赤木智弘さんを応援するブログができました。
希望は、戦争?blog ~「丸山眞男」をひっぱたきたい Returns~
http://d.hatena.ne.jp/t-akagi/
こちらの企画にわたしも加えさせてもらっています。
有志がmixiの赤木智弘コミュニティを通じて立ち上げた企画です。
サヨクには何かと評判のよくない赤木智弘の言説。
しかし、わたしは彼を孤立させてはならないと考えています。
若者ときちんと向き合わず、まともにつきあう気もなく無責任な評論を書く、困った論者は、サヨクにいっぱいいます。
以前、赤木さんに集団トラックバックみたいな返事を書いてもらう企画が「論座」という雑誌でありました。
そこには、赤木さんに象徴されるフリーターをどこか幼児扱いしたり、見下し同情する返事が集まっていたと思います。
特に映画監督2人は、さっぱり分かっていなかった。
かたや、サヨク系の労働組合や市民団体/学術団体よりも、保守的だったり財界よりであっても、同じ2-30代には、意見はともあれ客観的な事実の認識には大差ありません。
草の根社会運動やそれとリンクした学術団体の関係者に話をうかがうと、就職氷河期または就職氷河グループとしては、信じられない態度/言葉に出くわします。
たとえば、「ニートって言うな!」という新書のタイトルを聞いただけで真っ赤になって起こりだす労働組合の活動家。
あるいは、「ブラック企業」という言葉を聞くだけで話をそらしたり、すりかえたりする左派系の労働問題研究家。
「就職氷河期」という言葉で若い世代にものを考えさせまいと必死の学術団体関係者。
「インターネットは本当の人間関係ではない」として、イントラネットのみの利用を推奨する学術団体主催者。
「地域密着」を唱えて、地域から引っ越せない、または車がなくて移動困難な貧困層が、いかに仕事や生活に困ったり、絶望が深まるかを理解できない労働経済学者。
平和運動にいそしみながら、偽装請負は若者の個人的な心の問題だと言い張り、決して派遣先企業や派遣元会社の違法行為を指摘しない元教員。
こうした人たちに尊厳をふみにじられ、やる気も能力も過小評価され、生存権さえもてあそばれてきた。
それが、今の40代初頭より下のうちのフリーターというグループであり、就職氷河期世代/ロストジェネレーションなのです。
勇気と知恵をしぼって赤木が発した問題提起をも、若者の無知やふざけ/甘えとして処理しようとする層が、たとえば改革派の医師など左派にもいることをわたしは知っています。
また、吉本隆明イズムに染まった人々の消費礼賛にももううんざりです。
国内外の第三世界のスェットショップ(こきつかい工場)で働く人々を犠牲にしてできあがったブランドを、大規模な広告や商品配置技術によって、(半ば)強制的に買わされる。
自分たちでコントロールできる自律性がなく、いつも受け身を強いられる。
そうした消費にもわたしたちはうんざりです。
なお赤木智弘は、車社会における貧乏人の不自由についてもきちんと言及しています。
これは、たとえば今わたしのすんでいる京阪神圏では、右と左に対する反逆になります。
自民党系の阪神高速道路公団と、共産党系のバスの組合の両方は、路面電車の導入やパーク&ライド方式に否定的です。その左右の車にからむ利権に赤木の言論は反抗しているのです。
それは、街の中に路面電車を復活させたり、歩行者中心のエリアや時間帯を増やしたいと考えている住民や観光客の望みとも重なります。
また、それは日本の都市計画や交通行政を根本から問い直す問いかけでもあります。
赤木の住んでいる栃木県は、日本でももっとも郊外的ライフスタイルの徹底した地域だからです。
そのことを、「論座」で赤木に応答した論客は、誰も指摘していません。(もしも生きていれば宇沢弘文が、それがだめなら杉田聡が応答すべきでした。)
こんなサヨクたちが、赤木、そして彼に象徴される不安定雇用層、就職氷河層をバッシングしたり、無視したり、場合によっては意図的に誤解をばらまいています。
この状況は、同じフリーターとして、ロストジェネレーション/ロストグループとして、見過ごせません。
わたくしワタリは、自分たちの世代/グループのために、就職がらみで苦しむ人たちのために、社会的排除に抵抗する試みとして、赤木智弘を応援していきます。
彼の問題提起を真っ向から受け止め、共に議論に貢献される方のご意見をお待ちしています。
(2007-9-20 大意に違いない程度に文章に手を入れました。)