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オーストリア連立崩壊、ハンガリーに余波はあるか

2019-05-22 17:46:16 | アジア情勢複雑怪奇

オーストリアの政権がかなりあっけなく連立崩壊。9月に総選挙が行われる模様。

オーストリア、極右出身の全閣僚辞任へ 連立政権崩れる

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45051020R20C19A5000000/

 

この手回しの良さは、かなり力のあるところが関与してさっさと話を作って舞台回ししました、みたいな感じがする。情報機関案件って感じ。

きっかけはシュトラッヘ副首相が、ロシア人のオリガーキの姪だかいう女性と話しているビデオがどこからともなく現れたこと。

今回の問題は、シュトラッヘ氏がロシア人投資家とされる女性に便宜供与を持ちかける様子を隠し撮りしたビデオが明らかになったことがきっかけだ。撮影されたのは副首相就任前の17年夏だが、極右の危うさを示すものとして批判が広がった。最新の世論調査では、自由党の支持率が18%と問題発覚前よりも5ポイントも落ち込んでいる。

そこから、シュトラッヘは辞任したんだが、クルツ首相(オーストリア国民党)がシュトラッヘだけでなく、自由党(Freedom Party)の重鎮のキクル内相に触って来たところから、自由党の全閣僚が辞任。連立政権崩壊、クルツ首相は総選挙を宣言、という成り行き。ものすごい早い。

オーストリアの政治状況というと、去年結婚式にプーチンが出てダンスしてたことで有名なクナイスルさん(Karin Kneissl)はどうなるんだろう、と気になったので検索してみたが、どうやらこの人は例外扱いになるらしい。そもそも自由党が推薦した独立の人、という位置付けだったので筋として通るのか。

プーチン、オーストリア経由で平和的ベルリン入場

 

ということから考えると、オーストリアの外交方針を崩したいというのならクルツとこの人を狙わないと意味がないだろうと思われるので、今般の情報機関が作ったとしか思えない騒動は、別の狙い、つまり、欧州議会選挙ということですかね。成り行きに注目。

 

■ リベラルとフリーダム

それはともかく、自由党と書くと、日本の自由民主党はLiberal Democraticだから、リベラルのことかと思う人が多いと思うけど、今回のケースはフリーダムの方の自由。

これは結構重要なマーキングだと思うけど、フリーダムがついたらまずほとんどの場合右派だと思っていい。一つの特長としてリベラル的な価値が嫌いだからフリーダム(自由にさせろ)と言っていると考えるとだいたいあってる気がする。

それに対して、リベラルの方はずっと前からあって、カナダの「自由党」はリベラル党で、こっちは植民地時代から一貫して強い、ある種カナダの国体に近いところにある党。要するにイギリスの帝国主義がリベラルを全面に出してかっぱらいをやる、というスタイルだからこの価値、すなわちリベラルが政治的価値として残って来たと考えると当たらずとも遠からずではなかろうかと思う。

そう考えると日本の戦後の55年体制以前のリベラル党(自由党)もカナダ式に親イギリス的な党だったということなのかもしれないな、など思ってみたりもする。自民党のリベラル系統は今でも実際親イギリスだし。

で、今般の欧州の場合は、EUを作って行った過程はほぼ各国の社会民主主義的な党が与党になって出来ているので、それらが総合してソビエト欧州だろ、それ、みたいな恰好で「フリーダム」が勃興している、といった感じ。


■ オルバンは大きいが、他はどうだろう

私は別にフリーダム党を一律に悪いといっているわけではないし、むしろ応援している部分もある。が、これらの人たちを手放しで喜ぶのは危険だとも思う。なぜなら、破壊には向いているけど何か作れるかどうかはちょっと謎の党が多くて、考えようによっては右から来たカラ―革命になるということもあるから。

欧州各国の右派の伸張というのは、メディアが悪者扱いしつつ当然視してきたわけで、これそのものが怪しいという気もしている私がいる。トランプを悪者扱いしつつ出してきた、というのと似てると思う(本当に出したくないならロン・ポールのように無視されて排除される)。

で、そんな中でも、ちゃんとテーマが見えてて、しっかりしてるのはハンガリーのオルバン政権。国民の支持もあるからEUグローバリストとしては目の上のたん瘤。

この人を追い込むために何かやってないか、と疑ってみる価値はあるように思ってみてる。

とかいってたら、Bloombergがオルバンにも嫌疑がかかってるという記事を出してきた。いいわぁ。

これによると、オーストリアの自由党は上のビデオの中で、オルバンがやっているように国内メディアに手を入れたいものだという話をしていたらしい。ハンガリーはオルバンが、ミニ・プーチン体制みたいなことをしているのでその話を各国のフリーダム党がするのは、リベラルメディア支配にあきてるからこうなってんだから、当然じゃん、って感じ。が、それはメディア支配こそ支配の根幹のグローバリストからすると許せん!ってことですね。

Orban Faces Call for Probe Over Bombshell Austria Political Leak

https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-05-20/orban-faces-call-for-probe-over-bombshell-austria-political-leak

 

■ 関連記事

オーストリアは、ナチ勢力の一角として敗戦国ではあったが、NATOを選ばず中立の道を歩んだ国。NATOを選んで、ついに東ドイツを併合して、クロアチア使ってユーゴを解体して、最近はNATOを使ってウクライナに侵攻してバルバロッサ作戦パート2をやったはいいもののバンデラ主義者を擁してウクライナに侵攻するってまさしくナチだったというのが知れて大恥かいてるドイツとは異なる。

中立国オーストリア



 


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1 コメント

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タル シルバースタイン (私は黙らない)
2019-05-23 04:29:31
RTの記事、読みました。このタル シルバーステインという男は、一体何者ですか?RTによると、ソロスとのつながりもあるらしいこの男、マスターは一体誰?どこの国?
アメリカじゃ、リベラル陣営もフリーダム陣営も、同じ看板の裏と表ですよ。ポリティカリコレクトな仮面をつけてるか、つけてないかの違いだけ。それが見えてくると、白けて選挙に行く気もおきない。
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