江戸の妖怪、怪奇、怪談、奇談

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「ミイラ取りがミイラとなる」の語源  「閑窓瑣談(かんそうさだん)」為永 春水

2020-07-15 15:16:16 | ミイラ薬

「ミイラ取りがミイラとなる」の語源

「閑窓瑣談(かんそうさだん)」(為永 春水、 1790-1843)には、

「ミイラ取りがミイラとなる」の語源が、記載されていますので、紹介します。

これには、ミイラの産出地を、赤道直下のどこかとしてあるが、別の資料では、インドシナ半島の、どこかとしている。

 

以下、本文

民間の諺に、ミイラ取りがミイラとなる、というのが広まっている。 その起源は、こういうことである。

木乃伊の出る国は赤道の下にあたる国であって、極熱の地方である。 (原注:赤道のことは、地球の図説にて、詳しく見ること)

その所に広々とした砂漠がある。 その辺を往来する人は、土で製造された車に乗って、通り過ぎる。

万一誤って地に落ちれば、たちまち焼け焦がれて、木乃伊(ミイラ)となる。

また、この木乃伊を取ろうとして土の車に乗って行くものがある。

その者も乗っている車が破れるか崩れて地に落ちれば、同じく木乃伊(ミイラ)となる、と云う。

これは、全く根拠の無い 佞言(ねいげん:この場合、うその言葉の意)である。



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