読む日々

テーマばらばらの読書日記

それもまたちいさな光

2012-05-17 | 
角田光代「それもまたちいさな
光」


ラジオドラマ原作のオリジナル文庫。

35才の幼なじみ同士が、お互い独身だったら結婚しよう、という約束を意識し始めてから結婚するまで、を、毎朝放送されるラジオ番組を挟んで描くお話。

二人は、何もかも知り過ぎていて、好きだけどときめかない感じ?

お互い過去、溺れてしまった苦い恋があり、それをお互いが知り尽くしている。やっかいな関係ですね。

そこにまた 主人公の友人や取引先女性の恋が描かれてます。


友人は
女性が社会的に男性を追い越してしまってギクシャク。これは、この男はもうダメでしょ、とすぐわかりますが、「好き」って感情ってどうにもならないんだね~という感想。

取引先女性は、妻子もちとの長い関係が、彼が病を得て自然消滅かと思いきや、主人公や友人の尽力で、悔いのないラストを向かえるお話。相手が亡くなる直前に、女性に翌日来て欲しい時価がメールで届き、貴重な別れをしますが、もしかしたらそのメールは、奥さが送ったのかも、との後日の推測にノックアウトされました。
きっとそうだ! と思ったし、いい奥さまだなあ、って。

なかなか考えさせられる小説でした。

満足度80

最新の画像もっと見る

コメントを投稿