一件小ネタだけど、これってなんか意味深だなという話。
米国、盗難にあった90年代のユニークな文書をロシアに返却
http://jp.sputniknews.com/russia/20160226/1683433.html#ixzz41IW9PRoi
米国は1990年代にロシアのアーカイブから逸失した28点のユニークな歴史資料をロシアに返却する。
スターリンや数人のロシア皇帝の署名入り文書の返却式典がモスクワの米国大使館で3月3日に開催される。
「コメルサント」紙によると、文書は18-20世紀のもの。
文書は米国側の調査で発見された。うちのいくつかは1994年に骨董商ウラジーミル・ファインベルグによって盗み出され、近年になって発見されたもの。
だそうで、この返還式が3月3日モスクワで行われるんだそうだ。
U.S. to Return Historical Documents Missing 20 Years to Russia
http://www.themoscowtimes.com/news/article/us-to-return-historical-documents-missing-20-years-to-russia/560715.html
泥棒したのはロシア人の名まえだと思うけど、つまりまた外からの手引きってやつですねって感じの事件ですね。
で、西側諸国はロシアのアーカイブには非常に関心を示していて、ソ連終わりましたの混乱の後にはこれ以外にもなくなったかスパイされたかしたものがある。
外から手引きしてたんだろうなと思ったケースとして記憶があるのは、ソ連崩壊後に出た記事で(しかし私が読んだのはもっとずっと後、ネットが盛んになってから見た)、イギリス発で、ロシア人でアーカイブに務めてた人が相当量の文書を密かに書き留めていて、崩壊と共にそれをもってイギリスに逃げた、という話。私は、それって手引きしてたって話だろうなと率直にそう思った。でもそうは言えないので、そういう奇特な人もいるんですよ、というソ連は怖いですね系の話にしていた。
もう一つは、ロシアの強烈ロシア派の歴史家が話していたもので(私はネットで見た)、ソビエト崩壊後の混乱の中で西側の人たちはアーカイブに来たよ、中にはロスチャイルドもいた、彼はアレクサンドル1世の手紙を持っていった、と言っていた。
いくらかの寄付を行ってね、とこの歴史家は皮肉そうに言ったんだが、その寄付の額が邦貨で3000万ぐらいで、私としては、ケチ糞やん、と思った(笑)。あんなんもこんなんもしておいて、でもってその過程で何か自分に関係のあるものがあるから見たくて見たくて仕方ないがないから裏から手をまわして見に行って持って行ったんでしょ?それが3000万かよ、と思ったわけですよ。
で、これをアメリカ政府が返還するというのは、なんらかのサインっぽいよなぁとか思うのでした。前から言ってる通り、アメリカは2つの系統があって、一つはナチ組でこれが結局戦後を仕切っていたんだけど、でも、もう一つの集団があると思う。そしてそれは決してロシアという集合体に対してけち臭い恨みとか、見当違いの反目とかはない。であればこそ、第二次世界大戦はああいう組み合わせになったんだと思うわけです。
こっちをユダヤ扱いする人々が多数いるように見えるけど、それはナチ組みからの侮蔑の表象だと思う。むしろ、啓蒙専制君主以来のメーソン仲間と思った方がまだ筋が通ると思う。
やっぱりこう、私たちが経験しているのはパラダイムシフトだわな、ってな説はあたりなんだなとあらためて思う。ウクライナ危機の最初の頃何度もそんなことを言っている人たちがいて、200年来か、30年来か、400年来かと期間の長さには差はあったけど、結局この集団的な「かん」みたいなものは当たりだったんだなって感じ。
このへんで書いたもの。
1814年と1914年から見る神聖同盟の有用性
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