読む日々

テーマばらばらの読書日記

白蝶花

2013-11-13 | 
宮木あや子「白蝶花」


はくちょうばな と読みます。


戦前~戦中~戦後の、愛を求めた女たちが縦軸で微妙に繋がっている物語。


有馬温泉の芸者で、やくざに落籍された菊代。旦那の格下の若い男と愛し合い、見つかり、半殺しに。同じく、有馬温泉で働く、仲の悪い妹の雛代に助けられ、港へ逃れる「天人菊」

いい家の娘でありながら、事業に失敗した父親に、財閥社長の、父の友人に妾として売られる泉美。父は自殺する。旦那の長男といつしか愛し合い、彼をソビエトへ逃がすため、旦那を愛するふりをする「凌霄葛」(のうぜんかずら)

酒田から福岡の県知事宅へ女中奉公へ行く千恵子。そこには一つ下の美しい娘・和江がいて、貴重な友情築かれかけていた時、書生と恋に堕ちてしまう。彼には赤紙が来ており、知事も東京へ戻るため酒田へ帰る千恵子。妊娠が発覚し、堕胎を強要されそうになり、逃げる。それを匿うのが20年近く前、神戸から逃げてきた菊代。彼女はあの時、男の子を宿していたのが流産しており、同じように境遇の千恵子に同情する。父が近くまで迫り、東京の雛代の元へ。そこで県知事一家と再会。知事に妊娠を告げると、彼の母を紹介される。なんとそれが泉美だった。泉美の元で出産、養女になる(乙女椿)

冒頭、和江から千恵子への数十年振りの手紙で幕を開けた乙女椿が、章を変え、ここで完結。和江の戦後が語られる「雪割草」


いやあ・・・面白かった。メインは千恵子の物語なんだけど。難しい時代の女性の生き方。
かなり引き込まれました。

満足度150

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