昨日のNHK7時のニュースが、とても奇妙なことを言っていた。
このニュースで、
中国 習主席 朝鮮戦争参戦70年 ”米軍の不敗神話打ち破った”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201023/k10012677771000.html
この中で、習近平国家主席が演説し、「朝鮮戦争当時、アメリカとの国力の差は極めて大きかったが、中国は北朝鮮と協力して戦い、アメリカ軍が負けないという神話を打ち破った」と述べ、朝鮮戦争でアメリカ側を打ち破ったとする歴史観を主張しました。
この記事はそう書いてるけど、読み上げたセリフには、新説を出したみたいなニュアンスがあった気がする。ここは私の勘違いかもしれないが。
それはともかく、朝鮮戦争の折、中国の大量の義勇兵がアメリカ軍を敗走させたというのは、別に歴史観というようなものではなく、当のアメリカ人たちもそこを否認してはいないと思う。
前にも書いた通り、この敗走はウィロビーというアメリカに帰化したドイツ男の判断にやられたものといってアメリカの将兵が腹を立て、52年には、ウィロビーは自分をドイツの男爵の息子とかいう触れ込みでいたが、ドイツで調べたらその男爵に該当するような息子なんかいないじゃないかという騒ぎにもなっていた。
ファシズムとの戦い変じてファシズム内左右となる
今に至っても、ウィロビーはアメリカ史上最悪の参謀ではないのかという意見が出ていたりする。
失墜にとどまらず、今でも、ひょっとしたらコイツが米軍史上最悪の情報参謀なんじゃないのかなどと研究書で指摘される人でもある。
これはつい最近の記事。2017年初出。
これは米陸軍史上最悪の情報参謀か? だそうです。
Is This the Worst Intelligence Chief in the US Army’s History?
https://thediplomat.com/2019/01/is-this-the-worst-intelligence-chief-in-the-us-armys-history/
ということなので、中国人がこの行動を侵略者から中国本土と朝鮮北部を守ったと思っていても、別になんら不思議はないでしょう。
また、アメリカ人の方は、いずれにしても南だけしか取れなかったわけだから、朝鮮戦争に勝利したわけではないというのは認めざるを得ないのではないの?
だがしかし、多分、日本国内ではそもそも朝鮮戦争とはどんな戦争だったのかさえ伏せてきたようなところが大ありなので、全体的にわけがわからない人々の方が多いと思う。
大陸の日本軍はソ連に負けたということすら認められないわけだし。
東西挟み撃ち体制が見たくなかったらしい
で、全体としてどうして日本がこんな具合になっちゃているのかというと、結局のところ、再々言ってますが、戦後作っちゃったおかしな団体、おかしな理屈がそのまま残って、時間と共にむしろ強化され、それを整理できないことが問題だって話でしょう。
日本だけでなくドイツ方面もそう。昨日書いた通り、ドイツの現在はナワリヌイを盾にドイツは強いドイツを目指すという方向を鮮明にしつつある。(過去30年ぐらい一環してそうではあるけど、それを公式にしつつあると言う方が正しい)
アメリカ(ディープなアメリカね)は、西でナチ、東で大日本帝国の中の、極め付けに性質の悪い奴らをかき集めて、対ソ戦に使うという恰好を作った。
適宜コントロールして使ってればまだしも、CIAなんかと組んで汚れ仕事をしていくうちに加担者が増えるわけだから、全体としてコントロールできなくなっている、というのが現状なのだろうと思う。
仕組み的にはこのへんで書いた通り。
「The West is winning」by ポンペオ
新コロナ:戦後政治の舞台裏が暴れてる的な趣
■ 日本の事情
個別具体的に考えると、マジで、WACL(世界反共連盟)こそ諸々の糞溜なんじゃなかろうかという気は相当する。
そして、ここには金がある。それはつまり、だって文さんも笹川さんも、台湾に逃げた財閥もみんなお金持ちだから。
で、日本ではその笹川さんのところが2011年に名称変更して日本財団となって、笹川良一が競艇で儲けた金でっせとか、朝鮮戦争の頃なにやらあったらしいですわ、という昭和の人にとって常識であるものがわからなくなりつつあるような感じがする。
だがしかし、いやぁここは大問題でしょう。そして、どうして堺屋太一が大阪に目をつけて革命(維新)を騒いでいたのかも突き詰めていけば戦後作った仕組みの保持こそ目的だったということになるんじゃないのかしら。維新とか言ってるけど、自分のところは解きほぐさない、みたいな。
■ 今後
ロシアがユーラシアの西側部分を解明していったので、今度は中国がやる、とみるのが順当なんじゃないですかね。
ソ連に苦労してもらってナチを倒して、日本を倒して、その果実を盗んだアメリカとイギリスが罰当たりなのは紛れもないけど、それにやすやすと与したドイツ(と日本)は救われない。
WW2の決定的な勝者はソ連だよと人々が言うの巻
台湾問題も同じ枠組みなので、中国にとってはやらなければならないものでもある。
だからこそ、日本の中では中国共産党を崩せ~みたいな声が強まるんでしょう。ソ連を倒せというのと一緒。
だがしかし、今回はロシアと中国が同じ軌道に乗っており、かつ、アメリカは自分で蒔いた種に苦しんで大混乱。ということなので、昔の夢よもう一度とはならないオッズは毎日高まる。
したがって、日本国民としては、ぼちぼち過去をほじくって備えておくのが吉であろうと思う。
わからなかったことがわかるのは楽しいこと!
■ 関連記事
今年の2月のこの発見も、「シリーズ極東の戦後(仮題)」に関係がありそう。
細菌戦「731部隊」の新資料発見 「ないはず」の戦後公文書 細菌生産を明記
2020年2月7日 10:57
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/155056
時々垣間見える過去:生化学・731・冷戦
先般どこかのテレビ局の番組で朝鮮戦争で
北朝鮮軍が米軍に追い込まれた際に中国軍の支援要請した公式文書が中国東北の歴史資料館に掲示されていた。
署名人は金日成と朴憲永である。
朴憲永は日本の朝鮮統治の時代地下で抗日運動を指揮していた指導者である。
韓国では海外に流れて独立運動をしていたといういかがわしい連中が今幅を利かしている。
朴正熙と朴憲永は政治的立場は異なるが共に朝鮮半島に腰を下ろして戦った人間である。
彼らは本当に戦場で人を殺してきたがその故に彼らは本当の現実を知っている。
彼らの視線の中に朝鮮人が生きてきた。
金日成とか李承晩とか果て又は上海の臨時政府とか夜郎自大の戯言はいずれ消えていく。