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e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

日本のラジオは大丈夫か

2004-08-08 | ◆ビジネス
8/4の日経新聞によると、2004年度のネット広告市場は前年比30%増加して1500億円前後となる見込みで、ラジオの1800億円を追い抜くのも時間の問題であると言われている。

インターネットは、動画配信などでコンテンツの高度化を図り、検索結果と連動した動的広告を可能とし、また、クリック数に応じた課金として広告効果を測定したり、と広告媒体としての価値をますます向上させている。

一方、ラジオは旧来のアナログ放送のままであり、その広告コンテンツには制約があり、一方通行である。欧米では、その状況を打破すべくラジオ放送のデジタル化が進展しつつあり、既に電波に乗せてテキスト配信を受信機に行うところまで来ている。その先には映像の配信、あるいはリスナーとのインタラクションがある。先日紹介したラジオ電波を利用した音楽ダウンロードサービス構想もその一例である。

しかし、仮にラジオがデジタル化して広告メディアとしても価値を向上させることに成功したとしても、実はラジオのアイデンティティはますます危ういものとなる。テレビもインターネットもラジオも、全てデジタル化の流れの中ではオンデマンド、リッチコンテンツ、インタラクティビティといった似たようなことを指向していくため、その差別化が難しくなる。そんななか、常に一歩遅れのラジオが覇権を握るのは極めて難しい。

かつてBBCの研究所の方にインタビューした際、「ラジオはStory Tellingであり、イギリスの文化なのである」という言葉が印象的であった。ラジオはメディアとしてのテクノロジー革新に当たって、そのアイデンティティを問われているというのが事の本質であろう。

ちなみに、日本でも現在デジタルラジオの実験が行われている。

デジタルラジオ ホームページ 

誰も聞いていないラジオ放送である。

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