ポーランドからの報告

政治、経済からテレビのネタまで、詳細現地レポをお届けしています!

聖ミコワイの日、ミコワイキ

2006年12月06日 | 文化

今日、12月6日は、聖ミコワイの日、ミコワイキ。
ポーランドの子供たちの所に、聖ミコワイがプレゼントを持ってやってくる日です。

聖ミコワイとは、サンタクロース伝説の元になった人物で、その起源は、AD4世紀ごろの東ローマ帝国の伝説に基づいているといわれています。-「ある貧しい男が、娘達を結婚させるお金もなくて途方にくれていたところ、それを知った聖ニコラウスは、夜中にその男の家にこっそり忍び込み、金の塊をを三つ投げ込んだ。それが靴下の中に入った」- この聖ニコラウスの伝説から、サンタクロースが生まれ、またアメリカなどで一般的な、靴下にプレゼントを入れる風習も、ここから始まったといわれています。

19世紀にはいると、イギリス、アメリカなどでは、サンタクロースのお祝いは、キリスト生誕を祝う12月24日のクリスマスと融合し、一つの行事になりました。しかし一方で、オランダやポーランドなどヨーロッパのキリスト教国の多くでは、今でも12月6日の聖ミコワイの日と、12月24日のクリスマスを別々に祝います。

子供にとっては、12月6日の聖ミコワイの日と、12月24日のクリスマス、2回もプレゼントがもらえるということで、12月は一年で一番ハッピーな月。子供を持つ親にとっては.. プレゼントを2回用意しなければいけないということで、なにかと出費がかさむ月です。

   

聖ミコワイの日、各家庭のお父さんは、聖ミコワイに扮して、夜中寝ている子供達に、こっそりプレゼントを配ります。その聖ミコワイの服装ですが、昔はキリスト教の聖人らしく、天使のような格好をしていました。そして今や、街で見かける聖ミコワイは、白い縁取りの赤い服の上下に、白いボンボンがついた赤い帽子。すっかり資本主義の波に押されて、西側でおなじみのサンタクロースの容貌に様変わりしてしまいました。

さらに昔を思い起こせば- 1950-60年代の共産主義時代には、毎年新年の年明けごろに、 マローズ爺さん(冬爺さん- Dziadek Mróz) が、職場や幼稚園などへやってきて、子供達にお菓子などを配って歩いていました。このマローズ爺さんというのは、ロシア暦の新年を祝う聖人で、ロシア民話に起源があります。戦後の共産主義政権下のポーランドでは、カトリックの否定と、共産主義ロシアの宣伝をかねて、あちこちの職場や幼稚園などに、このマローズ爺さんが登場していました。しかし元々ポーランド文化には存在しなかった風習ですので、90年代にポーランドの社会体制が変るやいなや、マローズ爺さんは、ポーランドから瞬く間に姿を消してしまいました。

当時の子供達にとっては、12月・1月は、聖ミコワイの日、クリスマス、マローズ爺さんと、続けて3回もプレゼントがもらえて、とても楽しい思い出だったようです。


ポーランドからの報告