日本のコロナ対応の予算は、何かびっくりするような額で、その一部をIMFに出すとかほざいて、なんだこれはと思ったばかりだけど、補正予算では
生産拠点の国内回帰や多元化を政府が支援-サプライチェーン強靱化へ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-09/Q8GCPQDWRGGD01
という方向性を持つらしい。
政府は、新型コロナウイルスの感染拡大で製造業のサプライチェーン(供給網)が寸断したことを受け、生産拠点が集中する中国などから日本への国内回帰や第三国への移転を支援する。緊急経済対策の一環として総額2435億円を2020年度補正予算案に盛り込んだ。
内容的には
新型コロナ感染症が世界的な広がりを見せる中、安倍晋三首相は3月5日の未来投資会議で、サプライチェーンを巡る懸念を踏まえ、一国依存度が高い製品で、高付加価値品は国内への生産拠点の回帰、高付加価値品以外は東南アジア諸国への多元化を図る方針を示した。
この金額でそんな壮大なことができるわけないだろう、というのは簡単だけど、方向性として本当に出せるなら乗ってくる企業はあると思うし、それは日本にとっては良いことだと思うな。もう少し国内をなんとかしようという考えを持たないとだわ。そして、観光立国とかいうその場凌ぎよりもずっと良い方向。
もちろん、マスク2枚を金かけて送付するという壮絶な冗談を聞くよりはずっといい。
■ 欧州状況
で、欧州のコロナ状況はイタリア、スペインなどの増加がスローになってきた通り、一応ピークは過ぎたと言っていいような感じではなかろうかと思う。
太平洋の向こうではない日本海の向こうのすぐ近くの隣国ロシアさんは、試験回数100万を超え、それに伴い感染者数は増大し1万の大台に乗った。が、重症者数は相変わらず少なく、死者も、増えてはいるためそのたびにロシアメディアがニュースにするものの、こうやって比較すると、うまくしのげてますよとしか言えない。
これは今スクショしたもの。右から2番目の検査数合計での並べ替え。アメリカ、ドイツ、ロシアが100万超え。もちろん総人口が違うので総人口比ではドイツが一番多い恰好。
https://www.worldometers.info/coronavirus/
で、たびたびこの表を見ててわかる通り、ロシア、ドイツは重症化、死者の点で最初から他先進国との比較で良好だった。これは結局、クロロキン、メフロキンあたりの既存薬が有効でそれを使用する医療対応が適切だったということの証明なのではないのかと思ってみたりもする。
ロシアは前に書いた通りメフロキンをベースに治療法を確立していると自分で宣言している。ドイツはバイエルがクロロキン製造している国なのでそこらかなと思って書いてるだけで彼らの第一選択が何なのかは私はわからない。上のデータを毎日見ている限りでは当初からそんなに悪い推移でないことは言える。
ここで書いた通り、
クロロキン&メフロキン
トランプがヒドロキシククロロキンは有効だと騒いだ結果、アメリカFDAが認可するという展開もあった。
■ 準備にしくはなし
で、ロシアは最悪イタリア並のことが起こることを想定してその想定は現在も行われている様子で
保健省が、4月末までに95000床のベッドの確保をしろと言ってる。
Russia should prepare 95,000 hospital beds by late April — health minister
https://tass.com/world/1142661
モスクワ市内の病院10カ所、研究所9カ所を新コロナ診断と治療用に改めて指定し、連邦が資金を出して設備を入れ替え、拡充している。
Ten hospitals, 9 labs in Moscow converted for COVID-19 diagnosis and treatment
https://tass.com/society/1141691
MOSCOW, April 8. /TASS/. Moscow’s authorities have re-equipped ten hospitals and nine laboratories in the city to diagnose and treat the novel coronavirus infection, Moscow Deputy Mayor Pyotr Biryukov said on Wednesday.
また、医療機器は、業界あわせて、4月は通常の8倍の生産体制を組んでいるが、5月には25倍、6月には30倍の体制を組む模様。救国の中戦車T-34再び的な趣。
Russia to boost medical devices production 25-fold in May
https://tass.com/economy/1142747
"Enterprises are increasing the volumes of produced medical devices as the plan is to boost them eight-fold in April, 25-fold in May, and 30-fold in June," he said.
TASSのこの記事についてた写真。なにかこう、そこはかとなくソ連軍のギャリソンキャップ(ピロートカ)を思わせる。たまたまなのか、5月9日を迎える時節柄、記者の気分がこういうのを選ばせちゃうのかわかりませんが。
こーいうやつ。
しみじみ、ロシアでは危機の時には基本的に誰も助けてくれない、自分たちの生産こそ戦闘継続の基盤であるという経験に裏打ちされた考えが国民に行き渡ってるんだなぁと改めて知らされる。
自分だけでなく中央アジア側のユーラシア連合諸国もいざとなったら助けないとなんないってのも織り込み済みでしょう。あと、セルビア、スルプスカ、モルドバあたりの兄弟、近親者諸国もそう。
冷静に考えれば、扱いにくくて、しかし人数の多いウクライナがなくなったことによって数量的に余裕が生まれていると言えるかも。ウクライナはどうなっているものやら。
いずれにしても、ここから数週間持ちこたえて、今年も5月9日を迎えるのがロシアのスケジュール。75年前の今頃はカリーニングラードを落として、ベルリン直前でちょっと足止めといったあたりか。
■ オマケ
で、上で書いたモスクワ市の医療拡充に対して、NYTなんかが、ロシアは本当はコロナ被害がすごいのだ~とかやってる。日本でもこの流れの記事がある。
それって、まず、モスクワ市長にとっては願ってもないブーストでしょう。
そうだ、我々は危機にある、我々は足りてない、だから我々は1分も無駄にできない、とかいって病院拡充をやってるわけ。確かにコロナ被害はあるし、全ロシアで最もリスクをしょってるのも本当。だけど、これを奇禍としてモスクワ市の(ひいてはロシア全土の)医療拡充に予算付けして実行しているのも、みてたらわかるでしょう。
EVERY MINUTE COUNTS! Moscow coronavirus hospital construction workers motivated by Soviet-style billboards
https://www.rt.com/russia/483831-coronavirus-hospital-soviet-style-billboards/
そして、底の底では、このタイプの危機は1度ではない(仕掛ける奴はいる)、備えねばという諦念がある。だから備えてる。それはスターリンの頃と同じ。
でね、NYTなんかは本当に苦労したことのない国の、本当に苦労したことなんかない人たちが書くプロパガンダ紙。シャブ中の人殺しが自分を貴婦人だと思って他人を騙しているにすぎない。地獄にさえ行き場のないような罪人がNYTだのワシポで何か書いて誘導している人たち。人の不幸を餌として大きくなる悪意の総本山。
だがしかし、個々の日本人は自ら撒いた種ではあっても、誰も助けてくれない危機を経験したことのある人々なんですよ。どうして、危機に対応しようとする人たちに心を動かされずにすむんでしょう?
マスクなんか配ってるんだったら看護士さんたちの手当てにでもしろって感じ。そして、国民もそういう方向に目が向いてないのが、マズイと思う、ほんとマジで。
https://www.newsweek.com/exclusive-first-public-map-reveals-military-bases-coronavirus-cases-pentagon-secrecy-draws-1496951
海軍さんのルーズベルトはグアムで療養中、レーガン、ルーズベルト、ニミッツも感染者が発生。原潜は闇の中ですが、もし出たら核戦略は破綻するでしょう。
在日米軍も「座間ぁ~見ろ」
https://www.stripes.com/news/pacific/us-army-japan-announces-its-second-positive-coronavirus-case-1.625578
そもそも米兵はフリーパスで世界中の基地内や基地外を歩き回っているので、怖い怖い。
歓楽街で濃厚接触も大好きだし。横須賀、横浜、東京地続き。
めまいがしそうです。