読む日々

テーマばらばらの読書日記

凍りついた香り

2016-12-03 | 小説・現代
小川洋子「凍りついた香り」

自殺した調香師の恋人が、なぜ死ななければならなかったのか。彼の過去を知るため、彼が高校生の頃出場した数学コンクールで起きた出来事を探るため、プラハを訪ねた涼子。

日本ではプラハへ行き着くための、幼い頃の人彼を知るために実家に滞在していたが、弟の彰から様々な情報を得つつ、母親の壊れっぷりにも付き合う。

日本での出来事とプラハでの調査の旅が順番に語られ。

辿り着いた真実は。

完璧な、頭脳を持ち数学の天才で、様々なコンクールを制覇してきた弘之と、その息子を自慢に思う母親。

行き過ぎた母の自尊心と、完璧主義な息子との間に起きたプラハでの事件。 

帰国して母を捨て家出をし、涼子と出会い暮らしていても、完璧主義な自分にヘトヘトになっていたのか。

じーんと泣ける、喪失と再生のお話。

満足度90

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