ミンデル氏は、昏睡状態の人と対話するという信じられないことを可能にした。忍耐強い働きかけを行っていくと、クライアントは筋肉の一部の働きや言葉の応答によって、死にたいか、生きたいかの意思表示や未解決の愛のテーマなどを完了することができる。ユング派のセラピストが、数多くの臨床例から、死に瀕した人の微細なメッセージを聞きとる方法や、生の深い意味を明かす待望の翻訳書。
・夢と身体の反映関係、あるいは両者をつなぐものを、プロセスワークではドリームボディ(夢身体)と呼ぶ。
・夢やドリーミングを、自我とは異なる意図や知恵を宿した意識状態ととらえるのである。夢ならびにドリーミングは、日常意識や理性とは異なるが、意識がないわけではない。だからPOPでは、それらを無意識とは呼ばないのだ。
・プロセスワークがまず試みる有効な対応方法は『ブランク・アクセス対応』である。・・・私たちは空白(ブランク)の部分を自分自身の音やイメージやファンタジーで埋めるのである。
・あらゆるブランク・アクセス・メソッドは人々の気持ちを穏やかにすると同時にクリエイティブでもある。それらは時間と空間(ブランク)を提供することで、内面にあるものを引き出す手助けをしてくれるからである。言語的なブランク・悪せ右派「そう。その通りだとも」、聴覚的なブランク・アクセスは「<それ>に耳を傾けてください」というように言うことである。このように刺激的でありながら内容を伴わない言葉はとても助けになる。「内側に目を向けてよく見てごらん」とか「白い壁を見て描いてごらん」といった視覚的なブランク・アクセスは魔法のような効果を現すこともある。
昏睡状態にある人とワークを行う際、熱のこもった言葉で対応することは大切だが、内容が空白であることが重要である。もし、クライアントのまなざしが何かに向けられていたら、「あぁ、私もそれを見ています!」というのもいいだろう。「私を見なさい!」というような言葉はあまりに直接的であるため、相手が本当に見ているものとは一致しないかもしれない。「うわか!」「そう!」「おやまあ!」といった熱がこもっていながら内容を持たない言葉はクライアントの必要性に応じて解釈される。もしも視線が焦点を持たないままで左右に動いていたら「私にもそれが聞こえます」といった言葉を試してみるのもいいかもしれない。またもし彼が目を閉じてリラックスして眠ったように見えたら、「何かを感じとることは大切です」とか「静寂は素晴らしいですね」と言ってみてもいいかもしれない。何かを言うたびに、手のタッチを静かに変化させることで手からも同じメッセージを伝えることを忘れないように。
・「コーマワーク(昏睡状態の患者とのワーク)」は、脳に損傷を負った状態にあってもこれまで信じられてきたよりもはるかに、人間が覚醒した意識を保ち得る可能性を指示してくれる。
感想;
この本には、昏睡状態だった人が反応したり目を覚ましたケースが紹介されていました。
昏睡状態の人は意識があるのだと知りました。それがうまく外部と接点を持てないのでしょう。
ミンデルはそこに一つのアプローチの方法を見つけて、昏睡状態の人と会話することを可能にしました。
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