幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「身体・心・世界をつなぐ実践的心理学 プロセス指向心理学入門」藤見幸雄・諸富祥彦著編著 ”身体の声も聴き、身体のしぐさも見逃さない”」

2023-07-23 09:18:18 | 本の紹介
プロセス指向心理学(POP)。それは、心理学の第四の流れと呼ばれるトランスパーソナル心理学の数あるセラピーの中でも、最も臨床的有効性の高いアプローチ。
 ユング心理学から生まれながらも、身体症状を夢の反映と見て、身体への取り組みを中心に捉えるようになったり、一歩間違えば人殺しさえ起こりかねない危険な状況下での激しいグループ・アプローチ(ワールドワーク)を行うようになったりと、あまりにラディカルな発展を見せたがゆえに、ユング心理学の枠に収まりきれなくなった心理学。

・現在プロセス指向心理学は、従来の心理臨床の枠組みを超えて、昏睡状態・植物状態の人に働きかけたり、グループ・アプローチという形(ワールドワーク)で世界に遍在するさまざま難題(性差別、民族紛争、宗教対立、環境保護派と開発推進派の対立など)い取り組んだりもしている。

・ミンデルはリアリティを三つのレベルに区別して説明する。
1)「コンセンサス・リアリティ」
2)「ドリーミング・リアリティ」
3)「センシェント・リアリティ」
 こうしたリアリティの区別は、プロセス指向心理学の臨床実践において、欠くこととのできない重要な視点となっている
1)の「場」には、多数派が支配して少数派が排除される権力構造がある。
2)の「場」では、対立する「極」の交流が可能になる。
3)の「場」は、非二元的で分割できない「雰囲気」のようなものである。
 実践では、自分が今この瞬間にどのような「場」の中にいるのか、それを自覚しておくことが重視される。

1)インナーワークのエクササイズ
2)人間関係のエクササイズ
3)動作のエクササイズ
4)身体症状や痛みのエクササイズ
5)アディクションのエクササイズ
6)夢のエクササイズ

・プロセス指向心理学のエクササイズでは、いずれも、基本的に次の三つの意識や体験のレベル(位相)の間の往還運動を目指している。
1)いわゆる「現実」世界 コンセンサス・リアリティ
2)夢や身体症状、嗜好の世界 ドリームランド、異なる次元
3)「エッセンス」の世界 量子レベル、「言葉」や「形」になる以前の微かな動き

メタスキルには二つのポイントがある。
1)ある瞬間にセラピストに現れる感情は、そのセラピストの抱く信念の反映である。つまり、セラピーの現場でセラピストが表す一瞬の態度から、そのセラピストに生じた感情がどのようなものかを捉えて言葉にすることである。
2)セラピストがセラピーの中で生じた自分の感情に気づくこと、およびそれをクライアントのために意識的に用いることである。そのことを表すためにメタスキルという言葉が選ばれた。
 メタスキルのメタ(meta)は、ある瞬間に私たちが自分の経験していることや、どんな感情が生じているかに気付いている、という外部からの視点を意味する。単にセラピーの中で起こるセラピストの感情のことを言うのではなく、その感情について、それがどのようなものなのか-共感なのか、好奇心なのか、困惑なのかに気づくことを意味する。・・・
 あらかじめ持つべき感情を処方しておくのではなく、実際に生じる感情にちゅもくするのがメタスキルの基本である。セラピーの中でセラピストは、実にさまざまな感情を抱く。それらは意識されているかどうかにかかわらず、セラピーの浸透しクライアントとの関係に大きな影響を及ぼす。セラピストが感じたことを自分の態度として表すこと、そしてそれを意識的にセラピーに取り入れること。これがメタスキルの核心となる考えである。

・メタスキル
①思いやり
 私たちは自分の中にさまざまな側面を持つが、そのすべてに心を配り大切にするということを意味するメタスキルである。
②リサイクリング
 見たところ不条理とも思えるような、意味もはっきりしない小さなシグナルに気づき、それから、それを取り上げてリサイクルすること。つまりシグナルの内容を聞いていくことである。
③遊び心の距離を置くこと
 ひとつのことにあまりにとらわれてしまったとき、距離をおいて見る態度があれば、大きな視点から状況を捉えることができる。
④魚釣り
 セラピストはよい釣り師のするように、のんびりした注意を向けながら魚を待ち、魚が食いつけば強烈にそれに集中する。
⑤シャーマニズム
 セラピーの中でセラピストの多くに自然に生じる「シャーマン」と「科学者」という二つの異なった態度に、意識的に従うこと。
⑥創造性
 特定のアイデンティティにとらわれたり、ある治療的な役割に留まったりせず、その背後にあるエネルギーに触れること。
⑦流動性・静止 
 タオのように滑らかに流れ、タオのエッセンスと結びつくこと。それと同時に絶え間ない変化の最中にも、新しい情報が出現するときに、それを知覚するための生死した中心を持つこと。

コーマワーク 昏睡/植物状態にある人との取り組み
 コーマワークは日本ではまだほとんど知られていないが、ミンデルらのプロセルワーカーたちはアメリカですでにかなりの実績をあげており、昏睡状態の心理的援助を専門とする人も少なからず出てきている。・・・
 コーマワークにおいては、昏睡/植物状態にある人にまさに今・ここで自分がなお生きるか死ぬかを選んでもらおうとする。

・「元型的心理学」ジェームズ・ヒルマンが1970年代から主唱しはじめたひとつの思想運動である。

・ホリスティック(全体的な見方をする)教育のおもな三つのコンセプト、「全体性」、「プロセス」「つながり」

・プロセス指向心理学における情動との関わり
 プロセス指向心理学の第一人者である藤見幸雄は、怒りに対する対応には、抑圧するのでも衝動的に表出するのでもない第三のアプローチが必要と考える。まず怒りと間を取ることが大切とされる。怒りの感情は膨張しやすく、怒りで一杯になって自分自身を見失いやすい。そうならないように一呼吸おいて怒りと一定の距離を取る。そしてその感情を「怒り」と決めつけてしまう前に、それが何なのだろうかと何か珍しく不可思議なものでもみるように関わっていく。すると傷ついて自分、悲しんでいる自分、絶望している自分が受かんげくるかもしれない。このように怒りと関わる、つきあう、対話するという姿勢を重視する。
 もう一つ大切なのは「内的な観察力」を養うこととされる。それは「変性意識状態」においてでさえ、そこに起きていることを「公平・客観的」にみる力、心理的プロセスを方向づける力である。・・・
 つまり怒りとうまくつきあっていくポイントは、「怒りを対象化し観察できる主体を育むこと、怒りに対する共感や尊重の気持ちを大切にすること」とされる。

・ミンデルのアドバイス
 身体で感じながら、同時に何かの自発的な動きに注意を向けること。そしてもし可能なら、心の中でその何かと一つになって自由に動いてみることだった。

感想
 知らないことが多かったです。
心身一如、まさに心身を対象とした心理学のようです。
 昏睡/植物状態にある人には外部からの働きかけは難しいと思っていましたが、臨床事例で、それが可能だということです。
 身体の何気ない癖や動きは心を表しているようです。
 メタスキルを少しでも身につけたいと思いました。
そのためには傾聴に加えて観察力も大きいように思いました。

本にはプロセス指向心理学とフォーカシングやハコミセラピーの類似点/相違点も紹介されていました。


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