諸田玲子「心がわり」
狸穴あいあい坂というシリーズの3作目。
前2作を読んでないので最初戸惑いましたが、だんだん事情が飲み込めてきました。
火盗改方与力の家の娘、結寿は、継母を嫌い、隠居した祖父と狸穴坂の下で暮らしていた。町方与力のやもめ、道三郎と想いを寄せ合うも身分違い。実家の決めた御先手組の小山田家へと嫁ぎ、道三郎も身分の釣り合う人と再婚する。ここまでが前2作。
で、心ならずも嫁いだ家で、様々起こる事件。最後は小普請に格下げされた小山田家に対し、継母や実父の考えで、お腹の子を産み落としたら離縁と勝手に決められてしまう。
里に帰った結寿は、自分がどれだけ夫を慕い、小山田家を愛しているか気づき、夜中に実家を抜け出し狸穴坂へ向かう。
最後は大団円。娘が生まれ、格下げした婚家で、家族揃って仲良く過ごす幸せ。
前を読んでないので、道三郎との仲が上手くいかなかったことはそんなに残念に思う気持ちがなく読めたので、武骨な旦那さんと心を通わせられてよかったね、とほのぼのとした気持ちで読了です。
道三郎を想う気持ちに変わりはないが、それよりも夫を慕う気持ちが大きいのだ、と。素敵な女性ですね、結寿は。
続きはあるのかな。
満足度100