出動しなければならないだろう。日本でもアメリカと同じように職にあぶれたりお金がなくて大学に行けない層が、自衛隊に志願するほかない状況があるということだ。
さらに、年齢や健康状態などの制約によって、自衛隊にも志願資格がなければどうすればいいのだろうか? 

こうした状態が常態化すると、ひどい条件でアルバイトや派遣を使い捨てする経営者はこう言うだろう。「自衛隊に行った人に比べればマシでしょ」と。そして、もっと労働環境を過酷で暴力的なものに変えてゆくはずだ。

こうした経営者による文化大革命を許してはいけないとわたしは思うが読者はどうか?
ジョブカフェは、会社四季報の横に鎌田 慧の出稼ぎ労働者のルポや、労働組合の機関紙や、「季刊 労働法」のような雑誌をも置くべきだ。生活保護を取得するためのマニュアル本を「絶対内定」の横に置いたほうがいい。「なんでも人のせいにしていないか」と壁に紙を貼るのをよして、「なんでも自分のせいだと思っていませんか?」という情報も提供すべきだ。失業苦にくわえて自分を責め、自分を嫌いになってはかなわない。ジョブカフェに通う道すがら、列車のレールに飛び込めといわんばかりに失業者を長期にわたって鞭打つしうちはやめなければならない。

研究会・職場の人権5月定例会で、大阪府の労働行政の橋本さんが報告をしておられた。彼の発言によると、大阪のジョブカフェが民間のR社のスタッフとノウハウを導入して、やっと求職者の正社員就職率が3%に上昇したという。つまり、残る97%は派遣やアルバイトや契約といった非正規雇用の「就職」ということだ。
失業者が自分をやっつけても何もはじまらない。自分の権利を勝ち取るためにやるべきことは、職を探すのは当然のこととして、ほかにもあるのではないだろうか?
周囲の大人たちは、若い世代が労働組合をやることや、福祉を利用することをも見守ったり支援したりすることを求められている。
労働行政は、経営者文化大革命のあやつり人形になってはいけない。プレカリアート文化を紹介することに予算と人手をさかねばならない。たとえば、週に2,3回だけでも労働組合のアクテイヴィストと語り合う会を設けてもいいと思う。

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もじれの日々


 
 

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偽装請負関連いい意見

2006-08-12 22:34:52 | 現状
ブログ清貧生活さんが、いい意見を提案している。

多重請負を明確に違法にしろ、というものだ。

大賛成。これを、民事・刑事・行政と3方面から罰せるようにしたほうがいい。実際、ドイツではそうしているのだから。

当ブログ内関連記事:派遣・請負の特徴
違法は日常 誰のせい?
闇の仕事--脱開発主義
派遣・請負の暗闇
地獄労働としての偽装請負ーー手が曲がらない!


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地獄労働としての偽装請負ーー手が曲がらない!

2006-08-12 21:00:26 | 現状
 最近、偽装請負で働いている20代の男性から話をうかがった。
 彼は、京阪神圏の大学を卒業した後、フリーターを始めた。聞けば、派遣・業務請負の会社に登録して働いているという。そこからの指令によって、たとえば大山崎など京阪神の辺鄙なところにある工場などに勤務しているそうだ。
 「自動車を作るための溶接の仕事を経験した」と彼は言った。ボタンを両手でおさえると、自動車の部品に200Kgの圧力がかかり、溶接できるそうだ。その作業をずっとやっていると、やがて、手のひらを内側に曲げる動作ができなくなるという。
どういうことか。厚手の軍手を二重にしてはめる。それで、両手のてのひら全体を使ってボタンを押す。そのうちに、だんだんと手が固まって、なめらかな動きができなくなってくるという。人を無能にしてゆく労働なのだ。
こうした、誰もが嫌がり逃げたがる過酷で破壊的な労働が、下請け・孫受け・偽装請負またはヤミ派遣などにまわってくる。そうした仕事がなければ読者も乗っている自動車は作れないのだろうか?
派遣・請負会社の仕事は、田舎か都市郊外など、交通不便な辺鄙なところに行くことがほとんどだ。現に彼は鳥取などへの出稼ぎも経験している。なのに、派遣会社は電車代は出してもバス代は出さない。タクシーチケットもない。駅から本数の少ないバスに乗るか、派遣先の会社の人たちが何台かの車で駅前までむかえにくる。会社のチャーターしたマイクロバスに乗り込むこともある。
当然、通勤時間は長くなる傾向がある。また、短期雇用契約がほとんどということもあり、どこに問題の会社があったのか本人もよく覚えていないこともある。そうすると、あとで労働組合や弁護士に相談しようとしても、なかなか場所を特定しにくい。マスコミにも報告しにくく、取材も入りにくい。
派遣・業務請負の仕事は辺鄙なところが大半だと彼は言う。わたしも経験的に言ってそう思う。また、他のアルバイターが、休憩時間に「ここ、通いにくいよね」「えー、こんなところに会社あんの?」などと言っていたのを覚えている。

少し話をするたびに、聞いているこちらがクラクラしてくる。同時に、彼もわたしの労働体験を聞いてくる。相互取材だ。少し話がすすむたびに、二人とも梅干の顔になってしまった。表情に苦悩をうかべないでは話せない内容なのだ。

今では彼は、関西のある労働組合に入っているそうだ。あんまりマッチョじゃないのが居心地がいいという。研究会・職場の人権にも出入りしている。
当然のように、労働問題で有名なルポライター・鎌田 慧さんの名前も知っていた。今後、直接働いて、参与観察のような形でレポートを作成したいと語っていた。
彼のプロジェクトはすべての働くものにとって大切なことだ。成功を祈ってやまない。


当ブログ内関連記事:派遣・請負の特徴
違法は日常 誰のせい?
闇の仕事--脱開発主義
派遣・請負の暗闇

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http://d.hatena.ne.jp/ost_heckom/20060809/p1#seemore
http://d.hatena.ne.jp/yukihonda/20060812

2006/8/15読みやすくするために一部訂正しました。大意に変わりありません。



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一時的メモ

2006-08-08 15:53:11 | 文化
黒田節の替え歌です。

元歌→http://www5b.biglobe.ne.jp/~pst/douyou-syouka/03nihon/kuroda_k.htm

不況の嵐か デフレ風か
下層の女の 舞姫か
車をひきとめ 立ち寄れば
歌音大きき 習い事

進学するたび 人が減る 
学校は 元祖リストラで
ゆとりに反対 してみても 
小さき人に 見破られ


教育訓練 やれやれと
識者は言いし 審議会
学歴資格は インフレで
座れる席こそ すくなけれ

充実してます 肉体労働
生きている 実感かみしめて
あまりに仕事が きついので
体を壊して 病院に

今日の仕事は 明日あるか
明日のことは 知らねども
一日ごとに 売られゆく
夢の夢こそ あわれなり

昨日いた人 今日はどこ?
会社の外に 追い出され
はじめの出会いは 別れなり
鐘の音ひびく 会者定離



生きよ生きましょ この時を
将来なんて わからない
諸行無常 是生滅法
ペルソネ ホディエ
保障なし

ひとつかぎりの 命なら
過労死よりも 休みゃんせ
ひとつしかない 体なら
元気になれば 踊りゃんせ

○>ゆとりに反対してみても 

狭義のゆとり教育のみならず、子ども・若者への登校強制圧力、子どもが学校に行かずに町を歩いているだけで取り締まる政策、ひきこもり対策という形での思想の自由やプライバシー侵害などを含みます。

○>小さき人 

子どもは小さい大人だ」とするP・アリエスの議論を受けたもの。


○>今日の仕事は明日あるか 

派遣会社の営業も含めてわかりません。

○>一日ごとに売られゆく

一日ごとに労働力商品として派遣元会社から派遣先会社へと売られてゆく様子です。

○>夢の夢こそ あわれなり
日本の伝統的人形劇である文楽の曽根崎心中の道行きのシーンからの引用です。この2行は「一足ごとに消えてゆく 夢の夢こそあわれなり」からもじったもの。http://homepage2.nifty.com/hay/sonezaki.html



●>諸行無常 是生滅法
雪山ゲ。お釈迦さまが山で修行をした。そのとき、「所業無常 是生滅法 生滅滅威 寂滅為楽」という歌声が聞こえたという。このセリフは、清元(三味線音楽)や平曲(琵琶楽)のなかにも取り入れられている。

○>ペルソネ ホディエ 
中世・ルネッサンス期の世俗音楽のなかの世俗ラテン語より。「今の人」の意。
<2005/1/12付記>日本の江戸初期から伝わる伝統歌曲のなかに、三味線の曲で「サンタマリア」という歌詞の入ったものもある。それで、伝統の曲にラテン語がまじっていてもいいだろうと判断して入れてみました。

>○たったひとつしかない命ならば、どうして過労死・自殺の前に休めないか。一個だけの体ならば、仕事を離れて踊れないか。現状を嘆きつつ、組織に滅私奉公する以外の人生を模索したい気分を描写してみました。



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請負・派遣の暗闇

2006-08-07 03:33:57 | 現状
hamachan のブログEU労働法雑記帳のコメント欄に書いたものを転載。その後、一部修正。
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コメント
この問題がやっと大きく社会問題化されて、うれしいというか、もっと早くやるべきだったといいますか。
実は、わたしも松下ひ孫受けの会社から、松下の子会社のある事業所に「派遣」されたことがありました。
そのとき、ひ孫受け・孫受け会社の名前、給与、保障を松下の子会社ではしゃべらないようにと支持を受けました。
表向き、別の派遣会社を通しているので、おそらく偽装請負かヤミ派遣でしょう。どちらにせよ、周囲に知られては困るわけです。
そのときにはぜんぜん労働法の知識もなく、自分たち派遣が悪いかのような印象を受けていました。だけど、「研究会・職場の人権」やLECの市販テキストなどを用いて学習するうちに、システム的な問題が少しずつ見えてきたんです。

求人広告を見ると、京阪神圏の場合、「派遣・請負」とまとめて呼称する企業もあります。実際、アルバイトの現場では、経験的に言って派遣企業の営業も含めて派遣と請負は同じと思っているフシがあります。

>「大阪労働局は、昔は松下とはケンカしな>い事で有名だった」んだそうですが、

>http://d.hatena.ne.jp/nami-
>a/20060801/p2

>今回の件はいささか目に余ったということ>でしょうか。

そうでしょう。一日12時間どころか15時間・18時間の勤務とか。目をつぶすリスクのある仕事とか。そこに入った人があまりの環境におどろいて1日か2日で勤められなくなって、やめさせられてのかやめたのかわからない形で退社だとか。また正社員は派遣よりもゆったりのんびり仕事をしているとか。ハッキリとノルマのめやすや目標を言わないで、際限なく「もっと早く・正確にやれ」と正社員がせかしたり。人を事業所に閉じ込める格好になって、昼休みに薬屋にでかけただけで派遣のアルバイトを侮辱・罵倒していたり。それに、派遣にはわざとみずほらしいユニホームをあてがい、ロッカールームも使わせないとか。昼休みにはバテてしまって食事もとれない人が必ず出るとか。休み時間に家族や友人に携帯で連絡とるだけで総スカンにするとか。そうそう、ひとつの職場に派遣はひとり、多く数えてもせいぜい3人くらいにとどめる。その3人も仕事内容や勤務シフト、入社時期が違う。そうやって社内政策的に孤立・排除の起こりやすい状態をつくる。いjめ・いやがらせの温床です。
また契約書には「ブランド会社の一員として誇りを持つ」なんてムリな一文もあるとか。つとめるその日になってあわてて契約書にメクラ判押させるとか。会社の掲示板を見ただけで「スパイ」よわばりだったり。人を中傷・密告している人だけが長く勤めているとか。いきなりの配置転換も。

たった一ヶ月つとめただけで、たくさんのおかしなことがありました。ネットでは、2ちゃんねるなどでムチャたたかれています。労働環境が悪い、人間関係が最悪などという内容がほとんどです。

他の派遣・請負も事情は似たりよったりです。労働行政がやっとやるべきことに着手してくれたことがわかっても、素直によろこべない。徒労感のほうが大きいです。






投稿 ワタリ | 2006年8月 7日 (月) 03時31分


当ブログ内関連記事:派遣・請負の特徴
違法は日常 誰のせい?
闇の仕事--脱開発主義


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http://d.hatena.ne.jp/mustelidae/20060806
http://d.hatena.ne.jp/kmizusawa/20060806/p4

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