子供たちが放課後も学校に残って勉強したり、遊んだりできる…。そんな「居場所づくり」の事業が来春から公立の小学校でスタートします。文部科学省と厚生労働省の「放課後子どもプラン」で来年度、226億円の予算が計上されました。
午後5~6時頃までの時間帯には、教室・体育館・校庭を舞台にした、多彩な活動の場が用意されます。授業の予習・復習・補習等を行う「学びの場」もあります。教員OBや教職を目指す大学生らが指導します。塾に通わない子にも、授業以外の学習の機会が提供されるようになり、多くの保護者が歓迎する事になると思います。
スポーツや、文化活動をする「体験の場」もあります。地域の大人たちとの「交流の場」や「遊びの場」もあります。こちらは、地域のボランティアが担当します。文科省が3年前から実施している「地域子ども教室」事業がベースです。現在約8,000の小学校で放課後、地域住民と子どもが一緒に遊びやスポーツをしています。その内容を一層充実させた上で、全国に拡大するのが今回の事業です。
夕方以降の時間帯は、共稼ぎなどの10歳未満の子どもが対象になります。保育士などの資格を持つ専任の指導員が遊びの場を提供して面倒を見ます。従来の「学童保育」を継承する形になります。活動の場を児童館や民家利用から、全て小学校とする事で、未実施地域の解消を目指します。こちらは有料ですが、子育て支援の意味でも、できるだけ保護者の負担が軽くなるように望まれます。
何より、児童が安心して過ごせる安全な放課後にする事も重要です。学校の内外で様々な事件・事故が起きています。各小学校に「安全管理員」が配置される予定ですが、地域の大人全員が最大限の注意を払う必要もあります。
残念なのは、来春にスタートできるのは全国2万の小学校の約半分に留まることです。財政難を理由に、導入に及び腰の自治体も有ります。でも、国が補助金を出し、自治体の負担分も地方交付税で手当されれば、やる気さえあれば始められる事業のはずです。
「地域で子どもを育てる」という意識も欠かせません。かつては、そういう時代でした。「おやじの会」や老人クラブ、青年会議所、ボランティア組織など地域全体を巻き込んで、充実した放課後を演出されることを願っています。
(参考:読売新聞 2006.12.24 社説)
「放課後プラン・地域の教育力を再生する場に」と題した社説ですが、とても分かり易くまとめられた記事なので掲載しました。
私達も、地域コミュニティ活動として、上記の内容と一部重なる活動をしています。「新宿コミュニティクラブ」として情報も発信しています。