江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

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「福島県耶麻郡誌」中の怪異伝説  その3

2023-06-03 23:07:58 |  伝説

「福島県耶麻郡誌」中の怪異伝説  その3

               2023.6

第十八章 口碑傅説   
  第一節 口碑(こうひ)

11.梵天清水(ぼんてんしみず)  
磐保村(いわほむら:猪苗代町)字(あざ)町島田の西北一町(約109m)ばかりにあり。
昔、源義家東征の時、ここにて従卒が水を乞うた。
そして、幣(ぬさ)を建てて祈願すると、きれいな清水がたちまちに湧き出した、とのことである。


12.観音屋敷
千里村(ちいさとむら:猪苗代町)字(あざ)入江の東南の方にある。
三浦経連が始めて猪苗代に来た時、観音の像を背負って来て、この地に安置したと言う。
今は闢前道(かけまえみち)と言う。
又、この地を耕せば、祟りがあると言いつたえられている。

 

13.釜井川  
翁島村(おきなじまむら:猪苗代町)字(あざ)釜井にある。
昔、水上に一つの釜があった。
村民がそれを取って、持ち主をさがしたが、わからなかったので、泥中に埋めた。
それで、この名がついた、と言う。
村の中央の御壇橋の東方川中に釜淵という所がある。そこが釜を沈めた場所であるそうだ。

 

14.太鼓石山 
高松宮御別邸(天鏡閣)のある所は、昔いつの頃かはわからないが、文次郎と言う者が住んでいた。
よく田植え歌を歌った。
彼の持っていた太鼓が化して石となった。
その石は湖中にあると言う。

15.船石  
長浜(猪苗代の湖岸)の中に在り。
文次郎と言う者の船の化したものだという。
長さは、二間(約3.6m)ばかりで、船の形に似ている。



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